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H.A.L.担当 川又利明


No.251 「新企画発進!!Made in Japanの実力を発揮する試み!!」
  Vol.1「意外? な発見!! 国産スピーカーの時代が変わった!!」

昨日のハルズサークル・レビューの配信で、その締めくくりで次のように
述べていたものですが…。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

実は、今回の国産ハイエンド認定の新製品で私が鳴らしてみたいと思う
やはり国産のスピーカーがあるのです。それを含めて他店では実現でき
ないようなMade in Japanの本領発揮というプレゼンテーションを近い
将来にご提供しますので、今後の配信にぜひご注目下さい。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、このスピーカーについて私の評価と今後の抱負ということで続報
として皆様にどうしてもお知らせしたくなってしまったものです。

私が図らずも試聴の機会を持ち、そのままマラソン試聴会へのエントリー
へとトントン拍子で進行していった新製品のスピーカーとは!? 先にその
ものズバリをご紹介してしまいましょう。

http://www.jvc-victor.co.jp/press/2003/sx-l9.html

あれは、9月末くらいのことだったでしょうか…。ビクターが久々に単品
高級スピーカーを開発したというので、当店の下のフロアーで持ち込み
試聴が行われていました。

予定は聞いていたものの、私としても目前のデスクワークに追われており
その実物を試聴する時間をとれるかどうか…という心境でいたのですが
熱心なビクターの営業担当者Sさんが…

「店長、なんとか聴いていただけませんかね~」

と、熱心な声をかけてくださったので、では…、ということで完成間も
ないSX-L9を見に行きました。いやっ、本当はちらっとでも聴けばいい
かな~、と思っていた(失礼!!)程度だったのですが、聞き覚えのある
ダイアナ・クラールのディスクをちょっとだけ…という心境でかけて
みたのだが…。

「むむっ、これはなんとしたことか!!歪み感が極めて低い、と言うか
 中高域の質感が素晴らしいじゃないか。でも、低域は部屋の環境も
 あってか、ここでは限界があるかな~。でも、これは捨てがたいぞ!!」

という瞬間的な判断が脳裏をよぎり、来訪されていたビクターのご担当
者へ、ぜひ7Fに持ってきてください、とお願いしたものだった。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

上記のwebを見ておわかりのように、私が日頃扱っている海外のハイエンド
スピーカーの数々と比べるとデザインは何の変哲もないフロアー型ボックス
形状のものであり、NautilusやAVALON、WILSONやB&Wなどの音場感を発揮する
デザインとは異なるオーソドックスなものだ。
言い換えれば国産スピーカーの代名詞とも言える大きなブックシェルフ
スタイルのエンクロージャーであり、そんなものを私が推奨するという
ことを意外に思われる方々も多いと思う。

しかし、実際にこれをH.A.L.に持ち込んでのインパクトが如何に素晴ら
しかったか!! これを語りたくて仕方ない一ヶ月を過ごしながら昨日の
配信内容に元ずくひらめきがあったのである。

さて、当日試聴したのは下記のシステムであった。

                     Esoteric G-0s(AC DOMINUS)
                ↓
              Word sync only→dcs BNC Digital Cable
                ↓
 Esoteric P-0s(AC/DC DOMINUS & RK-P0 & MEI Z-BOARD & PAD T.I.P)
                ↓
            Digital DOMINUS PLASMA-SHIELDING
                ↓
                       dcs 974(AC DOMINUS)
                ↓
                dcs Elgar plus 1394(AC DOMINUS)
                ↓
         Balance DOMINUS(1.0m) PLASMA-SHIELDING
                ↓
                 Accustic Arts PREAMP I(AC DOMINUS)
                ↓
         Balance DOMINUS(7.0m) PLASMA-SHIELDING
                ↓
                 Accustic Arts AMP II(AC DOMINUS)
                ↓
          DOMINUS Bi-Wire Speaker Cable(5.0m)PLASMA-SHIELDING
                ↓
                          Victor  SX-L9


先ず、最初にかけたのはテストディスクの定番となっているこの曲。

チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》op.71 全曲
サンクトペテルブルク・キーロフ管弦楽団、合唱団
指揮: ワレリー・ゲルギエフ CD PHCP-11132

http://www.universal-music.co.jp/classics/gergiev/discography.htm

1トラック目の序曲を聴く。大体、この最初の一曲でシステムの個性と
パフォーマンスの大方の推測が出来てしまうのだが…。

「あっ、これきれいだ!!」

常設しているB&W Signature 800(With BRASS SHELL) で何度聴いたか
覚えていないほど聴きなれている曲だが、SX-L9がこともなげに提示
した弦楽のスムーズさと解像度の素晴らしさ、トライアングルの微妙
な質感までもが、三倍の価格もするSignature 800に肉薄しているのだ。

歪み感の少なさとは聴きやすさとイコールではあるのだが、これは楽音
の定位感、奥行き感、空間表現などの各項目においても同列で比較評価
できるポイントである。それがなんとも平然と歌い出したことに驚きを
禁じえなかった。

続く15トラック目の「お茶(中国の踊り)」では、ファゴットの独特の
リズムが繰り返される空間が広さを見せ付けて、ややもするとギラギラ
としてしまうフルートのフォルテが爽快に空間を走り抜ける。気分爽快だ。

さあ、16トラック「トレパーク(ロシアの踊り)」だ。ここではちょっと
ボリュームを大きめに設定している。打楽器と弦楽器の両者をハイパワー
で鳴らして、そこに混濁する様子があるかどうかを見極めたいがためで
ある。どうだろうか…。

「えっ、なんでこんなに整然と分離しているの!?」

と、驚きの心中を顔に出さないようにするのだが、この発見には自分
でもラッキーと叫びたいくらいの掘り出し物という印象が先行する。
うねるような弦楽器のアルコとパーカッションの連打が空気を揺さぶる
ほどのパワー感がありながらストレスはいっこうに感じないのである。
こんなタイプの質感は聴いたことがないぞ!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

意地悪な実験も忘れてはいなかった。この価格帯のスピーカー、かつ
ウーファーの能力を考えれば、この曲のハイパワードライブはかなり
きついはずである。その選曲とはFourplayの「The Best Of fourplay」
(WPCR1214) の5トラックめの「chant」でのHarvey Masonの強烈なフロ
アータムの連打である。

生半可なスピーカーでは破綻してしまうこの20秒間の打撃音がどう
再生されるのか…、わざとボリュームを大きめにしてスタートを待つ。

「えっ、これでも…、ええ~い、これでもか!!」

と、実は私は三回以上ボリュームを徐々に上げながら20秒間をリピート
させていくのだが、まったく破綻しないのである。それどころか38センチ
ウーファーに勝るとも劣らない音圧に圧倒され、この大きさ、この価格
ということを忘れてしまうような許容入力の大きさなのである。
これ以上入れるとアンプかスピーカーのどちらかを破損するのでは
ないか…、という恐怖に負けてボリュームを絞ったのだが、これは凄い!!

価格も重量も数倍する海外のスピーカーたちのパフォーマンスに柔軟性と
剛性という質感の両極において肩を並べるだけの能力があるということを
イヤと言うほど見せ付けられてしまった。脱帽である。

上記のwebでハードウェアとしての特徴が表記されているが、どの項目が
この音を作り出したのか、という一点だけの要素がスピーカーの音質を
決定するわけではない。設計者の技術力と執念と、そして音楽を愛する
気持ちが総合的に作品としての音質を決定するものだろう。

蛇足であるが、開発してきたビクターの技術陣が日頃試聴している環境、
コンポーネント、ケーブル、そのどれをとってもここH.A.L.には及びも
つかないものです…、とビクターの開発担当者はおっしゃるが、彼らが
自分たちで作り上げたスピーカーにこのような可能性があったというこ
とを、初めてここで体験されたようである。

こんな目の付け所は、私も長らくハイエンド・オーディオを扱ってきた
中でも異例のものと言えるだろう。しかし、良いものは良いという原理
原則に忠実に行動することも必要なことなのである。さあ、次なる企画
を私がどのように推進していくか。ハルズサークルの皆様には続報とし
て国内初の試みをご紹介して参ります。


Vol.2「H.A.L.'s audition計画!! この企画の役者は三人です。それは!?」

昨日ご紹介した456(W)×125(H)×430(D)というコンパクトさ、重量も22キロ
発熱はほとんど皆無という国産ハイエンドアンプ SONY TA-DR1 100万円

同じく新開発のメカを搭載したESOTERIC X-01 125万円

そして、本日のVictor SX-L9 ペア120万円 です。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

国産であるという共通項はあっても、各々をじっくりと高いレベルで
試聴したのは私だけであり、各社ともに相互の商品に関しては経験的
試聴はしていない、いや、当然のことながらできないものであった。

そして、私は個々に三者を試聴し、そこに大きな可能性を感じている。
であれば、どうしたらよいのか!!

正式発売前の、これら三モデルを実際にここH.A.L.に集結させて、私の
推測が正しいかどうかをテストしてみるしかないだろう!!

日本人が生み出したコンポーネントもバブルの時代のように重厚長大という
時代は終わったのである。

音楽再生のために必要と思われたボディーの大きさでありH.A.L.で認定
されたスピーカーを使用し、たった一台のボディーで素晴らしいパフォー
マンスを発揮する使用方法もシンプルなデジタルアンプをチョイスして、
日本のお家芸である高精度な機械技術によってメカニズムの威力を音とし
て表現しているSACDプレーヤーをフロントに配置する。

この音楽を鑑賞するという目的に特化した必要最小限のハイエンドシステム
が、日本人の手によって開発され日本の価格で入手できるという幸運である。

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          ESOTERIC X-01 & SONY TA-DR1 & Victor SX-L9

このジョイントコンサートをここH.A.L.で開催したいと思います。
私は、もういてもたってもいられないので、なるべく早くMade in Japanの
トリオの演奏を聴きたくて仕方ありません。そして、それが実現するので
あればH.A.L.のレギュラーとして展示しているコンポーネントを全部かた
してH.A.L.始まって以来初の試みとなるオール国産での演奏を国内初の
試みとして実現したいと思います。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

国内初、いや世界初の期待の三者の共演です。ハルズサークルの皆様を
ご招待すべく現在日程を検討中です。当然ハルズサークルの皆様には
メールマガジンでお知らせいたしますので、どうぞこの機会にご入会下さい。


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253-5555 FAX:(03)3253-5556
E-mail:kawamata@dynamicaudio.jp
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