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H.A.L.担当 川又利明

No.1143 2014年9月16日
 「H.A.L.'s One point impression-RockPort Technologies Avior!!」


No.1129 2014年8月7日
「RockPort Technologies / Aviorが遂にH.A.L.にやってきます!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1129.html

この一ヶ月間、Aviorを堪能しました。しかし、本当にAviorの個性と魅力を
分析し評価出来たのは最近になってからの事だったと白状します。
http://rockporttechnologies.com/#/avior/

ご存知のようにここで試聴しなければならないものは実に多数あり、また既存
の展示品であっても前号のAurender W20のように新たな使いこなしで音質が
激変するという発見もあり、更に決算前の営業や長距離の出張や納品などなど
多忙を極めている私は中々ゆっくりと試聴の時間が取れないものです。

しかし、このRockPort Technologies Aviorで今日は交響曲のCDを最後まで
聴き続けてしまいました!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/20140913-rockport01.jpg
いや〜、実に素晴らしい!!このスピーカーは他社にない魅力があるのです!!

展示期間が残り少なくなってくるにつれて、私が試聴する時間は次第に多くなり、
お馴染の課題曲は全て聴く事が出来ました。そこで新たな発見と分析を行い
Aviorの存在感が次第に大きくなってきたのです!!

それは輸入元である株式会社 太陽インターナショナルには既にAVALONという
高い評価と実績があるブランドを取り扱っているにも関わらず、代表取締役社長 
内田眞一氏がなぜ更なるスピーカーメーカーの輸入を決意されたのかという
シンプルな疑問の回答が音質的に見つけることが出来たのではと思いました。
http://www.taiyo-international.com/

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■DIANA KRALL 「LOVE SCENES」11.My Love Is

全く対照的という音場感をヴォーカルとウッドベースで録音したこの曲。
今までに何度も使用してきた曲ですが、上記の空間表現を個々の楽音で逆の
音場感として捉えています。

この曲はデュオの演奏ですが、実際にはイントロから続くDIANA KRALLの指を
弾く音とヴォーカル、そしてChristian McBrideの重厚なウッドペースと楽音
としては三種類という実にシンプルな録音。

しかし、スタジオワークによってDIANA KRALLのヴォーカルと指を鳴らす音には
実に広大に広がりを見せる深いリヴァーヴが施されており、それとは全く対照的に
ウッドベースは大変ドライな録音で、ほぼリヴァーヴは感じられないソリッドな
質感という、同室で演奏したら絶対にあり得ない音場感のカップリングです。

私はAviorで多数の曲を聴いていくうちに感じ始めていた個性を確認するために、
この選曲で何回も聴き直しました。すると…

「あー! やっぱりそうだ! Aviorはこういう低域再生を目指しているんだな!」

先ずウッドベースの音像が大きい事が判明します。私は低音リズム楽器の音像
は限りなく凝縮し濃密で重量感のある音質を良しとして評価していましたが、
でも…このAviorの低域は悪くないのです!!後述しますが、逆に魅力的なのです!!

この特徴はウッドベースだけでなくドラムでも同様です。音像サイズは大きめ。
しかし、再生している低域の質感が絶妙のバランス感覚で違和感がないのです。

もしも、旧態依然としたボックスタイプのスピーカーだったらこうはいきません!!
音量を上げれば肥大する音像、エンクロージャー内部の定在波で変調された低音。
ポートから排出される位相が遅れた低音によって解像度の劣化、ウーファーの
振動板に制動がかからない低音では楽音の質感が破綻してしまうものもある。

ところが、Aviorが発する低域は実に鮮明であり、時間軸の遅滞もなく質感も
素晴らしく、重量感もしっかりとあるので逆に大きめの音像であっても違和感
なく演奏に集中できてしまう。実は、このポイントが後述するオーケストラの
ホール録音において他社スピーカーにない超が付くほどの武器になっているのです!!

■“Basia”「 The Best Remixes 」CRUSING FOR BRUSING(EXTENDED MIX)

この曲のイントロのドラムでも音像サイズは大きい事が直ちに感じられますが、
テンションは引き締まっているし反応も良くて何ら問題にならないのです。

それからイントロのシャカシャカという細かい高音のパーカッションが聴きや
すく、ギラギラしてイメージにならないのはいいですね〜。

■MUSE 1.フィリッパ・ジョルダーノ/ハバネラ

この曲での低い音階のドラムの二連打は重々しくも広がってくれるとホール
録音を思わせる心地良さになるのですが、これは抜群にいいです。

DIANA KRALLの場合とは違うリヴァーヴのかかり方ですが、とにかくヴォーカル
の声質が滑らかで、実に心地良く響きます!!これは実に素晴らしい!!

「この低域は明らかにAVALONと違うな〜。AVALONのストイックとも思える
 タイトで引き締まっていて音像サイズがぎゅっとコンパクトになる方向性
 とは異なる個性だ。しかも、それが気持ちいいのだから正に新発見!!」

■ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」

■大貫妙子「四季」

■石川さゆり「天城越え」

日本人の女性ヴォーカルも何とも瑞々しい質感で文句なし!! 
低域の傾向としては納得出来る個性であり、これがホール録音オーケストラに
どのように関わって来るのか、私は推測出来るようになってきました。

さて、ここで多数のヴォーカルを聴いてAviorの特徴がもう一つ見つかりました。
ヴォーカルの口許の音像サイズも低域の傾向に準じて少しふっくらと表現されます。
そして、最大の特徴はヴォーカルの立ち位置というか、スピーカーに向かって
奥の方に距離感をもって定位することなのです!!

■Michael Buble のCrazy Love(Hollywood Edition) 1.Cry Me A River。
http://wmg.jp/artist/michaelbuble/WPCR000013987.html

男性ヴォーカルを聴くと更に確認出来ます。ジャズのビッグバンドをバックに
従えての豪快な伴奏と、素晴らしい伸びのあるMichael Bubleのヴォーカルです。

しかし、声量が大きくなると、まるで3D映画のように前方に飛び出してくる
ような勢いを感じ迫力のある歌声なのですが、Aviorでは一定の距離感を持って
伴奏のビックバンドの奥行き方向の遠近感と等しい定位感なのです。

「女性ヴォーカルの曲でもそうですが、歌手の立ち位置は伴奏楽器とほぼ
 等しい距離感です。この遠近感の表現も明らかにAVALONと違うな〜」

DIANA KRALLの指を弾く音が高速反応しながらも聞苦しくならない。
Basiaのパーカッションも清々しいくらいに聴きやすい。
そして、絶妙なヴォーカルの質感には潤いがある!!
これはもしかしたら!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章  小澤征爾/ボストン交響楽団

これを最初に聴いて驚きました!!絶品のオーケストラ!!さて、どうする!?

実は、ここの試聴室にはマーラー交響曲第一番のディスクは7-8枚あります。
その中で直ぐに見つけられたものを次々と聴き始めました。

クラウス・テンシュテット指揮 / シカゴ交響楽団(1990年録音)
マンフレッド・ホーネック指揮 / ピッバーグ交響楽団(2008年録音)

私がいつもリファレンスとしているのは小澤征爾/ボストン交響楽団(1988年録音)
ですが、実はアナログマスターによる小澤征爾/ボストンで1977年録音もあります。
この古い録音のディスクには現在では演奏されなくなった幻の第二楽章である
花の章(Blumine.Andante allegretto)が収録されています。

定番の小澤征爾/ボストン交響楽団(1988年録音)での第二楽章があまりにも
今までのスピーカーとは違うので、その様相を確認するためには第一楽章が
ふさわしいと判断し、四種類の第一楽章を連続して聴いて行きました。

皆さんはオーケストラを聴いていて、特定の楽器が特定の演奏個所で強調される
という現象に気が付いた事はありませんか?

例えばトライアングルの音が輝き過ぎて音像が大きい、コントラバスのパート
がステージ前方に移動してきた如くに低音が増量されたり、大太鼓の打音が
室内に充満してしまったり、いざ!という時に響くシンバルがやけに大きかった
りしたことはありませんか?

つまり、楽音によってスピーカーとの距離感とは違った位置関係に聴こえて
しまうという現象です。それは楽音の音量変化という解釈に置き換えて頂いて
結構です。ある楽器が指揮者と同じ距離感にしゃしゃり出てくる現象です。

前述のヴォーカルとの距離感ということで予測していたことが、オーケストラの
再生音では全ての楽音との距離感がどんな演奏でもきちんと一定の遠近感で
聴かせてくれるというAviorの特徴がホール録音では素晴らしい個性として
実感出来ました!! これは他のスピーカーにはない魅力として、更にAVALONの
個性とも一線を画する特徴として私は声を大にして言いたい項目です!!

そして何よりも、Aviorの弦楽器の質感はこの上なく魅力的なのです!!

小澤征爾/ボストンで1977年録音ものでは第一楽章を聴き始めたら花の章も、
そして一般的に言われる第二楽章も、私は席を立つことが出来なくなり、
遂に第四楽章まで聴き続けてしまいました!!

流麗でしなやかであり、潤いを含んだ弦楽器は前例のない美しさ!!

首に巻いた上質なシルクのスカーフを指でつまみ緩やかに引っ張ると、するする
と柔らかく肌をすり抜けるような快感を残し、何の抵抗もなく首筋から解放さ
れるような感触と言ったら良いのだろうか。

しかし、適度な摩擦感を含んでいる弦楽器の質感は均一な遠近法により、特定
の音階で前後の配置を変えるような違和感も皆無で、眼前のAviorがある空間
に見事なステージをフォログラフィックに描き出す!!これは素晴らしい!!

ここで思い出して下さい。Aviorの低域再生における音像サイズが大きいと
言うことは、設計者がきちんとAviorの目指すサウンドステージの再現性を
承知しているが故に、素晴らしい音場感を発揮する中・高域の展開に見事に
一致する低音再生のマッチングを図っているということなのです!!納得です!!

私は断言します!! 

RockPort Technologies Aviorはハイエンドスピーカーで再生するオーケストラと
弦楽器の質感に正に革命的な新境地を作り出したと言えます!! 聴けば解かる!

RockPort Technologiesの歴史をぜひご確認頂きたい。
http://www.taiyo-international.com/products/rockport/about/

そして、16年前の随筆では当時の最高峰と言えるRockPort Technologiesの
アナログプレーヤーも紹介してきました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto45-02.html

このように世界中のハイエンド・ブランドを吟味した上で日本に紹介してきた
人物こそ、株式会社 太陽インターナショナル代表取締役社長 内田眞一氏で
あったわけです。私は内田氏の彗眼に驚かされ改めて敬意を表します。

音質的に全くAVALONとバッティングしないどころか、ハイエンドスピーカーの
分野に新たな進化の方向性をもたらしたRockPort Technologiesは超ド級の
Arrakisという製品も存在しています。
http://rockporttechnologies.com/#/arrakis/

恐らくは数千万円という規模になるでしょうが、いつの日にか聴いてみたいものです。
そして、このようなトップモデルを開発出来るだけの技術力があるということ。
更に、その技術力を駆使してどのような音を目指しているのかということ!!

今回、私はAviorを聴くことによってRockPort Technologiesの求める理想と
いう情熱の赤いベクトルを感じとることが出来た事が大変光栄であり、喜びと
ともに感謝しています。

Aviorで聴く音楽とオーケストラの素晴らしさ!! 
交響曲を最後まで聴き続けたくなる誘惑に皆様は耐えられるでしょうか?

近い将来にお一人にCD一枚、交響曲全曲を試聴して頂く機会をお作りしたいと思います!!

★最後に一言。私が絶賛するAviorを聴きたいと思った方。リクエストメールを
 私にお送り下さい。Aviorで聴くS席を近い将来にご用意致します!!


担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.co.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!


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