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H.A.L.担当 川又利明


No.261 小編『音の細道』特別寄稿 *第21弾* 
      「新発見これは凄い!!
        SACDより高音質というあるものとは!?」

1.更に!? 事実は小説よりも奇なり!?

Gケーブルがあのような結末になってしまった今、私は再びDOMINUSを
変わることのないリファレンスとして様々な試聴を繰り返しているもの
だが、今日SACDをX-01で再生している状況の中で驚くべき発見をした。

私が何をやったのか? その種明かしは次回に譲るとして、まずは先ほど
まで興奮していた比較試聴の様子をレポートしなければと思いついた。

     -*-*-*-*-今回のリファレンスシステム-*-*-*-*-

ESOTERIC G-0s(AC DOMINUS) →PAD RCA DOMINUS 1.0m→ESOTERIC
X-01(Moebius“10000952”)→PAD BALANCE DOMINUS 1.0m→ Brumester
Pre-Amp 808 MK5(AC DOMINUS)→(PAD BALANCE DOMINUS 7.0m) →
Nautilus付属Channel Divider(AC DOMINUS & BALANCE DOMINUS 1m×4 
SAP RELAXA2PLUS×2)→JEFFROWLAND MODEL 304×2(AC DOMINUS×2) →
B&W Nautilus→murata ES103B With PAD ALTEUS 3m

このシステムは私の秘密兵器として着々と発売に向けて準備を進めてい
るMoebiusを検証したシステムであり、あのGケーブルをこれでもか!!
というくらいに聴き込んできたシステムということで最近のお気に入り
の組み合わせとなっている。

さて、ここで今日比較試聴したのはSACDに特化してというポイントで
あり、使用した曲は随筆の第52話でテスト・ディスクとして採用した
これである。

http://www.sonymusic.co.jp/Music/Classical/Artist/YoYoMa/index.html

上記のシステムの中で、どこを変更したのか? それは、まだ語らずに
ケースAとケースBという表現で私のインプレッションを述べていくこ
とにする。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

まず1トラック目Cristal。作曲者でもあるセーザル・カマルゴ・マリ
アーノが演奏するピアノのヨーヨー・マとのデュオによる録音だ。

私の比較試聴は曲の演奏中にスイッチを切替えるということはしない。
まず最初にケースAの音を数回じっくりと聴きながら、楽音の定位、音像
の大きさの表現、エコー感と空間表現、楽音そのものの質感、などを
間違い探しの問題のように二つの写真やイラストを見比べるための基準
を記憶に刻み込むのである。

とにかく、私が認識している中でもSACDの再生に関しては最高レベルと
自負する上記のシステムで何がわかるのか? この比較には心の準備を
してかからなければいけない。さあ、念のためにケースAをもう一度
聴きなおそう!!


2.唖然とした結果

さて、ケースAでの再生音をしっかりとメモリーに蓄えて、いよいよ
ケースBとしてセッティングをやり直す。この時間は比較的短時間だ。
ヒントにして頂ければと思う(^^ゞ

さあ、イントロのピアノだ…!??

「えっ、さっきと全然音像の大きさが違うじゃない!!」

これが第一印象となる。距離感を持った録音のピアノは叩かれる弦の
音像ということでは劇的な変化をするものではない、ということは経
験上でわかっているつもりだ。しかし、この時に始まったピアノは周
辺に撒き散らすエコー感の物量関係に反比例するかのように、フォー
カスを絞り込んだ輪郭を示しているではないか!! 私は音像が縮小す
ることだけを歓迎するものではない。

それだけだと「線が細くてやせた音」ということで、一目瞭然で一般的
には支持されない演奏になってしまう。しかし、私の心配はヨーヨー・
マのチェロが入ってきたところで安心感に180度変換されてしまった。

というのは、ケースAに対して明らかにチェロの音像がNautilusの
センターにキュートに浮かび上がるのだが、浮かび上がったチェロが
周囲に水滴を振りまくようにエコー感のたなびきが長いのである。
これには驚いた。

従って、ピアノの楽音も前述の心配のように線が細くなるどころか
余韻の拡散する空間がスケールを大きくするので、スタジオが大部屋
に変わったのだろうかと演奏者の背景に視野が広がるのである。

この一曲で、まず音の間違い探しは両手に余るほどの相違点として観察
することが出来るほどになった。これは次の曲で音源の数が多くなるの
で、そこで更に確認できるだろう。

二曲目はホーザ・パッソスのギターと彼女のヴォーカルが聴きどころの
アントニオ・カルロスジョビンの名曲Chega de Saudadeである。

これもケースAを三回ほど聴き観察ポイントをあらかじめ頭に入れた。
さて、ケースBに切替えよう!!

「うっ…、なんだこれは? 」

この曲は冒頭からヨーヨー・マのチェロがソロを奏でるのだが、音像の
大きさというか楽音のコアの現れ方がまったく違うのである。まるで
ケースAではヨーヨー・マが背中を壁に押し付けるようにして、背後の
壁に反射させていたチェロだったのだろうか。それがケースBではステ
ージの中ほどで演奏して付近の反射面がなくなったように音像がすっき
りとしているのである。そして、チェロの音色が濃密になっている!!

やがてホーザ・パッソスのヴォーカルが入ってくるのだが、この時にも
同様にフォーカスが鮮明になり、彼女の口元というかシルエットの投影
面積は半分ほどに凝縮しているのではないか!!

「これは…、そうだ!! あのGケーブルで聴いたイメージにそっくりだ!!」

何と言う例えか!? 私の頭の中ではセンター定位のヴォーカルの描写力を
そのフォーカスが引き締まり、そして同時にエコー感の放射量が増加し
まるでマスタリングが新しくなったように思える。この変化はGケーブル
がこのシステムでの長時間の試聴で私に残していった大いなる教訓で
あったかもしれない。とにかくセンター定位のヴォーカルではSACDの
フォーカスが鮮明であるということを随筆でも述べているが、この時の
変化は高価なGケーブルを思わせるものがあった。これは素晴らしい!!


3.広がる音場感

三曲目のA lenda do cabocloで更に確認しなくては、と早速ケースAを
再度聴き直す。セルジオ&オダイル・アサド兄弟のギターが左右両翼を
固め、今度のヨーヨー・マはジャストにセンターに定位を取っている
トリオでの演奏である。つまり両翼に展開し広がりを期待したい定位と
センターに位置するヨーヨー・マというGケーブルでの比較ポイントを
ケースBで試してみようとするものだ。それではケースBではどうか!?

左右のギターのアルペジオがイントロを飾るのだが、このピッチカート
の一音ずつがきちんと分離していて左右のNautilus周辺に浮かび上
がり、そのギターの弦がケースAよりもテンションが高くなっている
ようだ。当然弦の張力を張り詰めると音階が変わってしまうので、私
が言わんとしているのは一音一音が鮮明であり力感があるということ
である。そして、センターにアルコでヨーヨー・マが登場する!!

「おいおい、さっきよりズームインしたようだぞ!!」

アルコで強い摩擦と開放を繰り返しているということがわかるほどに、
つまりヨーヨー・マに接近していったように質感が鮮明になっている
ではないか!! もちろん、このトリオとの距離感はそのままなのだが
楽音の各々がこれほど明るさを増して、言い換えれば指先の有様が
手に取るようにわかるようになってくるというのは、例えとしては
演奏者に接近していくにつれて高まる解像度としか言いようがない。

それに、ギターの余韻感とチェロの余韻感が独立している!!
大切なことだがケースAでは三者の発するエコー感がNautilusの
後方でひとかたまりになってしまう傾向が感じられたが、ケースB
ではちゃんと個々のテリトリーを表現し、分離感が素晴らしいのだ。
これは三者共に音源とエコー感のセパレーションを高めたという
事実に他ならない!!

これは、この同じタイトルのCDとSACDを比較したときのような開き
があるではないか!! ケースAの後にケースBを聴くと、今までのSACD
の再生音がまるでCDであったかのように退化してしまうのである。
それほどケースBが与える印象は強烈であった!!


4.ケースBにかける期待感

また私のことだから高価なものをオブラートに包んだ表現で販売し
ようとしているのか!? などと思われる皆様もいらっしゃるかもし
れませんが(^^ゞ 私のスタンスは価格にだけこだわっているもの
では決してありません。

今回のケースBとは、SACDのその先の音質を実現するものであり、
それはユーザーの使用システムの総額とも関係はなく、しかも
通常のCDにおいても効果を発揮するものなのです。私はこれから
その取引先と交渉をして、ハルズサークル会員の皆様に喜んで
頂けるような企画にまとめるべくプロモーションの準備を開始
することにしました。それだけエネルギーを費やすことにふさわ
しい商品であると確信しています。そして、交渉成立の時には
晴れてケースBの商品を皆様にご紹介できるでしょう!!
お楽しみは次号の配信で!!

それでは、皆様もこの機会にどうぞハルズサークルにご入会ください。


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
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