発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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No.320 「魅惑の空中浮揚!?謎めく新製品をスクープ!!」
前号のレビューで予告した不思議な? 新製品とはいったい何者か!?

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/scs_ex.jpg

これはご存知のGOLDMUND  MIMESIS 29.4MEであるが、左側はお馴染みのzoethecus
z.Block 2 に乗せたところである。そして右側は何とくっきりと影を残してぽっか
りと宙に浮いているではないか!!

前号のでの予告から、待ちきれないという皆様から問い合わせが殺到しました。
さて、その新製品の正体とは!?

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オーディオ界ではアイソレーションという言葉が色々な局面で音質に影響するとい
うことで取り沙汰されており、その影響力の大きさも様々な場面で経験された方も
多いことでしょう。

電気的、機械的アイソレーションという考え方の二極分化があるなかで、コンポー
ネントのセッティングに関して大きな影響力を持つものはどのようにコンポーネン
トを置くのか? という極めてシンプルな要素に秘められた機械的アイソレーション
の可能性だと思われます。

一般的にはスパイクという形状のフット・脚部でコンポーネントを設置するという
手法がコンポーネント・メーカーの設計にも普及してきており、当初から製品に組
み込まれたものが多くなってきています。

さて、そのスパイクですが、この先端部は文字通り鋭い点接地となっているのは当
然ですが、その構造と材質によって、更にスパイクの半対面ではほとんどと言って
良いほど円錐の底部は平面でコンポーネントに接していることになります。

そうです!! いかにスパイクの形状をしていても実は完全な点接触ということではな
なかったわけです!! そこで皆様に提案したいものがこれです!!

      http://www.accainc.jp/Stillpoints.html

Stillpointsは露出している先端のセラミック球体の接点を含め、内部の8箇所と合
わせて合計9箇所の完全な点接触でコンポーネントを保持することが出来るようにな
った画期的なアイソレーション・デバイスなのです。

このStillpointsが使用環境の相違からも影響を受けにくく、更にセッティングの容
易さと使い勝手を配慮し、デザインとしても立体感あるセットアップを実現したの
が今回の SCS(Stillpoints Component Stand)です!!

      http://stillpoints.us/1Pages/stand.html
      *pdfにてマニュアルもダウンロードできます


SCS 税別価格 \120,000.(3本脚仕様)

サイズ(本体のみ/Stillpoints含まず)
高さ   9.5cm
最大幅  45.7cm
耐荷重  136kg(3本脚仕様)
素材   アルミニュウム削り出し(脚)
     ステンレス(ジョイント部)
カラー  シルバー、もしくはブラック
備考   Stillpoints(税別\49,500.三個セット)は別売
     付属のプラスティック受け部へRiser取り付け可能
     アルミ脚は最大5本迄増設可能

          -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/scs.jpg
このように上面のレールでStillpointsをスライドさせて固定するものだが、
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/scs_rev.jpg
裏面ではこのように段階的な形状で強度を高めている。

そのスライドレールに二個のStillpointsをセッティングしているのがこれ。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/scs_up.jpg
そして、手前側の1個はStillpointsを取り付けずに固定ビスを見せている場面です。
このように自在にStillpointsの位置を調整できるので、乗せたいものがどんなサイ
ズでも対応可能ということだ。そして、136Kg以上のものを乗せたければ脚部を追加
することも簡単です。

アイソレーションしたいコンポーネント以上の設置面積を必要とせず、約10センチ
の間隔を開けてラックや床面から分離する。

対象となるのはスピーカーからパワーアンプなどの重量級コンポーネントから、機
械的な振動対策としてアイソレーションさせたいCDプレーヤーまでと応用範囲はま
さに無限大です。

ただし、P-0はだめです(^^ゞボトムプレートは薄い鉄板であり、構造的にコーナー
のフットがボンネットとメカを支えているからです。底板がしっかりした剛性を
持っているもの、または底部が平面のスピーカーであれば全てに使用可能です。

          -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

この新製品に関して次のシステムでじっくりと検証しました。

 -*-*-*-*- GOLDMUND  MIMESIS 24ME リファレンスシステム -*-*-*-*-

 ESOTERIC P-01+G-0s◇ESOTERIC 8N-PC8000 & 7N-DA6100 BNC◇  
      ↓  
 GOLDMUND LINEAL DIGITAL CABLE
      ↓   
 GOLDMUND  MIMESIS 24ME
      ↓  
 GOLDMUND LINEAL DIGITAL CABLE
      ↓  
 GOLDMUND  MIMESIS 20ME
      ↓  
 GOLDMUND LINEAL INTERCONNECT CABLE
      ↓  
 GOLDMUND  MIMESIS 29.4ME(アナログ入力使用)
      ↓  
 STEALTH Hybrid MLT biwire Speaker Cable 5.0m H.A.L.'s Special Version
      ↓
 MOSQUITO NEO


使用したのはパワーアンプの2台で重量65キロのMIMESIS 29.4MEを最初に直接床に
置いた場合と、SCSに載せた場合の比較をしてみました。ちなみに、ここの試聴室の
スピーカーを設置している床は波型スラブの上に10センチのコンクリートを流し込
み、その上にタイルカーペットを敷いただけという単純な構造です。

私がGOLDMUNDのコンポーネントをSCSの検証のために選択したことには理由がありま
す。同社はメカニカル・グランディング理論を標榜しており、それがGOLDMUNDの大
きな特徴になっているのは皆様もご存知のことでしょう。しかし、それはコンポー
ネント単体で語り尽くせるものではなく、それらを設置する置き台と床面の状態な
どにも大きく左右されることなのです。

それを完成させるべく一時はMIMESIS RACKという置き台も商品化したのですが、そ
れが望ましい普及をしたかというと価格もあってか実際には同社ユーザーの全てに
行き渡るということにはなりませんでした。

コンポーネントのフットに何らかのインシュレーター、サスペンション機構を持っ
ているものであれば置き場所の変化に対してもある程度は融通がきくというもので
すが、一切クッション性のないハードサスペンションであるからこそ、GOLDMUNDの
製品は置き台の性格によって微妙に音質変化が起きてしまうものです。

メカニカル・グランディングとは機械的エネルギーを熱に変換して、それ自身が内
外の影響から解放されるという理論であるため、まさにStillpointsが目指している
ものと同一な結果を求めている事になるからである。メカニカル・グランディング
はコンポーネント本体からその脚部、そのフットが接している置き台、それを受け
止めている床の構造と材質、という連鎖を考慮しての振動エネルギーの伝播をスト
レスによる変位という影響を受けずに大地に逃がしてやる、という理屈なのだが、
一般家庭での環境ではとてもそこまで理想論を追求することは出来ない。

であるからこそ、その伝播を断ち切ってやる手段がどこかに欲しいのだが、それは
単純に質量を過大にした置き台ということでは効力はないのである。コンポーネン
ト内外のエネルギーの伝播があるところで反射しないように、完全に消滅させると
いう理屈がGOLDMUNDを使いこなすポイントになるものだ。

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さて、私はどのようにSCSの効力を検証したのか? 以降で述べることは使用前使用後
の違いということでご理解下さい。

最初に選んだ曲は最新の随筆でもESOTERIC P-01 & D-01の検証で改めて演奏と録音
の素晴らしさを知ることとなった、小澤征爾とボストン交響楽団によるマーラーの
交響曲第一番「巨人」の第二楽章です。

冒頭からの弦楽器群の重厚な演奏は、背後に浮かび上がってくる管楽器群との位置
関係の対比と正確さという視点で判断が出来るものです。床に直接置いたときでも
MIMESIS 29.4MEの強固なスパイク形状の脚部は、その自重もあって床面のタイル
カーペットをぎゅっと圧縮してコンクリートに点荷重を加える。その成果もあって
か、直置きでも楽音のバランスが破綻することはないのだが…。

「お〜、すっきりするな〜。おお!! 木管楽器の鮮明さと弦楽器の滑らかさがいっ
 しょに向上するとは何とうれしいことか!!」

この曲では最前列に並んだ弦楽器群の水平方向への並び方に対して、それを肩越し
に見るように管楽器群はステージ後方に立ち上がってくる。その演奏がフォルテに
移行するにつれて、スペクトルアナライザーの棒グラフが伸びるように、縦軸をイ
メージさせるエコー感の放出が見られる。金管楽器では音量が大きいために、この
表現での余韻感の広がりは感じやすいのだが、木管楽器はちょっとわけが違う。

うねるように演奏する弦楽器群の背後から端正とも言えるオーボエやクラリネット
の楽音がくっきりと浮かび上がるが、そのエッジは鋭くならず解像度を維持しなが
ら聴きやすい。このように輪郭をしっかり捉えたい楽音と、重なり合う弦楽器の質
感が潤いと滑らかさを増長するという聴き手にとってのベターを提供してくれた。

細かく分解するだけでなく、楽音の輪郭を鮮明にしながらも質感に緊張感を強いる
ことのないSCSの効用はオーケストラ全体の協調感を確実に向上させている。まず、
私はこのマーラーでの変化で頬が緩んでしまった(^^ゞ 更に続けよう!!

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次はNo.1009で詳細を述べたKKVのThirty Years’Fidelityから…
7. Som en storm/Ole Paus/Oslo Kammerkor/Det begynner a bli et liv....(1998)
 http://www.kkv.no/musikk_klubb/tekster/285_fidelity.htm

オスロ・チェンバーコーラスの導入部の合唱が始まったとき、既にSCSの影響力が
NEOの音場再現性に拍車をかけているのがわかります。コーラスの余韻がNEOの周辺
に銀粉を振りまくように飛散し、SCSを使用することによって拡散する領域が見事に
拡大されている。録音したRis Charchのイメージは一瞬で一回り大きくなり、それ
が聴いていて楽しい変化になっている。

そして、1分を過ぎたころ左から軽妙なリズムのギターが、そしてセンターからは教
会の空間を天然のエコーマシンとして響くサックスが入ってくるのだが、このギ
ターの弾かれる鮮烈さが生き生きとしてエコーが長引くことに心が奪われる。
それはサックスでも同じことであり、音像のフォーカスは絞られるのだが緊張感は
減少して熱を帯びる演奏だがテンションを緩め開放してくれるのである。爽快だ!!

センターにぽっかりとOle Pausの渋いVoisが現れ、同時にウッドベースとの対比で
両者共にSCSが音像をシェイプしたことが直ちに実感された。楽音の核と呼べる部分
では密度感が高まり色彩感が濃厚になる。しかし、その周辺にはエコーの通り道と
なる透明な空気感がSCSによってもたらされるので、フォーカスがいくら引き締まっ
てもストレスを感じさせることはない。低い男性の声とウッドベース、その両方で
感じられた低音階での音像のダイエット効果はGOLDMUNDにとって変えがたいサポー
ト役と言えるだろう。そして、SCSを外すと見事にリバウンドしてしまうのである。

          -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

男性の声で変化を確認し、低い周波数帯に向けての音像のダイエット効果を見てか
ら、次に女性ヴォーカルでも確認したいと思い、同じKKVからこの曲を選んだ。

KARI BRAMNES/Norwegian Mood (FXCD-221)  1.A LOVER IN BERLIN
 http://www.kkv.musikkonline.no/shop/displayArtist.asp?id=1690

さあ、この曲のイントロからして驚いた。ラテンパーカッションが多用され、ベー
スの重みも印象的な導入部だが、KARIのヴォーカルが入っている前に既に変化は歴
然として現れていた。小さな金物を高速で叩くパーカッションの切れ味が、音源が
あるはずもないNEOの左右トゥイーターを結ぶラインの中空でスパークの火花を目撃
したかの鮮烈さで鋭くなっているのである。これには驚いた。

そして、KARIの歌声が… 「おおー!! スリムだ!!」

半年間で10キロ減量などと、どこかのコマーシャルで見たような気がするが、ここ
ではSCSに乗せ換える2分程度の間に10キロは痩せてしまったようだ。エコー感が以
前よりも長引いているのに音像が引き締まる。これは私が求めている方向性と同じ
ものであり、近代のハイエンドオーディオが目指す共通した指標ではないだろうか。
それをSCSがこんなに簡単に実現してくれるとは!!

          -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

間違いない!! (^^ゞ

音像の引き締め効果、音場感の拡大・余韻感の向上、低域楽器の重量感の向上、
弦楽器とヴォーカルの質感向上、これらの要素をSCSは間違いなく提供してくれま
す。

しかも、グッドデザイン、最小スペース、柔軟性ある適応力、という使い勝手の向
上も同じレベルで提供してくれます。

今回の検証システムは大変に高価なものですが、それらが未完成であるということ
ではないのです。どんな高価なものでも、そのコンポーネントだけが音質を支配し
ているのではなく、環境とセッティングが製品価格の土台としてパフォーマンスを
支えているのです。本当は皆様も既にそれを知っているはずです。いかがですか!?

このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.co.jp
お店の場所はココの(5)です。お気軽に遊びに来てください!!

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