No.0560 2013年1月29日
 新着投稿⇒H.A.L.'s Monitor Report-AiTEC Λ1.2 Pure Gold 


Vol.6「大袈裟に言えば生命を得た如く有機的に生き生き鳴り響く!!」
 
埼玉県上尾市 T T様より

この訪問記ではお世話になりました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_visi0029.html
 
前回の投稿をご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0619.html


電気的接点の接触不良については仕事で痛いほど身にしみていた。

1)某社で半導体試験装置を製造していた時のエピソード

一般の人は見た事も無い半導体試験装置。略して半導体テスターとも言われている。
グレードや規模にもよるが当時1台、1億〜3億というシロモノだった。

それをゼロの状態からプラモデルみたいに組み上げてトラブルシュートや調整し
DATAを取り、汎用のICやLSIの試験ができるまでに製品化する仕事をしていた。

ステーションまたはテストヘッド呼ばれるものには最大512ch(のちに1024ch)が2基。
1chあたり+と−のコンタクトピンがでて試験対象物のICに電圧・電流・色々な
波形を送り、出力ピンから設計通りの波形やDATAが出てきてそれを他の1chで
受け取り許容範囲に入っているかどうか試験するものである。

当時10kgはあろうかという巨大な80MBのハードディスクに磁気テープからOS等
を約1時間かけてローディングしていた。今から30年も前の話しである。

普通のコネクターにはほとんど抵抗は無いが、バネ式で上下するコンタクトピンと
マザーボードやパフォーマンスボードに接触するところは、上から押さえつけても
接触抵抗が生れるのである。

コンタクトピンの頭部(接触部分)を十字にカットして鋭利にしても100%ではなかった。
この抵抗が大きいと矩形波などは立ち上がり波形がなまったり、所定の電圧に
達しないので、正しいDATAが得られずコンタクト面は一定の抵抗以下ににしな
ければならなかった。

2)一般家庭でも使われているダウンライト。

普通型番でいうとFDL27EX-LかNの蛍光灯が使われている。
丸型蛍光灯のように電源は4ピン。ある現場で球切れしたので新しい物と交換
したところ点灯せず。

「安定器がいかれたかな?」と思ったが、同僚が接点復活剤を吹き付けて改め
てはめてみると見事点灯。バネで押さえつけられて導体同士の接触面に圧力が
かかっているのにもかかわらず電気的導通がなかったのである。

前置きが長くなったが、電気的接触面には少なからず気にはなっている。

微弱な電気信号が通るCDトランスポート→D/A→プリアンプ→パワーアンプに
接触不良があると致命的である。いくら高価なケーブルを使用しても、コンポ
とコネクトする接触面で電気的抵抗があれば悪くてLRチャンネルの音量の違いに表れる。
いっそのことハンダ付けしたいものだが、それは暴挙というものである。

接点の不安を解消しようと実際、ダイナミックオーディオ店でカーボン粒子の
入ったものや○○コンタトといった液体も過去に試してみてそれなりの効果は
実感している。でも決定打に欠ける気がしていたのも事実である。

そして今回AiTEC Λ1.2 Pure Goldをモニターできると川又さんのメールが
来たので、渡りに舟と応募した次第である。正直一般の接点改善剤より一ケタ
お値段が高いのでビビって購入に二の足を踏んでいたのである。

原理はカーボン粒子と同じだが、液体は揮発性なので後には残らない。
金の場合は錆び無い。電気的抵抗の小ささはカーボンの比ではない。
金は金属にしては柔らかいので原子レベルで形状を変化して接点をより広く
密着してくれそうである。

まずは事前にシステムの信号ラインを中心に赤ちゃん用の細い綿棒(ベビー綿棒)
で各接点を拭いてみる(できれば無水アルコール)。

普通の綿棒だと綿の量が多すぎて形も大きい。ベビー綿棒は小回りがきくので、
P-01の電源DCケーブルの多数のピンの間も快適に拭きとる事ができる。

AC電源(ケーブル含む)のコンセント側には4枚くらい重ねて折った紙を出し
入れしてゴミをとる(感電事故防止のため、くれぐれも電源を落としてから行う事)。

結局10本ほどの綿棒は真っ黒になり、電源関係もSPケーブル端子も黒ずむ。
これだけ細かな金属粉や汚れが付いていたと思うとゾッとする。

一応この状態で音出ししてみる。特に感じるのは高音域の音量が上がったように感じられる。
これだけでも変わるのだからΛ1.2 Pure Goldへの期待は高まったのである。

いよいよΛ1.2 Pure Goldを塗布する。

金メッキ部分は同じ金色なのでよくは分からないが、シルバーの部分はキャップ
に付いているハケで塗るとゴマ粒大の液体が残るようである。

量は限られているので、まず信号ライン&クロック系・SPケーブル・電源の
順番で2時間位かかって作業終了。モニターの量で2/3くらい使いました。

作業中十分注意したのですが指に金粉がついてしまったりしました。
また余談ですが、使用前のキャップに付いている白いテープはシールテープと
呼ばれ、特に水回りのパイプ配管のネジ部分に少し引っ張りながら巻きつけて、
ネジの接合部から水を漏らさないようにするために使うテープです。
水道屋さんや勤務先のビルの設備管理をしている人の道具箱には必ずあります。

早速音出ししてみると、特にピアノの音色がキレイになった。
でもΛ1.2 Pure Goldの揮発成分が蒸発する時間が必要とモニターレポートで
の報告があったので一晩おいてからじっくり試聴しようと思い本日の作業終了。

翌日、本格的に聴く。

まず、女性ボーカルから原田知世の「カコ」。18年前の洋楽カバーアルバムである。
1曲目の「THE END OF THE WORLD」。一聴して低音に重みがあるのが分かる。

例えるなら鉄球が落ちるところを、TVごしに見ていたのが今までの音。
今は目の前で鉄球を落としているのを見ているかのよう。

臨場感が違うのである。

大胆なアレンジなのでボーカルは中空に漂うような感じだが、バックの効果音
(ロケット発射のカウントダウンから飛び立つ轟音)が面白い曲。

次にZARDの「揺れる想い」から1曲目「揺れる想い」。

冒頭の坂井泉水の声がバックの音にうずもれる事も無く、音もほぐれている。
セッティングが決まっていないとゴチャっとした音になる。ボーカルの高音が伸びる。

最後の一雫まで音が出ている感じで、音の広がりが気持ちいい。
次はボーカル中心に聴くために手嶌葵のカバーアルバム「Collection Blue」
より吉田拓郎の「流星」。

ライブでも本人がMCしていたが声量がないので消え入りそうな儚い歌声だが、
ピュア・ゴールドによりバックグラウンドノイズが低くなったのも手伝い
しっかり前方中空にポッカリと口元が浮かび上がる。

次に男性ボーカルリチャード・マークスのアルバム「リピート・オフェンダー」
からの大ヒット曲「RIGHT HERE WAITING」。冒頭のピアノの倍音が美しい。
甘い歌声にも潤いがある。

次に浜田省吾「J.BOY」より2枚目の7曲目「J.BOY」。
今回の東日本大震災で彼が歌ってきた歌詞(原発事故)が現実のものになった。

今回終えたツアーもリハーサル時に震災がおこり、今までとは違って現実味を
帯びるツアーに変わってしまった。全国の各会場でも東日本と西日本での会場
の雰囲気はまるで違っていたと聞く。

実際に震災を体験した人とそうでない人の違いである。
話を戻して、曲の根幹のドラム、特にバスドラの乾いた音がドスドス身体にくる。

次は千住真理子「アヴェ・マリア」より2曲目のシューベルトの「アヴェ・マリア」。
「これだよ、これ!」と感じたのがデュランティの細かな揺らぎ。
もれまで優雅と一言でデュランティを思っていたが、陰影のある表情まで見事
に再現してくれる。

Λ1.2 Pure Goldを塗布した後では、ついついアルバムを全曲聴いていたくなる。
自然と聴き入ってしまうのである。

まず、ストレスが無い。今までよりいい音に響くので感心するばかりであらさ
がしする気にもならない。大袈裟に言えば今まで無機的に鳴っていたものが、
生命を得た如く有機的に生き生き鳴り響くのである。

すでに川又さんが取り上げる前にΛ5.35(50Hz)を導入済み。
きっかけは知人の勧めである。
次にひょんな事で川又さんからΛ3.16 Professionalをモニターさせて頂いた。

どちらもシステムに及ぼす作用の方向性は同じであった。
一つ一つの音がはっきり感じ取れ、情報量が増えることにより今まで聴こえて
いなかった(気にしていなかった)音も容易に聴こえてくるので、一曲一曲に
新しい発見があり、特に昔のCDを改めて聴くと音づくりが凝っていたのが分かる。

AiTEC社は不思議なアイテムを次々世に送り出し、しかもハズレが一つも無い。
現状のシステムに行き詰まったら、どれか一つでもいい、AiTECのアイテムを試して欲しい。
まだまだシステムの潜在能力を引き出してくれる魔法のアイテムたちである。

今回、Λ1.2 Pure Goldをモニターさせて頂きありがとうございました。
これからもAiTECのリリースする製品に注目していきたいと思います。

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川又より

T T 様ありがとうございました。喜んで頂いて何よりでした。実際に試して
頂いた実感ですから間違いないでしょう。本企画をご利用頂き何よりでした。

皆様の情熱で揃えられたコンポーネント各々の情報の伝達が果たしてどういう
状態なのかは比較しないと分からないことでしょう。使用前・使用後の比較と
いう手段を提供してくれるのがΛ1.2 Pure Goldです。

せっかくのシステム構成において、その間を流れる音楽信号という血流が途中で
ロスしていないかどうか、それを試せるのが本企画の良いところです。
そんな企画とは何か? 皆様もハルズサークルに入会すると分かります。

HAL's Monitor Report