VOL.127 FOCAL Sopra N°2

定価¥1,560,000(税別) 本日は日本のオーディオメーカーとしても名高いラックスマン(株)が取り扱いを開始し たFOCALのSOPRAシリーズのSopra N°2をご紹介させていただきます。 ラックスマン(株)が取り扱いを始めるということで昨年ラックスマンの本社にご訪問さ せていただき、上位モデルのFOCAL Scala Utopia Evoのレポートをお届けさせていただき ました。 FOCAL SCALA UTOPIA ラックスマン訪問編 http://www.dynamicaudio.jp/5555/4/rep120.html 改めてラインナップの紹介をさせていただきます。   代理店サイトは下記をご覧ください。 https://www.focal.com/jp/high-fidelity-speakers H.A.L.3ではSopra N°2の展示を開始いたしました。       開墾に関しましては、非常に理にかなっております。パッキンに乗ったスピーカーを箱か ら引き出しますが、パッキン部分に取っ手がついておりますので、非常に取り出しやすく なっております。   スパイクに関しましては、既にベース部分に組み込まれており、回して出していくという 構造になります。ただ2重構造になっておりますので、高さ調整に関しては少し気を使っ ていただいた方が良いようです。 それでは、SOPRAシリーズのポイントになる点をご紹介させていただきます。 <ツィーター部>   Inverted Dome Tweeter(インバーテッド・ドームツィーター) 2002年より採用しておりますが、ドーム形状に関するテクノロジーとなります。 構造上ボイスコイルを小さくすることができ、俊敏性が高く、応答能力に優れております。 またカーブを小さくすることができるということで、振動板の動きを均一にすることが可 能となります。 Beryllium Tweeter(ベリリウム・ツィーター) FOCALと言えばやはりベリリウムを使用したツィーターになるのではないかと思います。 20ミクロンのベリリウム素材を逆ドーム型に成型することができる工作機械の開発こそFO CAL=ベリリウムツィターのイメージが強くなったところかと思います。   IHL-Infinite Horn Loading (インフィニット・ホーン・ローディング) ツィーター背後のキャビネット内に放出される音波処理するために、独立させたキャビネ ットを装備しております。こちらは特殊ダンピング素材で形成されたホーン仕様となって おります。 <ウーファー・ミッド部>       W Sandwich Cone (Wサンドイッチコーン) ドライバー開発の基本原則 (1)軽さ (2)剛性 (3)ダンピング性能の良さを追求しております。 Wサンドイッチコーンはコア材としたロハセルフォームを特殊加工で細かく編み込まれた グラスファイバーでサンドイッチしています。コア材の厚み、グラスファイバーの層数を 自由に変えることができるので、再生する周波数に応じ、あらゆる口径に対応可能となり ます。 TMD-Tuned Mass Damper (チューンド・マス・ダンパー) コーンバスケットに装着するサスペンションの技術となりますが、サスペンション上のリ ブで不要共振を抑え、Wサンドイッチコーンとの相乗効果で歪みを少なくしております。 NIC-Neautral Inductance Circuit (ニュートラル・インダクタンス・サーキット) 磁気回路のテクノロジーになります。NICテクノロジーはボイスコイルの動きによって乱 される磁場の動きを、ボイスコイル内にファラデーリングを投入することで、コントール を可能にし、ボイスコイルの位置や電流、周波数の影響に左右されない安定した磁場を実 現する技術となります。 <その他>    ネットワーク:OCPプラス回路 キャビネット:ガンマ構造 スピーカーターミナル:シングルワイヤー バスレフポート:底面 カラーバリエーション:6色 その他詳細は https://www.focal.com/sites/www.focal.fr/files/shared/minisite/presse/focal_speaker_highend_s.pdf それでは、試聴レポートに入らせていただきます。 システム MUSIC SERVER FIDATA HF-AS1 H40 http://www.iodata.jp/fidata/product/nas/index.htm D/A CONVERTER TAD TAD-D1000MK2(DAC部使用) http://tad-labs.com/jp/consumer/d1000mk2/ PRE AMPLIFIER TAD TAD-C2000 http://tad-labs.com/jp/consumer/c2000/ POWER AMPLIFIER TAD TAD-M2500MK2 http://tad-labs.com/jp/consumer/m2500mk2/ 使用ハイレゾ HD Classical Volume 1,2 http://www.e-onkyo.com/music/album/srt004/ http://www.e-onkyo.com/music/album/srt005/ Timeless 20th Century Japanese Popular Songs Collection KEIKO LEE http://www.e-onkyo.com/music/album/smj4547366329803/ A Tribute To Art Blakey And The Jazz Messengers TONY ALLEN(トニー・アレン) http://www.e-onkyo.com/music/album/uml00602557443974/ 以前よりFOCALを好きなお客様の傾向としては音の深さに魅力を感じてご使用いただいて いるのではないかと思います。ベリリウムを使用したスピーカーとしてはTADもそうです が、派手なサウンドではなく、中低域に音楽を下支えする安定感があり、そこにベリリウ ムの性能の良さが加わり、音楽をしっかり聴けるサウンドになっているように感じます。 その中でも私は個性的な中域がこのFOCALの魅力になっているのではないかと思います。 ブックシェルのSopra°1も試聴しましたが、以前はブックシェルフの方がコントロールし やすいように感じましたが、今回新品の状態では低域のコントロールはSopra°2の方が簡 単に感じました。どうしてもブックシェルフの場合は低域を多めにだしてしまう傾向があ りますので、そういったところでバランス的にはこのSopra°2の方が良く感じたのかもし れません。また底面バスレフというところも影響しているのではないかと思います。 さてKEIKO LEEの今回のアルバムは日本語を丁寧に歌っており、哀愁が漂っておりますが、 その哀愁を肌で感じることができます。独特な粘り気がそうさせているのかもしれません。 FOCALはフランスのブランドになりますが、フランスの方の話すトーンなどもどちらかと いうと中域寄りというような話を聞いたこともありますが、その意味が垣間見えるサウン ドを届けてくれました。 VOCALの高さも問題なく、ユニットの個性は感じますが、ユニットがなっているような感 じはあまり受けません。高さ表現に感じては、非常にうまくまとめている感じがします。 私のイメージの中でFOCALはエネルギー感が強いブランドのイメージがあります。ト ニー・アレンのJAZZでは、やはりそのエネルギー感を感じることができます。ただ以前の モデルよりももっと素直な感じで音が出ている感じがします。鳴らしにくいイメージもあ りましたが、意外に素直になってくれるのは新しいモデルの特徴にも感じます。 ドラムの場合は、シンバル、ハイハットなどの金属的な楽器と、バスドラ、スネア、タム などの太鼓がありますが、個人的にはこのタムの音がなんとも魅力的に感じます。 低域のバスドラの量感も程良く、スネアの張り出しも自然で良いのですが、おかずのタム がグルーブ感を引き出してくれます。シンバルは特に派手な感じではなく、おとなしめに 感じます。 ユニット構成は上からミッド、ツィーター、バスという構成になります。ウーファーに 関しても2本同じ面にはついておらず角度がついております。ミッドレンジに関しても、 若干ではありますが、お辞儀をした状態になっております。頭の高さ、そして試聴位置 (前後)を変えて試聴しましたが、かなり差があります。スピーカーの高さ、そして試聴 距離などしっかり追い込むことで、音色だけではなく、オーディオ的なサウンドも実現で きるのではないかと感じました。 最後にクラシックを試聴いたしました。 私の先入観で、ロックやジャズのイメージもあったのですが、この朗々たるサウンドはク ラシックで発揮するのかと感じてしまうほどでした。調べてみるとフランスの有名な作曲 家として、ラベル、ドビュッシー、サン・サーンス、エリック・サティ、ビゼー、ベルリ オーズなど非常に多いことが解りました。どうしてもオーケストラで見た場合にフランス のイメージが沸かずあまり意識をしておりませんでした。例えば日本の音楽と言えば民謡、 童謡、演歌というイメージもありますが、一般的には聞かれておりませんし、フランスと 言えばシャンソンですが、同様なことがあるようです。ただ根源にあるサウンドは引き継 がれているのではないかと感じてしまうことがあります。 このFOCALで試聴したオーケストラは、深みやスケール感、そしてダイナミックレンジの 広さ、そして程よい解放感を持ち合わせております。中域に深みがあるとこういう楽しみ 方もあるということが良く解りました。 ヴァイオリンよりもチェロ、小編成よりも大編成の方が向いている印象も強く持ちました。 以前持っていたイメージだけではなく、もっと違う魅力を感じてしまいます。既にご存知 のお客様は今一度ご試聴いただきたいとともに、ご存じないお客様は一度ご試聴いただき たいと思います。 オーディオが音楽の趣味を変えるということも良くあることですが、このFOCALも同様な のかもしれません。                             2018年1月9日 H.A.L.3 島