《HAL's Monitor Report》


No.0158 - 2003/1/23

兵庫県加古川市在住  M・I 様より

モニター製品 B&W Signature 805

HAL会員の皆様のようにすばらしいシステムではないので、レポートする
のも恥ずかしいのですがお許しください。

S805が我が家に滞在していたのは、わずか6日間でしたので、十分試聴出
来たはいえないのですが、この間、S805はその潜在能力の高さは確認する
ことができ、その実力を垣間見ることができました。

なかなか面白いスピーカーです。セッティングや使用機器がよくなれば
よくなるほど、どんどん音がよくなると思えるからです。
いわゆるやりがいのあるスピーカーです。末永く使えるでしょう。

● 試聴システム概要

CDP	: Wadia16
プリ	: なし 経済的な理由で導入できていないだけです ^_^;
パワー	: AyreV3
ケーブル: CDP→パワー PADミズノセイ
	  パワー→SP PADミズノセイ
	  AC PADすべてイスタル

● 困ったこと スタンドがない!
S805が到着して、まず困ったことはスタンドがないことでした。
普段使用しているティール(C.S-3.5)はトールボーイですから、うちに
はスタンドがありません。どうしたものか・・・。困った末、仕方なく
ティールの上に乗せて聞くことになりました。試聴環境としては、
はっきりいって最悪です。でも、床にベタ置きするわけにはいかないし。

● 試聴の目的
私のリスニング環境は、7.5畳しかありません。そこに36型のテレビ
まであるものですから、環境はこれまた最悪です。こんな状態でオー
ディオ出来るのかなって感じですが、だからこそ、まあ、小型スピーカー
をうまく料理できればそれなりになるのではなかいと思っているんです。

そこでモニターをして確認したかったことは、
1.低音の状態
S805は、実はダイナ5555で一度試聴したことがあったのですが、
このときの印象は空気感というか空間表現力はよいが、低音に
余裕がないなという印象でした。ダイナ5555の3Fと我が家では
エアボリュームがぜんぜん違いますから、モニターで確認して
みたいところです。

2.高音の質感
私はN805の高音は、嫌いです。無機質というかなんとなく肌に
合わないからです。N805は、なんとなく聞いていて疲れるんで
すよね。

3.今のところ、スピーカーの間にテレビを置かざるを得ないが、S805
が演出する空気感、音場感にどのような影響を与えるのか。
の3点と考えていました。

●結果
試聴に使ったソース
アムステルダムバロック管弦楽団	バッハ チェンバロ協奏曲
トン・コープマン	バッハ	オルガン曲集
ケイコ・リー	ヴォイセズ
その他、交響曲やJ-POPもの。

S805の低音は、豊かというにではなく、輪郭を描くという感じなので、
オーケストラやオルガンの低音の量感を表現するとちょっと苦しいと感じ
ましたが、ドラムやベースギターの低音は、スピード感のあるものが楽し
めます。これらの表現に関しては、大型スピーカーやトールボーイ型の
それらとは違うよさがあります。もちろん強力なパワーアンプを使って
大型のものなどをきちんと駆動すれば同じような結果が得られるのでしょ
うが、投資する金額は大きな違いがあります。私にとってここら辺は無視
できないものですし、7.5畳というリスニング環境では、納得できるレベ
ルだと思います。HAL会員の中でも、必ずしも恵まれた環境を手に入れら
れない方も多いと思います。近所に遠慮しながらという方も多いでしょう。
このスピーカーはそんな方にはもってこいではないでしょうか。

特質すべき澄んだ高音、しっくりと楽しめ表現力のある中音は、さまざま
なソースを楽しませてくれる表現力があり、音がエンクロージャーから
スパッスパッと離れる様が目で見えるような感覚はすばらしいものです。
私は、N805とはまったく別物と思いました。また、同じような予算で購入
出来るトールボーイとも違った魅力があるとも感じました。

スピーカーの間にテレビを置かなければいけないつらい環境でも、広い
音場感、よく言われるスピーカーの存在が消える状態になれるという可能
性が極めて高いことも確認出来ました。S/N比がとても優れているので
しょう。

質のよいスタンドを用意し、きちんとセッティングし、ケーブルや機器
のグレードを上げれば上げた分だけこのスピーカーは答えてくれると思い
ます。

●最後に
短い間でしたが、このような機会を与えてくださった川又店長に大変
感謝しております。お店で試聴するものと、自宅でするものでは大きな
違いがあり、(私にとっては)高額なものを購入する割にはリスクが高い
ことが今まで悩みの種でした。今回、モニターすることにより、インテ
リアとのバランスも含めて確認できたことは非常に有益だったと思います。
予算的にもあともう少し何とかなりますので、近いうちにオーダーしたい
と考えています。

ありがとうございました。



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