《HAL's Monitor Report》


No.0155 - 2003/1/17

東京都世田谷区在住 O・T 様より


モニター製品 ESOTERIC D-70

今回のモニターを通じて、現在所有するP70のスペックをフル稼働する
ことができ、新たにP70の魅力に気が付きました。

自分としては、176.4出しのアップサンプリングでの音の変化よりも、
ワードシンクを使用した時の変化の方が驚き度が高く、より自分の好きな
音に近づく方向性を感じました。

ワードシンクを使用し、ワード信号の周波数設定を88.2にすると、
フォーカスがピタリあう感じ、奥行きが見通せる感じと言うのでしょうか。
急に空気が綺麗になるような印象を持ちました。

正直、期待した176.4AES2本出しはソースを選ぶ傾向にあるようでした。
録音のいい最近のディスクには抜群の効果がありますが、特に古いピアノ
の録音等は違和感を覚えました。何だか、モノクロで見ていた映画をカラ
ーで見せられてる感覚とでもいうのでしょうか。

現在、私はレビンソンの360SLを使用しております。
このDACだと、P70のワードシンク受けもDUALAESも
いわば宝の持ち腐れ状態です。

(今回の応募はこの二つをフル稼働させることが一番のねらいでした!)
しかし、P70で88.2にアップサンプリングした同じ土俵では
どんなにD70のデジタルフィルターを変えても、レビンソンに軍配が上がり
ました。(これは私の音の趣味上の問題だと思います)

確かに、D70のDUALAESはものすごく解像度が高くなり、情報量が増え、一聴
したところ、ドキッとするような音が出てきます。それに快感を覚えてしば
らく聴いているのですが、そのうちに何だか、音楽が置いていかれるような
感覚がしてくるのです。

それと全てが白日の下に晒される感覚というのでしょうか。
正しい言葉の使い方か分かりませんが、TVの画面や映画で見ると奥深さを
感じる魅力的な女優が突然町で見かけたときに実は普通のおばさんだった
という戸惑いの感覚と似ているかもしれません。
(ちょっと、意味不明ですね。スイマセン)

その点、解像度では明らかに劣るレビンソンの方が自分にとって音楽的に
聞こえるという点では趣味深い結果でした。

ただこのまま、レビンソンに軍配!というのでは川又様にもお借りした
ティアック様にも失礼かと思い(よく考えれば、値段差2倍ですから、D70
は大健闘だと思います!)ひとつ実験してみることにしました。

それはP70とD70のワード信号を同期させP70の88.2デジタル信号を360SL
に入れてみるというものです。果たして結果はどうか・・・・・・

「やっぱり出たか・・・・」

ピアノの音を聴いた時に感じた違和感がありませんでした。
つまり、レビンソンの大人モードの音楽性を保ちながらワードシンクの
効果=空気のよさがズバッと出てしまったのです。
モニター期間の残り5日間は、たまにD70の音を楽しみながらも結局は
3台の機器を繋げて、音楽を楽しみました。

以上、簡単ではございますがレポートさせていただきました。
(すいません、この程度しか書けませんでした。)
川又様、ティアック様こころよくお貸しいただき、ありがとうございました。

蛇足ながら、ワードシンクの効果を知ってしまったということで、
今春に発売のESOTERIC のMaster Clock Generatorには大変期待しております。
また、その節には御世話になるかもしれませんので、よろしくお願いします。


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