《HAL's Monitor Report》


No.0226 - 2004/6/21

東京都 R M 様より


モニター製品:eighth nerve RC

こんばんは、Mです。お世話になっております。

本日、eighth nerve RCが届きました。昨日、シーエスフィールドさんに配送
日時のご連絡を差し上げたところだったので、あまりの迅速さにちょっと驚
きました。シーエスフィールド様、どうもありがとうございました。

実は届くまでにもう少し時間がかかるかと思っていたので今週末に設置して
ゆっくりと試聴しようかと思ったのですが、会社から帰ってきたら既に届い
ていたため、週末まで我慢することができず早速取り付けて試聴した次第です。

今回オーダーしたのはルームパック1セットで、事前にどこに取り付けるかを
大体決めていたので、設置自体は20分ほどで終了しました。

ただ、シームRC1個のみ、取り付け場所がコンクリートで付属のピンが刺さら
ないために今日のところは取り付けておりません。

これは週末にでもマジックテープを調達して取り付けようと思います。

とは言えセットのうち9個は取り付けましたので、評価をするには十分では
ないかと考えて試聴を開始しました。

ちなみに次の写真はリスニングルームへの取り付け状況と、エコーRC、シームRC、
コーナーRCの拡大写真です。

http://dynamicaudio.jp/file/040616/148e5897.jpg

1番目の写真がリスニングルーム(リビング兼用)の全景ですが、広さは
6畳ほどです。

http://dynamicaudio.jp/file/040616/148e59d7.jpg

http://dynamicaudio.jp/file/040616/148e5af0.jpg

ただ手前に写っているソファー(派手なカバーがかかっています)のさらに手前に
13畳ほどの変形スペースのキッチン&ダイニングがあります。

SPからリスニングポイント(ソファー)までは2m強なのでいわゆるニアフィール
ド・リスニングなのですが、リスニングポイントの後ろに13畳の横長方形のスペ
ースがあるため、リスニングポイントから後ろでは音が一気に拡散することになり
ます。(わかりやすく言うと凸型の部屋の先っぽの部分が写真に写っているとお考
え下さい。ただ正確には横長方形のスペースは方形ではなく、凸の右下の部分が
1/4円のカーブを描く壁となっているので、実は音響的にはかなりややこしい
スペースです。)


そのため、リスニングポイント後方のスペースにはeight nerve RCは設置せず、リス
ニングポイント前方のスペースのみに対策を施しました。写真には8つみ写っていま
すが、左手前上部に吊り天井があり、そのコーナーにコーナーRCが1つ設置してあり
ますので、計9個の設置となります。

次にシステムですが、今回はあくまでeight nerve RCの効果が焦点だと思う(システ
ムの音自体が焦点ではない)ので簡単な紹介にとどめます。

CDT Esoteric UX-1(DVDP兼用)
DAC   Chord DAC64
AMP  JeffRowland Concentra2
SP    SonusFaber ElectaAmator2

設置スペースの問題もあり、システム的にはコンパクトにまとめています。
ちなみにSPはかなり内振りで設置しています。試聴ポイントの1.2mくらい前方で
音軸がクロスしています。

これはかなり変則的かとは思うのですが、試行錯誤の結果、このセッティングに落ち
着きました。SPから後方に、やや小ぶりではありますが、綺麗に音場が展開します。

さて、ようやく前置きが終わって試聴レポートとなるのですが、正直なところ、期待
はしつつもそれ程の効果はないのではないかと思っていました。

というのも、先ほど説明したように我が家の環境はニアフィールド・リスニングであ
り、かつマンションなので上下階への遠慮もあり、普段はそれ程大きな音量では聴き
ません。

コンセントラ2のボリュームで40〜53位の範囲ですから、皆さんに比べるとかな
り小さな音しか出していないと思います。部屋の特殊な形状故に低音がこもるという
こともなく(むしろ足りないくらいで)、一番問題なのはSPの間に設置してある36
インチのTVくらいかなと思っていました。
いちおうタオルを掛けて1次反射を抑えてはいますが...。

そう言うわけで取り急ぎ設置はしたものの、それ程大きな期待は抱いてはいなかった
わけです。もちろん音量を上げればそれなりの効果はあるとは思いますが、普段の音
量だと認識できるほどの効果はないのではないかと思っていました。

ところが...。

まずは私のリファレンスであるキース・ジャレット「Standards Live」をいつもの
ボリュームで聴き始めたところ、「あれっ」と思いました。

「何かいつもより音が小さくない?」というのが第一印象です。

さらによく聴くと、音の響きというか、間接音がいつもよりあっさりしているように
感じます。

キースのピアノも、ゲイリー・ピーコックのベースも、ジャック・デジョネットの
ドラムも、その存在感自体はいつもとさほど変わらないように思うのですが、音場
感と音量感?が違うのです。

そこで、いつもと同じような音量に聞こえるようにボリュームを上げてみました。
ボリューム数値で言うと2dbです。

そうすると、何が起こっているのかがハッキリとわかりました。

要するに、余分な響きが整理されてサウンド・ステージがクリアになったわけです。
でもちゃんと間接音は聞こえます。ただその間接音というのはCDにそもそも入って
いる間接音なわけです。

故に、個々の楽器の存在感が以前よりも明確になり(定位も向上し)、音はクリア
になり、それでもってECMレーベル特有の音の響きが(たぶん以前よりも)正確に
再現されているのだと思います。

言いかえると、いくらニアフィールド・リスニングで小さな音で聴いているとは
言え、ルームアコースティックの影響はかなり受けていたわけですね。
ただ、私が認識していなかっただけで...。

さらに、スメタナ四重奏団とヨゼフ・スークによる「モーツァルト・弦楽五重奏」、
ジャシンサ「ラッシュ・ライフ」、ダイアナ・クラール「オール・フォア・ユー」
から何曲かピックアップして聴いてみましたが、先ほどの印象がさらに裏付けら
れたという感じです。余計な響きが無くなった分、楽器あるいはボーカル自体の
音の実体感が増した感じです。弦の擦過音もリアルに聞こえてきます。

これは今週末が楽しみです。なにせ聴き直したいCDは山のようにあるのですから。

モニター価格で**万円弱という低価格。ヽ(^0^)ノ

一見すると、家庭科の課題で作ったクッションのようなチープ、ではなくて、
素朴で飾り気のない外観。(^^ゞ

これらがここまでの効果を発揮するとは正直思ってもみませんでした。
価格と外観で判断してはだめですね。侮れません。

と言うことで、私の試聴環境では効果は◎でした。価格を考えれば、モニター価格
ではなくても十分に価値はあると思います。

特に私のようにニアフィールド・リスニングをされている方にはお薦めかもしれ
ませんね。

川又様、シーエスフィールド様、このような企画を実現していただきどうもありが
とうございました。心より感謝したいと思います。

お約束の試聴レポートですが、もう少し時間をかけて聴いてからにしようかとも
思ったのですが、予想外に効果があったのでうれしくなってレポートを書きました。
とりとめのない文章で恐縮ですが、何卒ご容赦下さい。

この度の企画、どうもありがとうございました。また機会がありましたら参加させ
ていただければと思います。それでは失礼いたします。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

M様本当にありがとうございました。ハルズモニターのレポートの本質はここに
ありましたね。実際に使用してみて感動されるからこそ、それを誰かに知らせたく
なってしまうものですね。この企画の第一号の投稿にふさわしい幕開きでした。
他のモニター応募者の皆様のレポートも期待しております。



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