VOL.129 SFORZATO DSP-Vela +PMC-Circinus

本日は日本のブランドSFORZATOの新製品DSP-Vela をご紹介させていただきます。 SFORZATO ネットワークプレーヤー DSP-Vela(ヴェラ) 定価¥1,500,000(税別) マスタークロックジェネレーターPMC-Circinus(キルキヌ) 定価¥1,000,000(税別)     DSP-Vela本体 PMC-Circinus DSP-Vela 電源部 メーカーホームページは http://www.sfz.co.jp/ SFORZATO価格表   ■History Stereo Sound Grand Prix2017でも受賞作品となっており、名実ともにネットワークプ レーヤー業界に無くてはならない存在となりました。 H.A.L.3では、2013年7月にデータ再生に特化したイベント「Network Audio PC Audio Tim e」を開催し、今ではVol.11まで来ております。その第1回目からご参加いただいているの が、SFORZATOの代表小俣氏になります。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/4f/event_130714.html SFORZATOは2009年9月に会社を設立し、翌年の2010年の12月に初代モデルDST-01を発売い たしました。初代はPCM再生のみでしたので、ネットワークトランスポートになります。 代表の小俣氏曰く、当時使用していたネットワークプレーヤーに可能性を見出し、設計を 始めたということです。 それから2013年にネットワークプレーヤーのDSP-03(¥680,000)を発売開始しました。 http://www.sfz.co.jp/DSP-03.html ネットワークでのDSD再生に関しては、バッファロー社がこの年の7月に業界初のオーディ オ専門店で扱えるNASとしてLS421Dを製品化し、これによりDSD再生が可能になりました。 このタイミングでDSP-03を発売し、翌年の2014年にはエントリーモデルのDSP-05(¥388, 000)を発売いたしました。 http://www.sfz.co.jp/DSP-05.html 2015年5月にはフラッグシップモデルのDSP-01(¥2,830,000)を発売いたしました。 http://www.sfz.co.jp/DSP-01.html 小俣氏は同時にクロックの重要性も感じており、マスタークロックのPMC-03(¥288,000 そして今では生産終了しておりますが、200万越えのPMC-01も発売しておりました。 http://www.sfz.co.jp/PMC-03.html SFORZATOのDLNA/OpenHomeライブラリは株式会社アルファシステムズの製品を購入してい ますが、ハードウェア制御や音質にかかわる部分は自社となっております。またDACのチ ップに関しては、ESS社製のESS9018を使用しておりました。 ■DSP-Vela、DSP-Doradoに関して 昨年2017年には待望の新製品DSP-Vela(¥1,500,000)とDSP-Dorado(¥800,000) を発表いたしました。それに伴いDSP-03は生産終了となりました。DSP-Velaは以前の型番 を用いるのであればDSP-02扱いの製品になるということですが、この製品から星座を用い た製品名となっております。 DSP-Vela http://www.sfz.co.jp/DSP-Vela.html DSP-Dorado http://www.sfz.co.jp/DSP-Dorado.html この新製品発売のきっかけとしてはDACチップによるところも大きく、この2モデルはESS 社製のESS9038を採用しております。 またこの2モデルは本体内にはクロックは装備せず、全て外付でのクロック対応になって おります。 本体があっても10Mのマスタークロックが無いと動きません。 (DSP-Doradoに関しましては、付属品として簡易クロックが同梱されております。) クロックも新モデルとして、PMC-Pyxis(¥ 288,000)、PMC-Circinus(¥1,000,000) が登場しております。 PMC-Pyxis http://www.sfz.co.jp/PMC-Pyxis.html PMC-Circinus http://www.sfz.co.jp/PMC-Circinus.html このクロックも小俣氏のこだわりの一つとなっております。 機能面としては、Roon対応になっているところも見逃せないところです。 https://roonlabs.com/ ■オプション Option U(Vela、Dorado) オプションでUSBの入力端子をつけることが可能となります。 これによりパソコンとの接続が可能になりますので、ストリーミング再生など楽しみ方が 広がります。 Opsion E(Vela、Dorado) また音質強化の底板のオプションも用意されております。 Option P(Vela) DSP-Velaは標準でJODELICAのインレットプラグ(電源)が装備されておりますが、こちら を同社のロジウム仕様のインレットに交換も可能です。 さて筐体に関しましては、トランスが入っている部分に関してはスパイク仕様になってお ります。本体は通常の足、電源部がスパイク仕様ということになっております。 ここもこだわりですが、トランスの真下にスパイクが来るように考えられており、本体電 源部は前二点、後ろ一点。クロックは前一点、後ろ2点となっております。 ■背面     DSP-Vela本体 DSP-Vela 電源部 PMC-Circinus 今回紹介させていただくDSP-Velaは本体と電源の2筐体になっております、その2筐体は L.Rそれぞれに電源を送るための極太ケーブルが1本ずつ、そして比較的細めのCPUの電源 用と3本で接続します。長さ的にはさほど長くありませんので、お気をつけください。 ■ 対応フォーマット PCM: 44.1kHz, 48kHz, 88.2kHz, 96kHz, 176.4kHz, 192kHz, 352.8KHz, 384kHz それぞれ16/24/32bit (固定・浮動) AIFF, WAV, FLAC, Apple Lossless (352.8kHz, 384kHzは非圧縮のみ対応) DSD: 2.8MHz, 5.6MHz, 11.2MHz 1bit (dsf, diff) 全てのフォーマットでギャップレス再生に対応します。(フォーマットが異なる曲間には ギャップが入ります) ■ディスプレイ及び切り替え 本体2つのボタンで様々な切り替えが可能となります。 ●右ボタン 位相切り替え     ●左ボタン ディスプレイの変更(曲 → フォーマット → 消灯)     ●左ボタン長押し ソースの選択(UPNP → USB → ROON) *USBはOptionになります。         ●左右同時押し 本体ヴァージョンアップ、ヴァージョン情報等 ソフトウェアーのアップデートも本体のみで出来るようになりました。 それでは、試聴レポートに入らせていただきます。 秦基博のアイでは、ギターのベース音がしっかり表現され、胴鳴りも膨らむことも無く、 暖かみと弦の心地よい響きを聞かせてくれます。そこに混ざるVOCALは非常にリアリティ を感じます。 http://dyna5555.cocolog-nifty.com/5555blog/2016/05/vol61657-62e1.html 今までの印象は中低域が厚く、彫も深く、音の濃いサウンドのようなイメージが強かった のですが、そのテイストも残しながら非常にニュートラルで、さわやかな音になったよう に感じます。代表の小俣氏はデモンストレーションの際はクラシックが多いのですが、そ の繊細さ、また空間の表現が非常に向上しております。 情報量が耳につく訳でもなく、音を着色している訳でもなく、ごく自然に音が再現され良 い意味での中庸さを感じます。 小俣氏もこの数年で色々と研究を重ねた結果このサウンドにたどり着いたとおっしゃって おりました。 さてDSD再生に関しましてですが、11.2MHzまで対応しております。USB DACとして対応し ているモデルは多くございますが、ネットワークプレーヤーでここまで対応しているブラ ンドとしては少ないのではないかと思います。 ここ最近LINN KLIMAX DS/3も対応しておりますが、5.6MHzまで。LUMINはU1のみ11.2MHz対 応。オープンホームを除けば、YAMAHA、TEACなどは既に対応しております。 MAGNIFICATではこの11.2MHzの生々しさを感じることが出来ました。 http://dyna5555.cocolog-nifty.com/5555blog/2016/07/vol121672-fbad.html DSD再生に関しては、賛否両論あるのは知っておりますが、この演奏を聴くとやはりDSDの 重要性を感じてしまいます。 ウィグモア・リサイタルでは、アントニオ・メネセスの深みのあるチェロ、そしてマリ ア・ジョアン・ピリスの透明感のあるピアノが両立し、さらにライブ盤ならではの、ホー ルトーンの再現。非常に見事な音の仕上がりではないかと思います。 http://dyna5555.cocolog-nifty.com/5555blog/2018/01/vol88-4baf.html KEIKO LEEのVOCALは中域に個性がありますが、ベテランならでは渋みをしっかり表現して くれ、音楽的にはモニター的に感じるところもありますが、逆に音楽を引き立たせてくれ ております。 http://dyna5555.cocolog-nifty.com/5555blog/4f_hal3_1/index.html 旧モデルですともっと雑味があり、古い録音や、ジャズなどは味があり個性を感じており ましたが、私個人的にはこちらの音作りの方が好みです。 再現して欲しい情報とともに、本来持っている音楽というものを無機質ではなく、素直に 再現としてくれております。 他社製品のクロックでは試聴しておりませんが、このサウンドはやはりセットの音だと感 じざるを得ません。 足回りへのこだわり、筐体へのこだわり、クロックへのこだわり、そしてデジタル領域で の設計思想。そのこだわりがこの音楽を作り出しているのだと感じることができました。 SFORZATOは「その音だけ特に強く」という音楽記号ではありますが、以前はそういう感じ も受けておりましたが、私は音ではなく、「聴いている音楽だけが特に強く」という表現 の方が似つかわしいように感じてしまいます。 今回ステレオサウンドでの評価も非常に高いですが、私も賛同したいところです。 個人で設計しているからこそ出来るサウンドもあると思います。 常設展示ではございませんが、リクエストいただければご用意させていただきます。 皆様のご試聴依頼心よりお待ち申し上げます。                             2018年1月16日H.A.L.3 島