![]() | 『GROOVY』 THE RED GARLAND TRIO レッド・ガーランド(p) ポール・チェンバース(b) アート・テイラー(ds) PRESTIGE 7113/VICJ-60278 ●1957年8月9日録音 |
『ピアノトリオと日本人』 ・・・『Cジャム・ブルース/レッド・ガーランドを聴きながらお読みください』
よくジャズの雑誌を読んでいると、日本人ほどピアノトリオの好きな国民はいない、というフレーズに出くわしたことが何度かあります。ふう〜ん、
確かにわたくしも大好きでよく聴いているなぁ。でもなんでだろう、と考えた事はなかったのでおもむろに我が家のCD棚から1枚のCDを取り出して、
聴いてみてやっぱりいいなぁと思ったのが『Cジャム・ブルース/レッド・ガーランド』です。勿論ビル・エヴァンンスのリリシズムやオスカー・ピーターソンの
ダイナミックな演奏、キース・ジャレットの乾いた音も好きなのですが、このレッド・ガーランドのピアノは、言い尽くさせた言い方ですが、
まさに玉をころがすようなシングルトーンで、これがわたしにはたまらなくいいのです。特にこうしたブルースを黒人のガーランドが奏すると、
そのドロドロとした粘っこい本来の持ち味がでてきて、ものすごく心地良いのです。ファンの選ぶ、ベストピアノトリオのベストワンには、たいていビル・エヴァンストリオ
が選ばれることが多いいのですが、この黒っぱい感じはエバンスには出せません。すこし大人っぽくそれでいてやさしさに満ちたガーランドの演奏は、
ピアノを通して日本人の心を捉えているように感じます。なぜならば、わたくしもその一人だからです。
ジャズの話ばかりでオーディオの話がありませんでしたので少し最近気になる事を書いてみますわたくしは営業を仕事にしているので、お客さまから良くこんな質問を受ける事があります。
それは「音の良いスピーカーはどれですか?」そうするとわたくしは、即座にこう答えます「ここにあるスピーカー全部です」と、すると大抵のお客さまは、
それが判らないから尋ねているのにといった顔をします。そこでわたくしは、すかさずお客さまにどういった音楽をお聴きになりますか?と逆に
聞いてみます。そこから色々なコミュニケーションがはじまるのです。そしてお客様のお気に入りを見つけ出す手伝いをすることに全力を上げようと
思う今日この頃なのです。店でわたしを見かけたら声をかけてください、そして一緒に見つけましょう、あなたにとっての一番よいスピーカーを。
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