『NEWKS TIME』 SONNY ROLLINS ソニー・ロリンズ(Ts) ウィントン・ケリー(p) タグ・ワトキンス(b) フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds) Blue Note 84001 /TOCJ-9501 ●1957年9月22日録音 |
『ソニー・ロリンズ、2年ぶりの来日』 ・・・『ニュークス・タイム/ソニー・ロリンズ』を聴きながらお読み下さい。
何気なく雑誌を読んでいると、こんな記事が出ていた。“ふぅ〜んロリンズってまだ生きていたんだ。1929年生まれと言う事は、今年73歳になるという事か!” この時代のジャズマンはもうほとんどこの世にいない。マイルスしかり、 エバンス,コルトレーンも、もう生では聴くことが出来ない。70歳を過ぎたとはいえジャズ界の生きた伝説を聴けるのは凄いことだ。 しかし待てよ、73歳と言えば江戸時代の平均寿命40歳の倍近いではないか?こんな老人にまともな演奏ができるのだろうか?などと考えながらロリンズのCDニュークス・タイムをかけてみる(RVG紙ジャケ盤)。 とどうだろう。とても70歳を過ぎた人の演奏ではない・・・。 あたりまえの事なのだが当時ロリンズが28歳の時の演奏で、フィリー・ジョー・ジョーンズの切れの良いドラミングではじまり、 ロリンズのテナーサックスにつづき、ダグ・ワトソンのベース、ウィントン・ケリーのピアノがかぶる1曲目のチューン・アップの若々しさは、多分今の70歳を過ぎたロリンズには出せないだろうと思う。 もし同じ様な演奏をしたら本当に化け物だ。 ここで疑問が沸いてきた、じゃ73歳の今の生のロリンズの演奏と28歳の時のCDの演奏どちらをとるか? 人によっては絶対に生のが良いという人もいるだろうが、必ずしもそうとは限らないとわたしは思う。 なぜなら、生にはその日の体調によって、ばらつきがあるからだ。 勿論、生の良さもあるけれど、なかなか良い演奏の日に出会う機会は少ないのが常だ。であるならば、全盛期のロリンズを最高のオーディオ機器で聴いた方が良いのではないだろうか? そんなことを考えながら、エアコンを省エネ温度27℃で、ビールを飲みながらロリンズの『ニュークス・タイム』を聴いていると「やっぱりオーディオはいいなぁ〜」と、つくづく思う自分であった。 |