『JUTTA HIPP WITH ZOOT SIMS』 JUTTA HIPP ユタ・ヒップ(p) ズート・シムズ(ts) ジェリー・ロイド(tp) アーメド・アブダル・マリク(b) エド・シグペン(ds) BLUE NOTE TOCJ-9043 ●1956年7月28日録音 |
『すみれ色のピアニスト』 ・・・『コートにすみれを/ ユタ・ヒップを聴きながらお読み下さい』
ユタ・ヒップはツウ受けするピアニストとよく言われていますが、わたしに言わせればあまり売れなかったピアニストという様に聞こえます。確かにビル・エヴァン
スやセロニアス・モンクなどのジャズの巨人とは全く別のものですし、余程ジャズに興味のある人でないと知られてないと思います。そんなヒップはドイツ生まれ
で、その後、ニューヨークに1955年に進出し、マイルスやベイシーの演奏を聴いて、強いカルチャーショックを受けしばらく自信喪失になってた時期があったみたいですが、それから立ち直ると、西52丁目に在ったヒッコリー・ハウスでの ハウスピアニストとしての活躍で有名になりました。そのヒッコリー・ハウスに 出演している6ヶ月の間にブルーノートで録音されたのが、この「ユタ・ヒップ・ ウィズ・ズート・シムズ」です。ヒップとシムズは、同じ1925年生まれで、意気投合 していた時期もありましがその後の人生は大きく違うものになってしまいました。シムズは、スタン・ゲッツと並ぶ白人テナーの最高峰として活躍しましたが、 ヒップは58年頃には、音楽活動をやめてしまい、しばらくの間は音沙汰が無い 状態がつづいていました。しかし、ヒップのピアノは何とも知性的で、いま聴いて も決してでしゃばりすぎずにいて、それでいて存在感のある音です。そんなヒップの醸し出す雰囲気がたまらなく魅力的です。又、同時期の録音の「ヒッコリー・ ハウスのユタ・ヒップVol,1」では、彼女の声が聞けますので興味のある方は 聴いてみて下さい。きっと、ヒップが当時生活していたニューヨークの空気感が 伝わってきますよ。
暑い夏もそろそろ終わりに近づき、オーディオを聴くには、絶好の季節がやって来ます。わたしの居るサウンドハウスも只今、決算セール中です。この機会に |