《HAL's Hearing Report》


No.0259 - 2006/1/3

仙台市 K.T 様 より

「陶酔と興奮のブルックナー!!」

前回の投稿をご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0235.html

                 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

仙台のK.Tです。
ちょっと興奮気味に新幹線の中で書いています。
先程は素晴らしい一時をありがとうございました。
いい仕事納めとなりました。さっさと仕事を切り上げ、荷物を宅配便で送り聴きに
行った甲斐がありました(笑)
早速ですが、感想を送ります。

今日も飛び込みでしたが、素晴らしい演奏を聴かせて頂きありがとうございます。
短い時間でしたがすっかり堪能しました!

私が音楽を聴くのに求めることは気持ちよさ。
もちろん、気持ちよく聴くためには見た目も重要な要素の一つになります。
美しいと思える造形で、それがいい音を奏でたらいうことなしですね。
そんな見目麗しく音もいいという幸運な出会いでした。

生のコンサートでも、CD、レコード等の記録メディアの再生においても、心地よく
ない演奏というものも中にはあります。

巧い、下手というのともちょっとニュアンスが違う。
聴いてて違和感があり、集中できないというような。

この何となくしっくりこない状態を仙台弁で「いずい」と表現します。
今日の演奏はこの「いずい」の対極でした!
気持ちよさといったらもう堪りません(^^)

鳴っていたスピーカーはLumenwhiteのDiamondlight。

以前LumenwhiteのWhitelightとブルメスターのアンプのペアで聴いて、非常に好感
を抱いていました。そのトップモデルということで、自ずと期待も膨らみます。

駆動するシステムはフルゴールドムント。
奇しくも、前回Neoを聴いた時と一緒。
純粋にスピーカの比較ができました。

ダイアモンド・トゥイーターというカタログ的な見方をするとキラキラした感じ
をイメージしますが、そんな表面的な考えは一聴すれば吹っ飛んでしまうことで
しょう。非常に落ち着いた気持ちのよい音です。

トータルバランスがいいということなのでしょうか。
あくまでメーカーが、自分たちの求める音楽を表現するための手段に最適だったか
ら使った、と思えました。

Whitelightに比べればだいぶ大きくなりましたが、独特な美しいフォルムは健在で
す。存在感は隣に並んでるNeoが霞むくらい。

恣意的な所が微塵もなく、素直にスゴイと脱帽しました。

Neoを聴いた時はすごく気持ちのよい「スピーカ」だなぁと思ったものでした。
じゃ、Lumenwhiteは?

今回聴かせていただいたDiskはギュンター・ヴァント指揮ベルリンフィルの
ブルックナー交響曲第8番ハ短調から第3楽章と第4楽章の一部(残念ながら帰り
の新幹線の時間がきてしまいました)CDを聴いていて、途中で止めるのに、こんな
に後ろ髪を引かれることも滅多にないことです。

第3楽章の美しさは筆舌に尽くしがたいものがありました。
冒頭からもう音楽の虜。

ヴァントのブルックナーに対する真摯な尊敬の念を体現するかのように音を紡いで
いく様に陶然とさせられます。

ヴァイオリンはじめ、弦楽器はもちろん、オーボエもハープも、各楽器の質感を
見事に表現している。そして、そのアンサンブルの素晴らしさよ。
オーケストラを聴く喜びに浸りきってしまいました。

美と陶酔の第3楽章に続き、雄大で勇ましい第4楽章が始まると、今度は魂が高揚し
てくるのが分かります。どんどん演奏に引き込まれていきます。

ワクワクして胸が高鳴って、第3楽章の「静」に対し「動」の心地よさにノック
アウトされてました。
ブルックナーを聴く陶酔と興奮を味わい尽くした1時間でした。

ほとんど、何が鳴っているかを意識することはありませんでした。
「スピーカ」が鳴る、という気がしないのです。
そこにはただ、気持ちのよい「音楽」だけが存在していたのです。

あの大きい美しき姿態が自己顕示することなく、あくまで音楽鑑賞の脇役に徹する
かのごとく、姿を消し、ひたすら聴かせる。
素晴らしい聴く価値の高い一品ですね。

ちょっと値段は現実的ではありませんが、宝くじが当たったらぜひ迎え入れたいも
のだと思いました(笑)

それから、帰りの新幹線の時間の関係で、割り込んでセンターに居座ってしまった
のに、快く席を譲っていただいた方にも感謝します。

川又さん、コーヒーごちそうさまでした。
でも、飲むのを忘れて聴き入ってしまいました(^^;

今度は予約して、CD持参で伺わせてもらいます。ストラディバリ・オマージュも
名シェフ川又さんのアレンジでぜひ聴いてみたいです。今後ともよろしくお願い
いたします。

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川又より

K.T 様お礼を申し上げるのは私の方でございます。新幹線の発車時刻ぎりぎりまで
試聴して頂き本当にありがとうございました。ちなみに席を譲ってくださったのも
広島から新幹線で到着したばかりの方でした。(笑)

仙台にお帰りになる直前に私としては感動的な音楽体験という手土産を差し上げら
れたようで何よりでございました。本当に全国から聴きに来て頂きうれしい限り
です。どうぞ今年こそ、皆様のご来店をお待ちしておりますので、どうぞよろしく
お願い致します。<m(__)m>


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