発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明


No.142  「聴きました!!ノーチラス用ES103、これ素晴らしいですよ!!」
4/18午後一時三分前、本当に時間に正確にいらっしゃることから人柄がうかがえるのが(株)村田製作所・商品開発室の中村室長である。 ぴったり約束の時間にお越し頂き、いよいよノーチラス用ES103の実物を手にすることになった。
 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/pho/010405/es103_nautilus.jpg

 第一印象としては「カワイイ〜!! 小さ〜い!!」という驚きである。
市販しているES103A/Bのサイズは直径が65ミリ、長さ110ミリであるのに対してES103N(誤解なきように一言。 勝手に私がNautilusのNを付けて呼称しているものです)は何と直径は45ミリ、長さは細くなっている先端までで 195ミリであった。ES103Nは合成樹脂を削りだして作っているので軽い!!
そして、上記の画像にもあるように後ろからスピーカーケーブルを引き出すようになっているのだが、ES103Nの本体はテーパーがかかり始めるところで ねじ式になっていて後ろ半分が取り外せるようになっており、取り外すとそこに通常のES103の入力端子を小ぶりにしたターミナルが取り付けられているのである。

 さて、それでは早速試聴しようか、ということでまず私が始めたのはES103Bを使用したままでの従来の再生音のチェックである。 ここがポイントになるので以下の画像も確認して頂きたい。
 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/pho/001026/es103_set.jpg
 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/pho/001026/es103_r.jpg

ES103の能力に私が何を期待しているかは以下に述べていました。
 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/140.html

そして、セッティングの際にはES103の正面を試聴ポイントに向けないと私は効果を感じることが出来なかったのだが、 当然導入当時に私がセッティングした手法によって当日も再度試聴を始めたものであった。

この時には久々にアンプはJeff Rowlandのmodel 12×4セットとCoherence2に戻していた。 安定感としなやかさが広大な空間をポンと現出させ、改めてノーチラスへのマッチングを確認させてくれるすがすがしい演奏を始めていた。 さて、それではということで、ES103Nを上記の画像のようにスタンドに取り付けまったく同じ条件でヨーヨー・マ、大貫妙子などの定番テストディスクをかけていった。
 「あれれ、ES103で慣れ親しんできた情報量の拡大はもちろんだが、何かが違うぞ!! 」
う〜ん、と考え込みながら次々にソフトを換えていく…。まず、音場感が更に広い!! これは球面波の再生に近づけるES103Nの形状の特質であることが直ちに認識することが出来た。ノーチラスの周辺に更に空気感が噴出してくる様は快感の一言である。

これはいい!!

従来のES103のセッティングではノーチラスのトゥイーターよりも後方の中空に配置することで、ES103のニュアンスを感じることが出来、余韻感の充実をはかったものであった。 でもES103Nは最初からそのようなセッティングのノウハウを意識させることなく抜群の開放感でノーチラスをサポートし始めたではないか!! それだったら、もっとノーチラスに接近させてみようということで、ノーチラスのトゥイーターの至近距離に配置を変えた。 「う〜ん…、ここではあまり大きな変化はないかな〜?」と期待はずれ。

 私が最初にES103を聴いたとき、ノーチラスのようにクロスセッティングをして内ぶりを大きくした場合はだめだった。前述のように指向性を発生する前面のフロントホーンがあったせいだろう。 ところが、今回のES103Nは呼吸体である音源の前面には指向性をもたらす形状はなく、極めてノーチラスのトゥイーターに近い状態である。 それならば…、と私がずっとやりたかったセッティングに切り替えることにした。ノーチラスの主軸とES103Nを並行にする以下の状態である。 これでES103Nもノーチラス同様のクロスセッティングとなったわけである。
 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/pho/010421/es103n.jpg

いやはや、この変化は大きかった!! ノーチラスのトゥイーターとまったく同じ方向を向いて、トゥイーターよりも若干後ろに位置させたES103Nのセッティングで再びチェックを開始した。 「まぁ、この変化は何と言ったらいいだろうか…」と新たなノーチラスとES103Nの潜在能力が再び見え始めたのである。 今までのセッティングではノーチラスの後方に展開する音場の心地よさを重視していたようなのだが、 ES103Nもクロスセッティングにすることで、その中に点在する楽音の定点がより鮮明になってきたではないか!! そして、そして…、不思議なことにあらゆる楽音の質感が柔軟性をもったスムーズであり柔らかい表情に変質していくのである。

「これはいい!!」

フォーカスがひとしきりビシッと決まって更にピンポイントに点在し、かつディティールが明確であるにもかかわらずエッジの切り立った印象がないものだから心地よいの一言なのである。「だめだ、もう外せない…」 私はごく自然に結論を口に出してしまった。 「中村さん、ぜひこの商品化を急いでください!!」発売時期と価格はまったくの未知数であるが、 少なくともノーチラスと同じ方向性を持っているスピーカーには、このES103Nの効果は絶大なる必然性を聴く人に与えるはずである。 開発の目的がやっと達せられたという喜びもあってか中村室長も笑顔で受け答えをしてくださった。

「わかりました、努力しましょう…、それじゃ川又さん、それを…」
 ・・・えっ、えっ、今日ES103Nを持ち帰ってしまうんですか??
「実は、これは開発品なんで社に持ち帰りませんと…」
 ・・・そりゃあないですよ〜。
 ・・・これからのGWにも多くの皆さんが試聴に来て下さるように
   メールで配信してしまったんですから・・・。
   何とか連休明けまでここに置いておくわけにはいきませんか・・・。
   御社もお休みになってしまうことでしょうし・・・・・」
と、意外な展開に私はすがる思いで懇願してしまった。
「わかりました。それでは5/9にはご返却ください。それまではいいでしょう。」
 ・・・やった!

ほっとしました。これこそ期間限定の開発試作機の、しかもノーチラスシステムとの共演がGWの連休中に実現することが可能になったのである。 世界中で唯一の演奏が堪能できました。 この情報を-H.A.L.'s Circle Review-で知ることになった多くのハルズサークル会員の皆様が訪れて、活気あるGWとなったことを皆様にもお知らせいたします。
価値ある情報はハルズサークルから。皆様もどしどしご入会ください。
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