『TORIO IN TOKYO』
MICHEL PETRUCCIANI

ミッシェル・ペトルチアーニ(p)
スティーヴ・ガッド(ds)
アンソニー・ジャクソン(b)
DREYFUSJAZZ/VACR-2039
●1997年11月録音


『奇跡のピアニスト』
・・・『ホーム/ミッシェル・ペトルチアーニを聴きながらお読みください』
 これは、もう奇跡としか言いようが無いほど聴く人に、勇気と生きる力をあたえてくれるのが、『TORIO IN TOKYO』のミッシェル・ペトルチアーニです。わたくしは もっぱら50年代から60年代のジャズを聴くことが多いのですが、このアルバムは、まだ青山の骨董通りにあった頃のブルーノート東京で、97年に録音された
もので音質も申し分なく、非常にバランスの良い録音です。
ミッシェル・ペトチアーニは、先天性の骨疾患である大理石病というの事が必ず
書かれますが、音楽を聴いていると病気とは思えない程、強く、明るく、喜びを
たたえてくれるピアノがそこにあるのです。まぁ、本人に聞いた訳ではありません が、その境地になるまでは、凡人では想像もつかない様な、悲しみや辛さが
あった事でしょうが音楽を聴いていると、そんな事は少しも感じさせないところに、 本当の凄さを感じます。それにしてもミッシェル・ペトルチアーニは、もっともっと
評価されるべき才能を持っていました。確かに、画的には取り上げられる事が
少なく、SJ誌の表紙を飾る事もあまり無く、一部のマニアには大変評価が
高かったのですが、一般的には、まだまだ知られていませんでした。又、今回の トリオの一人で、ドラムのスティーヴ・ガッドは、ジャズのドラマーと言うよりは、
スタッフや今回来日中のエリック・クラプトンのドラマーとしても有名です。さらに、 ベースのアンソニー・ジャクソンとの息もぴったりのベスト・トリオです。
ミッシェル・ペトルチアーニは生きているだけでも奇跡といわれた重い病気でした が、まさに一つ一つの演奏が生きている証であり、その音楽からは生きる喜びがつたわってくる「奇跡のピアニスト」でした。

 早いもので、今年も残り一ヶ月を切ってしまいました。そこでサウンドハウス
でも、日頃の感謝をこめて歳末キャンペーンを実施中です。詳しくは、1階の
トップページをご覧ください。又、今話題のB&W700番シリーズも、全て
展示完了し、いつでも試聴出来ますので是非お好きなCDソフトを持参して
ご来店ください。そして、お客様の耳と感性で自分の音を探し出してください。
そのお手伝いをいたしますのでお気軽に声をかけて下さい。
心よりお待ちしております。

《一言いわせて》
今や、伝説となりつつある、ブルーノート東京でのライブを聴いていると、
ミッシェル・ペトルチアーニは36年間の短い生涯でしたが、
すばらしに仲間に恵まれて幸せな人生であったと思えてきます。

12月○日『晴れ』糸井 司

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