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H.A.L.担当 川又利明


No.146  「聴きました!!GOLDMUND“Millennium Amplifier”しかし…!?」
 昨日搬入したGOLDMUND“Millennium Amplifier”とKRELL LAT-1 Silverで ペアリングしました。まずはその画像からご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/pho/010514/mil_lat1s.jpg

 5/14の夕方。待ちに待ったMillenniumが搬入されてきた。画像では従来から ある同社のMIMESIS RACKに乗せているが、正式にはEVOLUTIONのような カーボン製かメタクリレート製かの専用ベースが付属することになるという。

 さて、ここで受け入れた時点のシステムとしては、P-0sからNo.30.6Lそして メタルコニサー4.0からMillenniumへ、そしてスピーカーはLAT-1 Silverとした。 その第一声は…、ダメです。全然ゴールドムンドらしさがありません…。
原因は二つ…、パワーアンプのバーンインが出来ていないこと、そしてフロント エンドのコンポーネントがミスマッチであること。 私の経験からしても後者の理由の方が大きな要因であろうと思われる。

 以前にも述べたことがあるが、ゴールドムンドは血統を重んじるブランドである。 一聴して私の感覚が告げたことは、マークレビンソンのD/A コンバーターとの 相性がまったくダメということであった。聴いていると不愉快になってくるので もう初日の試聴は諦めてステラヴォックスジャパンに電話をした。
「これじゃダメですよ〜、いくら時間をかけてもこの状態じゃ聴くに値しない ですよ。何とかなりませんか、何とか…」と苦言を呈したのだが、それは彼らの 苦境を知っていてのことであった。当然フロントエンドにも同社のトップモデル 具体的にはMIMESIS 20 / 22の両者が欲しいのだが、何と半年間も入荷が途絶えて いるという状況なのである。でも、せめてGOLDMUND一族と認められるコンポーネ ントがなければ、1.300万円もするパワーアンプの評価など出来やしない。
 このような実態を知らず、他者のコンポーネントを使用しての雑誌の記事が出た としても、私は絶対に信用しないだろう。ということで、PADのシステムエンハ ンサーをリピートして一晩のウォームアップをかけてこの日は帰宅したのである。

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 さて、約20時間のウォームアップを終えて、翌日の朝ヨーヨー・マのシンプリー バロックを最初にかけてみた。「うん、昨日よりは良くなったね…」と朝一番の 選曲と見晴らしが良くなった音場感の展開にアンプのバーンインが進んできたこ とが実感された。この日は早くも複数のお客様が来店され、このMillennium Amp とLAT-1の試聴に時間を使って頂いた。

 しかし、私が納得していない状態で試聴して頂いた渋谷区のAA様には本当に申し 訳ない思いである。そして、午後も半ばになってからステラヴォックスジャパンの 西川社長がMIMESIS 21/27を持ち込んで下さった。私が記憶しているGOLDMUNDの 最高の音には満たないが、それでも同じ血を持ったコンポーネントで再び試聴でき るのはありがたかった。メタルコニサー4.0はそのままで、まずD/A のMIMESIS 21 のみを使用してNo.30.6Lとの比較を行う。「おぉー、これですよ、これ!!」私が 感じていたストレスが半減して、パッと音場感が広がっていく。不思議だ…。
だってNo.30.6Lだって、ふさわしいシステム構成の中では素晴らしい演奏を聴かせて くれるのに、今回の場合にはまったく色あせてしまうのだ。やっぱり…という私の 推測が見事に的中して同じスピーカーとは思えない質感の変化が表れたのである。

 そして、ちょうどその場に居合わせたのが名古屋にお住まいのTI様である。 今までの演奏でも私にはとても素晴らしかった…と喜んでくださったのだが、 「本当のおいしさ」を知っている私からすれば、まだまだこの先を知って欲しいと いう思いもあり、次の段階としてプリアンプもMIMESIS 27に切り替えたのである。 以前からLAT-1のテストに使用しているフォー・プレイの「CHANT」でのドラムを 繰り返し聞きながら、徐々にGOLDMUNDの血統に純化していく変化を聴いて頂く。 「確かに違いますね〜、私のような者だと最初から素晴らしいと思ってばかりで したが、このように比較していくと川又さんの言わんとしていることがわかって きましたよ!!」…ありがとうございます。
そうなんです!! これがGOLDMUNDの音なんです!!
 この状況は血筋が一致したというところまでは良かったのだが、いかんせんまだ ウォームアップが出来ていない。二日目にしてまだまだ本領を発揮していないが 前日同様にシステムエンハンサーをリピートして最終日への期待を胸に帰宅した。

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 さあ、Millennium Amp第一ラウンドの最終日、朝から雨でいやな天気だが、 当フロアーのエアコンを止めてじっくりと試聴するには涼しくてちょうどいい。 Millennium Ampの通電を始めてから60時間以上たっただろうか…。
 この日も最初の選曲はYO-YO MA 「SIMPRY BAROQUE」(SONY SRCR2360)からだ。 一曲目をスタートした直後に…「おぉー、こりゃなんだ!?」と内心では感激と 意外性の雄たけびが上がる。三日前から集中して取り組んできた同じアンプ とは思えない変わりようである。もちろんシステム構成はP-0sを除いてすべて GOLDMUND、しかもミドルクラスのD/Aとプリアンプを使用しているにもかかわ らず…、なのである。当然LAT-1もフロントバッフルが存在しているので音場 感としてはそれなりの展開になるのだが、今まで体験してきたLAT-1とはこの 音場感がまったく異なるのである。どういうことかというと、遠近感の再現性 が素晴らしく、本当にスピーカーの周辺と後方に余韻を拡散しながらエコーの 飛散と消滅が伸びやかに再現されているのである。「うそでしょう〜!!」と 私は昨日の同じシステムとは思えない変貌に呆れてしまうばかりであった。

“Millennium Amplifier”の存在…、それしかない…!!

 次はヴォーカル、大貫妙子の「アトラクシオン」(東芝TOCT24064)の5曲目、 おなじみの「四季」をかける。まぁーなんというエコーの滞空時間の長い ことか!! 彼女の口元はLAT-1のど真ん中にぽーんと浮かんでいるのだが、 その芯というか核というかフォーカスの合い方が物凄い。
 そして、それほどフォーカス・イメージを強烈に聴く人に感じさせるのか というのが、彼女の口からほとばしり出たエコーが空間にちりばめられて いく様子が手にとるようにわかってしまうからである。
 そのひとつの証拠はサビの部分で鳴らされるクラヴィスのエコーである。 思わずストップウォッチで誰でもが測れるほどに尾を引いて後方に消えて いくエコーはこれまでに前例がないのだ。「こんな音が入っていたんだ…、 じゃあ、なんで同じスピーカーを聴いてきたのに気が付かなかったのか…」 と自問自答しても応えは簡単である。

“Millennium Amplifier”の存在…、それしかない…!!

 いやはや、時間が惜しい…、今日までしか聞けないとは…。ということで数十秒 で色々なことがわかるFOURPLAYのベストアルバム(ワーナーWPCR-1214)から昨日 もテストに使った5曲めの「CHANT」をかけてみた。すると…ま、ま、まさか…。 エコー感の正確さ、そして深さを感じて余韻の美しさに翻弄されたあとは何と アタックの強烈さと、そのはちきれんばかりにテンションをひきしぼったドラム が叩き出されてきたではないか!! 「おいおい、想像力がついていかないとは このことかよ〜」と内心では何回目かも忘れてしまうほどの驚きが湧き起こる。 リー・リトナーのギターはこんなにピックがはじけていたんた゛、ハービー・ メイソンのシンパルワークってこんなにうまかったの…、ネイサン・イースト のベースはなんで重いのにスイングするの…、ボブ・ジェイムスのエレピは 今までこんなに澄んだ音色だったっけ…。
 いつもなら最後まで聴いていない「CHANT」なのに、ついに最後まで“ちゃんと” 聴き終えてしまった!! だって、うるさくない…、気持ちいい、迫力がすごい…、 ポップミュージックは刺激を楽しむ音楽だなんて誰が言ったの?? どうして??

“Millennium Amplifier”の存在…、それしかない…!!

 すみませ〜ん、このままディスクごとのインプレッションを書き続けていると 止まらなくなってしまいます。随筆としてまとめられる時間が以前のように あったらいいのですが…、それにディスプレーで読まれている皆様もあまり 長くなってはつらいでしょうし…。ちょっと一息入れてスピーカーを換えましょう。

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 さて、スピーカーをN801に切り替えて、営業中であるにもかかわらずPADの システム・エンハンサーを使わなければ試聴にならない…「ピー、シャー、 ズー」と奇妙な音を74分間聴き続ける。この間に来店された方はお二人…。 不思議そうな顔をしていらっしゃいましたっけ…。ごめんなさいm(__)m

 ということで、スピーカーが変わってさっとおさらいをするために、前述の ディスクを聴き直す。「えっ、えっ、なんで…」というのはいきなりの感想。 YO-YO MAをかけた瞬間から、その奥行き感の深さに圧倒される。別にLAT-1 との比較論争をするつもりもないし、良識ある皆様は両者の個性をちゃんと ご理解頂いているものと言う前提で申し上げるが、N801の後方になんとも 優雅に立ち上るアムステルダム・バロック・オーケストラの美しさは何と 例えたらよいのでしょうか。一音一音の楽音にきっちりと制動がかかり、 各々のポジションを明確に空間に定位させるというパワーアンプの基本的な 仕事が完璧になされると、何と視野が広くなることでしょうか。まずは、 今までに体験したことのないN801のまったく新しい可能性が目の前に開かれた ことに驚いてしまいました。そして、うれしくなってしまったのです。

“Millennium Amplifier”の存在…、それしかない…!!

 大貫妙子の「アトラクシオン」の「四季」では、先程と好対照な展開になった。 LAT-1ではスタジオでの歌録りで整理されたフォーカスの見事さが印象に残った わけだが、おいおい、今度は彼女はステージで歌っているかのようじゃないで すか…。つまりヴォーカルのフォーカスが出現する場所、空間に占める三次元 的な位置というか距離感というか、とにかくLAT-1よりも向こうの方に浮かび あがる口元がなんとも魅力的なのである。先程はバックのオーケストラの 一音ずつの正確さを印象付けられた根拠として解像度の高さを実感したのだが、 今度はヴォーカルの発したエコーが広がる空間の大きさと口元のコンパクトさ という対比からも感じられるのである。いやはや、すこぶるつきのチャーミ ングさではないか!!

“Millennium Amplifier”の存在…、それしかない…!!

 FOURPLAYの「CHANT」なんですがね、皆さん。これ凄いです。どういう風にか というと、今までのアメリカのアンプでこのドラムを聴くと、重々しさが 優先してドラムヘッドの振動、わななきというか、ヒットした瞬間よりも 重量感のある余韻に心引かれる局面もあったわけです。しかし、しかし… その印象があったN801でしたが、なんとパシッとアイロンがかかったように ドラムのインパクトがわかってしまうんです。でも、LAT-1とは明らかに 個性として違っているんですが、その個性を何でこうも“いいとこ取り”して 聴かせてくれるのか…?

“Millennium Amplifier”の存在…、それしかない…!!

 オーケストラもきちんと聴きました。REFERENCE RECORDINGS (RR-906CD)の お馴染みの「TUTTI !」の一曲目、リムスキーの「DANCE OF THE TUMBLERS」 をかけた。まぁー、なんと弦楽器が美しいことか…。ハイビジョンで見る 遠近感と解像度が視覚にストレスを感じさせないように、空間に飛散する 余韻と、その音の発生点を正確に再現するということでオーケストラの スケール感を維持しながらホールの空間の広がりを感じさせる“再生音”を 体験できるだろうか。グランカッサの響きが奥のほうからちゃんと定位感 を満足させて迫ってくる迫力は奇妙な快感を催してしまうのはなぜでしょう。

“Millennium Amplifier”の存在…、それしかない…!!

 ここで対極的なヴォーカルを選択してみた。フィリッパ・ジョルダーノ (WPCS-10430)の一曲目「清らかな女神」が最初の選曲である。恐らくは コントラバスのピッチカートをサンプリングしてデフォルメしたのであろう 重厚な低域が押し寄せる中で、う〜ん、視覚的推測で距離感を20メートル 程度と例えられるようにフィリッパの歌声がN801の頭上から更に奥まって 響いてくる。この重低音と澄み切ったヴォーカルの対比はプロデューサー のセンスが光るものだろう。やっぱりそうですよ、このアンプはサウンド ステージを表現することに本来の使命があるんでしょう、きっと!!

 そして、対照的なヴォーカルというのは何とMISIA(ミーシャ)もここでは 演奏したりするんです。彼女のマキシ・シングルでEVERYTHINGを聴いたの ですが、フィリッパとは違って視覚的推測で距離感を2メートルと、オン マイクでとられたヴォーカルは唇の隙間から吐き出される息使いを、これ でもかというほど聴き手に見せてくれるのです。しかし、しかしですよ。 ストレスフリーで聴かせてくれるミーシャのヴォーカルは何とも心地よく 声量の豊かさを伝えてくるのです。

 さあ、この両者のヴォーカルを聴いて改めて思ったこと。それはアンプの 仕事はスピーカーにエネルギーを送り込むことだけではないということでした。 そうです、スピーカーをコントロールするという実感が演奏に表れてこそ その優秀さを評価できるものでしょう。そして、コントロールされた結果は どうなるかというと…、さわやかに、スムーズに、柔と剛の対比が鮮明に、 そして演奏されている空間を目の前に再構成してくれるということなんです。

“Millennium Amplifier”の存在…、それしかない…!!

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 何だか、言葉を節約しなければと思っていても、ついつい皆様にお伝えしたい という感激が沸き起こってしまうと口数が多くなってしまったみたいです。

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 今、私は昨日来店された渋谷区のAA様から質問された言葉を思い出しています。
「川又さん、これ1.300万円の価値があると思いますか?」
私は「う〜ん…?」と前述のようなコンディションにおいて、昨日の私は何ら 発する言葉の根拠を見出していませんでしたが、今日は違いますよ〜!!

「あります、このMillennium Ampは!!」

 そして、私はここで価格対比という考え方はしていません。つまり「あのアンプ の何倍の価格だからパフォーマンスも何倍にならなくちゃ…」ということでは ないのです。他のアンプでは出来ないことを実現するために、結果的にかかった コストがMillenniumの価格になったということなんです。このアンプの価値観 を正確に知った上でお求め頂きたいものであり、そして、それをきちんと実演 できるセンスのショップの存在が必要なのではないでしょうか…。

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 次回は週末にしかご来店になれない皆様もフォローする意味で、今回よりは 長い滞在期間でこのMillennium Ampをご紹介したいと思っています。
 来月のReviewでお知らせいたしますので、どうぞお見逃しなく!!
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担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
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