『CHET BAKER SINGS』
CHET BAKER

チェット・ベイカー(tp,vo)
ラス・フリーマン(p,celeste)
カーソン・スミス(b)
ボブ・ニール(ds)

PACIFIC JAZZ1222/TOCJ 9301
●1954年2月15日録音


『チェットの歌声』
・・・『チェット・ベイカー・シングス/マイ・ファニー・ヴァレンタイン』
を聴きながらお読み下さい。
 チェットとは、勿論チェット・ベイカーの事ですが、わたくしが初めてチェットの声を聴いた時は驚きました。何故驚いたといえば、答えは簡単、想像していた声と大いに違っていたからに他なりません。
わたくしの想像していた声とは、顔つきからして男らしい低音の太い声を発するのではないか?まぁ、一言でいえば、エルビス・プレスリーのような感じといいましょうか。 しかし実際の声は想像を絶する様な声なのです。
よくチェットの声は中性的な声と言われますが、わたくしにいわせればオカマっぽい声なのです。しかし何とも魅力的な声なのです。
スタイルとしてはルイ・アームストロングと同じトランペットとヴォーカルなのですが全く正反対な印象をうけます。チェットの声はあくまで退廃的で不良っぽくてせつなく聴こえるのです。 まぁ、こうゆう歌声でトランペット吹きながら囁かれたら男のわたしでもロマンチックな気分になってしまいます。
  さて、この『チェット・ベイカー・シングス』の中のマイ・ファニー・ヴァレンタインですが、この曲は色々な人がとりあげているあまりにも有名な曲ですが、わたくしはマイルスとこのチェットのがベスト だと思います。当時のチェットは顔も美形でジェームス・ディーンの様でしたが、晩年の顔はくすりのせいか何とも恐ろしいくらいに 変わっていまいまいた。シワが増え昔の面影はなくなったチェットの顔を見ながらこの曲を聴いていると、なんとも人生はいろいろ だなぁと感じるのです。

 この所オーディオ業界も色々な新製品が発表されていますが、その中で気になった製品を紹介いたします。 それは、最近たてつづけに製品を出しているJBLの中でも、特に気になるのがこのJBL K2-S4800(定価1台\600,000)です。
簡単に説明すると4348の38cmウーハーとS5800のツイーター、スーパーツイーターを合わせたモデルです。ここでは詳しい説明はしませんが、一言でいえば非常に気持ちの良い音です。 特に38cmウーハーは最近の流行りのトールボーイタイプのスピーカーでは出せない空気の振動を感じさせるものです。特にパワーを入れた時は心地良い音です。
わたしは価格も性能の一つと思いますのでこの価格でこの性能であれば大変お買い得だと感じました。チェットの歌声も心地よく響き渡ります。
興味のある方はご連絡ください。

《一言いわせて》
チェットはその個性的なヴォーカルが有名ですが、トランペッター
としても50年代を代表する程人気がありました。
一度聴いたら又聴きたくなる不思議な魅力を持っています。
(ちょっとけだるい時に飲むライムサワーの感じかな)

9月の中頃  糸井 司

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