VOL.82 Aurora sound VIDA 試聴レポート




Aurorasound VIDA(フォノイコライザーアンプ) 

 希望小売価格\328,000(税別)
  

最近オプションボードも充実しております。詳しくはAurorasoundのホームページ
をご覧ください。(2016年8月)

Aurorasoundはこちら

今回はAurorasound(オーロラサウンド)のフォノイコライザーアンプをご紹介さ
せていただきます。というよりもまだアップしていなかったというのが本音のとこ
ろです。

既にH.A.L.3では10台以上の出荷数となり、一番人気のフォノイコライザーとなって
おります。

秋葉原ではこのH.A.L.3だけの展示ですが、雑誌の評価も高く、全国的に取扱い店で
でご注文を頂いているとのことです。

既にホームページでご紹介させていただいておりますが、多くのお客様より様々な使用
でのお問い合わせが入ってくるようになりました。
オーロラサウンドは唐木氏自ら設計組み立てを行うこともあり、いくつものオプション
が増えました。

通常はMCとMMの切り替えになっており、入出力ともRCA端子になっております。

オプションとしては



オーロラサウンドホームページより借用

ここまでやってくれるところは中々少ないでしょうね。

もちろん唐木氏のこだわりもありますが、お客様目線のところが非常に素晴らしいです。

それでは、下記スペックをご紹介しておきます。



VIDA Specification
	入力:MCゲイン64dB(適合カートリッジ High20Ω〜100Ω/Low1〜10Ω)
	      MMゲイン39dB 47kΩ
	出力:ラインレベル、アンバランスRCA端子 600Ω
	RIAA編差:10Hz-20kHz +/−0.25dB
	重量/サイズ:本体 3kg/W260mm×D250mm×H100mm
			電源部1.4kg/W114mm×D200mm×H70mm
	電源電圧:AC100V 50-60Hz 最大40W
	価格:本体、木製ケース込み +専用電源 \312,900(税込)
	
<注目ポイント>

■MC,MMカートリッジ対応


	画像クリックで拡大
	
MM入力とMC入力と独立した入力を持ち、フロントにあるスィッチで切り替え
MC入力に関してはカートリッジに合わせてHighとLowの切り替えが可能。

■LCR型RIAA素子採用

一番大きな特徴となるところですが、LCR型素子はスウェーデンのルンダール社の
フィルターコイルをターンオーバー、ロールオフに独立に採用

LCR型はNF型やCR型よりコストもかかりますが、この価格で実現
こちらの詳細はこちら

■充実した機能


	画像クリックで拡大

フロントには様々なスィッチが装備されております。
カートリッジデガウス(カートリッジの消磁機能)
STEREO/MONO切り替え(モノラルの盤でしたら是非MONOのポジションで)
サブソニック(状態の悪い盤などの際や録音によって低域が気になる時に使用)
MC/MM切り替え
MCインピーダンス(MC使用の際にHighとLowの切り替え)
MUTEボタン(本体左上に装備され、針を落とす際にMUTEかけることでスピーカーを保護)
	
■電源部別筐体
電源部を別筐体にすることで高S/Nを実現


それでは試聴に入らせていただきます。

アナログシステムは

LINN MAJIK LP12 カートリッジは LYRA Dorian 

 

VIDAのセッティングはMCでMC ImpedanceはLowにセットしております。

使用アルバム





まずお気に入りの一枚 

Neil Young/LIVE AT MASSEY HALL 200g盤

ここ最近何をもってアナログらしいという言葉を使ってよいのか解らなくなります
が、私からすると非常にアナログらしいという言葉が似合うサウンドです。

ギターは非常に生々しく、ライブ感も非常に良く伝わってきます。アコスティック
ギターの魅力はストリングとサウンドホールから出てくる響きの良さだと思います。
オーロラサウンドの唐木氏はギターに非常に精通しており、さすがの一言です。
特に誇張したところもなく本当に自然体で音楽を楽しめます。
それとS/Nの良さ。
LYRAのカートリッジが解像度が高く、色気があり、透明感がありますが、その音とV
IDAが持つ暖かみが絡み合い絶妙なバランスです。


Rickie Lee Jones/PIRATES 200g盤

こちらのアルバムはミュージシャンが贅沢でWoody and Dutch on the Slow Train t
o Pekingではその楽しさが本当に伝わってきます。解像度や透明感といったところ、
低域の厚みといった面では他のブランドが個性を出してきているのに対して、どこ
の帯域が引きたっている印象もなく、音楽を楽しめるといったところが非常に魅力
的です。
ホーンセクションの派手さがもう少しあっても良いかなと思う部分もあります。
ここでも感じるのがS/Nの良さですね。アース対策、ノイズ対策をしっかりしている
結果だと思います。実際対策しすぎるとつまらない音になる場合もあるようですが、
このVIDAはまったくそういったところは感じないですね。
これがLCR回路の魅力なのでしょうか。

Sonny Rollins /SAXOPHONE COLOSSUS

通なお客様はこのアルバムはモノラルカートリッジで聞かないと良さが出ないとお
っしゃると思います。実際その通りでしょう。とはいえユニバーサルアームであれ
ば簡単にカートリッジを変更して楽しめるから良いのですが、そうではないとなか
なか交換するといったことはしないと思います。

そこでオーロラサウンドはMONOスィッチを装備しました。

最初はステレオで試聴しましたが、特に不満なく楽しめました。
アナログの場合は連続して同じ場所をかけたくないということで、聞いている途中
でMONOに変更しました。
違います。深みが増し、モノラルなのにもかかわらず、そういった印象を持たなく
なってしまいます。BEATLESのモノラル盤も良い状態でかけると逆にステレオっぽく
なるという話も聞きますが、その状態かもしれません。
MONOスイィチにもこだわりがあることが良く解りました。

CLIFFORD CURZON /MOZART PIANO CONCERTO (ESOTERIC盤)

最後にクラシックですが、こちらはESOTERICでSACD盤もありますが、アナログの方
が低域の安定感もあり個人的には好きです。
はっとした解像度や響きはあまり感じないのですが、何か安心してしまいます。
セパレーションが良いかと言われれば、そうでもないですし、混濁感も感じます。
これはあくまでも他社のフォノイコライザーと比較した場合であり、
ただそれを超えてしまうだけのバランスの良さとアナログらしさを感じてしまいま
す。

総評としてこの価格。電源部を別にしているということでのS/Nの高さ。
いくつものフォノイコライザーを試聴してきましたが、特にアコスティック楽器の
音色の良さとバランスの良さは私の心をくすぐりました。

デザインもウッドキャビネットということで安心感を覚えてしまいますし、MUTEボ
タンがついており、使い勝手も非常に素晴らしいと思います。

他のフォノイコライザーを否定するつもりは毛頭なく、その個性が音楽とはまる場
合も多いのですが、このVIDAは平均点が高く、何故アナログを聞きたいかというと
ころのツボを付いている気がします。

オーディオ好きが作ったサウンドというよりも、音楽好きが作ったサウンドといえ
るかもしれませんね。

まだ試聴されたことのないお客様は是非一度ご試聴いただければと思います。

H.A.L.3 一押しのVIDAを是非よろしくお願いします。

紹介が遅くなり申し訳ございませんでした。



2013年7月2日 島

おまけ

先日オーロラサウンドの代表唐木氏と対談したしました。

その内容はこちらをご覧ください。