『BLUE LIGHTS VOL.1』
KENNY BURRELL

ルイ・スミス(tp)
ティナ・ブルックス(ts)
ジュニア・クック(ts)
ケニー・バレル(g)
デューク・ジョーダン(p)
サム・ジョーンズ(b)
アート・ブレイキー(ds)
BLUE NOTE BNST1596/
TOCJ-9183
●1958年5月14日録音


『ブルー・ライツ姫の誘惑』
・・・『イエス・ベイビー/ケニー・バレルを聴きながらお読み下さい』
 ケニー・バレルというギタリストは黒人でありながらわりあい地味でマイルドな
印象を受けますが、ここでの演奏もそういった特徴がよく出ています。「イエス・ ベイビー」はその中でもスローなブルースでバレルの弾くギターのシングル・
ノートを中心にしたフレージングが楽しめます。以前紹介したグラント・グリーン
よりも地味な分、色々なところから声がかかり当時はブルー・ノートを始めプレスティッジ等のハード・バップの2大レーベルからひっぱりだこでした。
又、このアルバムのジャケットは、当時はまだそれほど有名でなかったアンディ・ウォーホールがデザインしたもので、ブルー・ノート(アルフレッド・ライオン)が気鋭 の才能ある人ならミュージシャンでなくても登用していた事がよく判ります。
わたしは中身も大切ですが、ジャケットのデザインもやはり気になる方なので、
このアルバムはまさに両方とも良く出来た小粋な感じのするジャズのアルバム
です。まぁ、決して歴史的名盤と言うのでは無いんですが、ジャケットに描かれて いるブルー・ライツ姫(勝手に名付けました)が自分だけの大切な物に見えてきて他人にはあまり教えたくないと思わせるアルバムかなぁ。

 わたしが子供の頃、電話という物はだいたい家の玄関の近くに置いてありました。今では信じられないかもしれませんが、まだ電話という物がめずらしい時代
でしたので、ちょっと電話を貸したりするのに部屋の中にあっては都合が悪い
ので玄関先に置いてあった様に思います。中学生でも携帯電話を持っている
現代とは違い当時は、好きな人の家に電話をした時に先ず誰が出るかでドキドキしていた時代でした。現代はもの凄い勢いで変化をしています。オーディオも随分 と変わって来ましたが、最初にステレオを聴いた時のドキドキ感を忘れないで
いたいと思う今日この頃です。

《一言いわせて》
ジャム・セッション風のレーコディングから生まれた本作は
VOL.2もあります。こちらもVOL.1にひけをとらない出来栄えです。

4月○日『晴れ』糸井 司

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