《“Sound buffet”Hearing Report》


No.0394 - 2007/9/18

東京都世田谷区 S 様より

Vol.4「聴き始めてすぐ川又さんに「今だったらこれ買っていました」と一言!!」

印象に残る過去のレポートをご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0362.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0374.html

川又さま。

世田谷のSです。
昨日は何ともぜいたくな時間をいただきましてありがとうございました。

世の中は、なんていうと大げさですが、昨日はその大げさな感慨にふけりました。
モノの宿命は、一度にできるだけたくさん売れるものがもてはやされ、作り出す
人間もそれを目指してきたところにあります。

そのせいでこの60年間、どれほどの貴重なモノがなくなっていったことでしょうか。
たくさん売れなくてもいいという貴重なモノは世間一般からみると、偏屈な頑固者
が作っているということになるのでしょう。

@5台の高価なスピーカーを
A最高の機器と環境で
B独り占めして聴けるということ

…は、作り手だけでなく売り手も効率を完全に犠牲にしているのですから、
Sound buffetは空前絶後の試みです。

そう考えると、かなり罪悪感が……。
理由はスピーカーを買い換えるつもりがまだないからです。

ごめんなさい、川又さん。

いま使っているスピーカーは5台のうちのひとつ、川又さんからいただいたAMATIです。
で、今回応募した理由は、AMATIの位置の確認と、聴いたことのないRevel Ultima
Salon2を聴きたかったからです。

川又さんもそのあたりはご承知で受け入れてくださったのでしょう。
私へのメニューはスピーカの特徴をわかりやすく提示するための曲を次々に変えて
いくのではなく、1曲だけを5台で聴くという趣向でした。

その曲はパガニーニのカンパネラ。
ソロヴァイオリンをフィーチャーし、アンサンブルとして1台のチェロ、ビオラ、
数台のヴァイオリン。コントラバスが入っていたかどうかは忘れましたが、小編成
のバックが支えるという曲です。

いやあ〜、ほんとにおもしろかった。

この1曲で何がわかるのかと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ほとんど
わかりますね。あるいは予測がつきます。

同じ条件で聴き比べると、これほどはっきり性格がわかるのかと、改めて思いました。

結論から言うと、AMATIの位置・性格は予想通り、以前も今も変わりませんでした。
低音の締まりやtuttiの分離がもっと甘いのではないかと危惧していたのですが、
とくにtuttiの分離は予想以上に健闘していたのでホッとしています。

Avalon Indra、WILSON SYSTEM 8、B&W 800dと順番に聴いて、まあ、いろいろ
言えばきりがないけど、やはり自分が好きなのはAMATIだなと納得しながら聴いて
いました。

ところが、最後に聴いたRevel Ultima Salon2がすばらしいのですね。
聴き始めてすぐ川又さんに「いまだったらこれ買っていました」と言ったほどです。

ともかく低域まで分解能力がすばらしい。
音楽が清明で透き通って、ほんとに美しい。

アンサンブルのピツィカートの粒立ちなど踊り出したくなるくらい美しく弾みます。
ヴァイオリンの高音も以外に派手でなく、つややかです。分離のいいスピーカーは
音楽がバラバラになることもありますが、分離がいいのに音楽表現が端正で行儀が
いいのです。

次の方の試聴でフィリッパ・ジョルダーノのハバネラがかかったのですが、透明で
ちょっと別物に聞こえました。

行儀がいいといえば、なんと言っても800dでしょう。
ほんとにきちんと鳴らしてくれます。

反対に行儀が悪いということではありませんが、音楽をホットに鳴らすのが
SYSTEM 8ですね。

AMATIは私が聴きたい弦の勘所をおいしく味付けして並べてくれます。
ピツィカートの粒立ちはRevel Ultimaに比べればいまいちですが、弦の高音の
つやがすばらしく、ソロバイオリンがグリッサンドで落ちてくるときの音の揺れが
わかったのはAMATIだけでした。

私の前の方の最後の曲から聴き始めたのですが、これがおもしろい選曲で、
ベーゼンドルファーを使ったピアノソロで、オンマイクぎみに録ったと思われる
演奏です。

低音の弦巻弦がビィーンと聞こえるといえばわかりやすいでしょうか。
5台のスピーカの特徴を他人様に用意された選曲で述べるのはおこがましいので、
世界5大ピアノになぞらえて大胆に一言だけ。

Revel UltimaとSYSTEM 8はベヒシュタインに、
AMATIとAvalon Indraはファツィオリに、
800dはそのままベーゼンドルファーに聴こえました。

最後に、天野さん、数え切れないほどのスピーカーコードのつなぎ代え、
お疲れ様でした。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

S 様、毎度のことながら読ませるレポートありがとうございました。<m(__)m>
オーディオ製品に惚れ込むというのは出会いがあってのことで、その出会いの
タイミングというのは実にドラマチックな展開を見せることがあります。

その意味でRevel Ultima Salon2との出会いが、もう少し早かったらという心境は
大変良く理解できるものであり、また逆に現在使用しておられるスピーカーに対し
て魅力を再発見できたということも今回の企画の成果であったかと思います。

イベントでは大勢の皆様に同時に聴いて頂くということは、コンサートホールの
文字通り末席で聴いてホールの音質が不満だと口にするのと同じかもしれませんね。
各スピーカーともに真正面で聴いてこそ本来の魅力が発見できるものです。

私も多数のイベントを行ってきましたが、その妥協点を承知の上で実演している
ものであり、皆様には「このようなイベントは集団見合いのようなものですから、
個々の製品の本当の音は一対一で後日試聴して下さい」と事あるごとに述べてきた
ものでした。そんな思いから企画した“Sound buffet”は皆様に様々な思いを誘発
したようでした。やって良かったと思います!!ありがとうございました。<m(__)m>


HAL's Hearing Report