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H.A.L.担当 川又利明




2006年3月28日
No.415 「拙い説明ですが“DIGI-WAVE”の威力を簡単に述べました!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/411.html
“エフコン”とテーマとして突如出現したのが“DIGI-WAVE”でした。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/414.html
こちらでも紹介しているように“DIGI-WAVE”の全面導入によってH.A.L.の音質は
更にアップグレードした。

上記にも紹介しているようにアメリカの本家であるRPGでは開発を行っただけで
商品化を断念しているということで、この詳細を解説する機会がなかったものだ。
そこで、現在入手できるRPG測定結果を含めて、改めて“DIGI-WAVE”の素晴らしさ
を私になりにまとめてみることにしました!!

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リスニングルームを設計するにあたってのポイントは壁面、天井などを意味する
境界面の処理と言い換えることが出来ます。

境界面には、吸音、反射、拡散という処理方法があります。スタジオ、コンサート
ホールなどでは、境界面の拡散が非常に有効な音響処理方法ということを実績から
証明しています。

ハードな材質で拡散面を作ることも可能ですが、その場合には別に吸音面を設けな
ければならないのですが、一方、ハイブリッドな表面で、即ち、部分的に吸音処理
をするのみならず、反射面においても音を拡散させる、という方法があるのです。

QRDによるBAD(TM)は複雑な吸音と反射面を組み込むことによって拡散吸音面を形成
るものです。表面には緻密に計算された最適配置の穴が約600個以上空けられてい
ます。この吸音、反射の音響インピーダンスの差異が拡散効果を発生させていると
言えます。設計者にとって、このハイブリッド表面が、完全なる吸音、反射面とい
う極端な性質の中間に当たる新たな吸拡散面という両極端の効果が統合された画期
的なデバイスとなったのです。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

BAD(TM)はフラットな表面では拡散効果が大いに期待できます。しかし、平面エリ
アが整合されたパターンで配置されているので、鏡の面のような反射面の存在は
避けられません。日本では鏡像効果という言葉で音響的に表現されています。

もし、ここで平坦ではない表面が加われば、より均一性の高い拡散効果が得られる
のです。QRDは最適な音響インピーダンス変数を期待できる形を開発しました。

一定の奥行き、幅、高さ(サイズ)と周波数特性を与えて、QRDは独自の算式で
その形を決定しました。カーブで構成されている表面が反射、吸音の二通りある
ために“DIGI-WAVE”と呼ばれます。

“DIGI-WAVE”は最適配置による二種類の表面を最適なカーブによって形成してい
ますが、更に上質のクロスによってカバーされ非常に美しいインテリア素材となり
ました。

リスニングルームにおいての問題は、コスト効果の高い吸音面と反射面を交互に
することによって、少々の拡散効果は期待できたのですが、部屋が大きくなる程に、
吸音が勝っていき、音響的にはデッドな空間となってしまうことにありました。

変化に富ませた吸音、反射の組み合わせ、(インピーダンス変数とも言います。)
はある程度の助けにはなりますが中高域の拡散は出来ません。

QRD“DIGI-WAVE”はこの問題を解決します。

壁面、天井面などに配置することで、インテリア効果も非常に大きく、視覚的にも、
そして重要な音響的にも心地よい空間を作り上げます。


            ◇ 吸音効果 ◇

標準的な吸音パネルに比べて、“DIGI-WAVE”が1000Hz以下の周波数で大きな吸音
を行うことを示します。さらに、1000Hz以上では吸音が少ないことも明白です。
さらに、“DIGI-WAVE”は1000Hz以上では拡散係数はフラットに近く、室内音響を
壊すことなく反射をコントロールできるのです。

http://www.dynamicaudio.jp/file/060322/digiw01.gif

このグラフは横軸に周波数、縦軸に「吸音係数」をとったものです。厚さ1インチ
の単純な吸音材との比較によって“DIGI-WAVE”は1KHz以上に関しては単なる吸音
材よりも音波の吸収を少なくすることで楽音のエネルギー感、余韻感を減少させる
ことがないように配慮しています。しかし、1KHzに対して200Hzくらいでは1/5程度
まで吸音する効果を持っていることになります。

これは係数ですから、何デシベルの現象と断定は出来ませんが、一般的な住宅環境
の中で使用できる室内では低音の処理が大きな問題となるわけですから、“DIGI-
WAVE”が低域のコントロールに効果があるということは大変大きな貢献となります。


         ◇ 入射角度による測定結果 ◇

入射角度による1300Hz波の反応で“DIGI-WAVE”は入射角に関係なく均一な拡散を
維持しています。実験は厚さ7cmの“DIGI-WAVE”で行いましたが、同じ効果をディ
フューザーで得ようとするとその厚さは4倍になります。

http://www.dynamicaudio.jp/file/060322/digiw02.gif

横軸の中心が0度ですが、これは音源と測定用マイクの位置関係が同軸になってい
る状態として考えられます。音波の入射角度に対して測定用マイクの位置が角度と
して左右の度数でずれていった場合にも拡散効果が均一であるということです。


             ◇ 拡散 ◇

拡散係数は1300Hz以上の帯域においての、1/3オクターブの標準偏差による角度の
ある反応としてとらえられたデータです。1000Hz以上での拡散均一性がよく分かりま
す。

http://www.dynamicaudio.jp/file/060322/digiw03.gif

これは横軸に主に1KHz以上の周波数をとり、縦軸に「拡散係数」をとったものです。
材質の異なる平面のパネルとの比較で表現されていますが、音波の拡散係数が確か
に優秀であるということがお分かり頂けると思います。

この拡散係数は音響用パネルや建材の厚み、言い換えれば深さを大きくしていけば
大きくなっていくものですが、それでは室内でのセッティングに不便であり部屋を
どんどん小さくしてしまうことになります。

しかし、“DIGI-WAVE”の厚みは両端で50ミリ、カーブの頂点でもたった90ミリ、
カーブの底部の薄いところでは45ミリというサイズであり、今までのQRD製品の中
でも最も薄いデバイスと言える物です。つまり、“DIGI-WAVE”は日本のリスニン
グルームに大変有効な壁面処理材ということでしょう!!


             ◇ 試聴感想 ◇

さて、今日は久しぶりに自分で試聴する時間が持てたので“DIGI-WAVE”によって
起こった変化をチェックしてみようとWilson Audio Alexandria X-2でマーラーの
交響曲第一番をじっくりと聴いてみました。

私が特に好ましく思ったのは弦楽器群の質感がフォルテに達しても荒れないこと、
また金管楽器がにじみや荒々しさを伴わずに聴きやすいこと、木管楽器は実在感と
透明感が際立っていること。そして、最も気にしていたのが“DIGI-WAVE”による
低域の吸音効果によってコントラバスの弱音やピッチカートが鮮明であり、かつ
力感を感じたいアルコでは空間へな浸透力にだぶつきがなくすっきりした余韻が
再現されることでした。

上記の解説でも低域方向へコンパクトな“DIGI-WAVE”が吸音係数が大きくなって
いるというコメントがありましたが、中高域の展開に関しては以前の環境よりも
響きが整理され分離が良くなっており、同時にしなやかな弦楽器の質感が最初に
印象に残りました。

金管楽器はまぶしさがなくて正視できる輝きが素晴らしく、第一楽章で繰り返され
る木管楽器の主題のパートでは以前にはなかった透き通った印象にはっとして驚き、
一般家庭よりは大分広いこの試聴室で起こっていた一次反射音がすっきりと解消
された事実を楽音の美化として聞く人に間違いなく印象付けているようです。

そして、コントラバスやグランカッサの打音による低音階の楽音に確かに変化が
起こっていることが確認されました。
X-2の重厚な低域ユニットが発するエネルギーは使い手によるコントロールが何ら
かの方法で必要になるのではと危惧していたものですが、環境が整備されることに
よって浮き彫りにするものと抑制すべき響きをきちんと鳴らし分けているという
事実が見えてきたのです。

低音階の楽音をことさら勢い良く鳴らすことはスピーカーシステムの個性という
こともありますが、ともすると迫力を全面に打ち出した演出とも捉えかねません。
いわゆるデモ効果という観点で大型スピーカーの低域表現にデフォルメされた楽音
の量感というものを感じることがありますが、これが何とも大きな誤解であった
ことが“DIGI-WAVE”によって証明されたのです。

X-2の低域ユニットが発するエネルギーが実は環境によってデフォルメされていた
ということでしょう!!

先程体感したオーケストラは低音楽器の響きと余韻感を他のパートの楽音のそれと
同一の量的な制御がきちんと働き、好ましい本来の余韻感ときちんとブレーキが
かかる解像度との両立がくっきりと聴き取れました!!

まさに私がここで体験するX-2の再生音で次元が1ステップアップしたようです!!
“DIGI-WAVE”が色々なことを教えてくれました。
環境にも進化があったということです!!

さあ、これからは、この環境で数々のテストによってコンポーネントの更なる
潜在能力を発見し皆様にお知らせしていける自信がみなぎってきました!!

今後のテストレポートにどうぞご期待下さい!!


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.co.jp
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