《HAL's Monitor Report》


No.0129 - 2002/9/13

埼玉県川口市在住 LUX FAN様より


モニター対象製品 SAP RELAXA2PLUS

名前からしてHALメンバーの川又ファンには挑戦的ととられかねなし、評価
した人間がどの様な背景を持つ人間かは、プロでさえ同じ音を聞いてもまったく
違った感想になることもあるこの世界ですから、簡単に述べておきます。

とはいえ、興味ない人は【RELAXA2PLUSの感想】の所から読み始めて下さい。

オーディオ歴は20年ほど、ダイナミックオーディオとは15年ほど、川又さん
とはお目にかかったことはありませんが、メールでは2年ほどになります。

聴くジャンルはクラシック中心でポピュラーも聞きますが、システムはボーカル
又は小編成の楽器演奏用に調整してありますので、オーケストラは聞きません。

マルチチャンネルも聴きますが、システムをAV用に調整してあり、SACDやDVD-A
のマルチチャンネルは本格的なハードの出現を待っている状態で現在はAVアンプ
のプリ部分を使ってこれらを再生しています。

ところで、今回のモニター品のテーマになるオーディオ機器の固定について物語
風に書いてみますと次の様になります。

オーディオの「不思議の国」の森に迷い込んではや20年、この森には色々な
作法があります。例えば、スピーカーの間には物を置くな、スピーカーケーブル
は左右同じ長さにするべし、方向は・・ などなど、あまりに厳しいので最近で
はAVという道にそれる者多し。

これらの作法を教える者は多いが、最初に出会ったのがその後長岡教と呼ばれる
ようになる長岡鉄男さんであった。

スピーカー製作においては過去現在通じて世界中で右にでるものいないが、
オーディオ機器の固定についても作法を作られた方であった。

それは「鉛」という道具を使い「これを天板に載せて機器を振動させないように
押さえつけるべし。」と唱えられ多くのオーディオファンがこの教えに従った。

しかし、その中には鉛を載せすぎて機器を壊すものでてきたため、「載せるのは
ほどほどにし、天板の放熱穴を塞がないように」との注意があったそうな。

それ以来、「オーディオ機器はリジッドな台に載せ、機器を振動させないため
天板に重りを載せるべし」が作法のひとつになったそうな。

足元はといえば、「近くのホームセンター」が口癖であった長岡教祖はある雑誌
で究極のスパイクとして「剣山(生け花の花の固定に使う、鉛板に釘が刺さった
ようなもの)」を紹介していたが、その後スパイクは流行したが、剣山ははやら
なかったそうな。

私はといえば、鉛は見てくれが良くないので天板には布をはさんで大理石を
載せ、足元はスパイク、木、ゴムなどを組み合わせては音の変化を楽しむよう
になってしまった。


【RELAXA2PLUSの感想】
従来の考えでは、オーディオ機器は「リジッドな台に載せ、機械を振動させない
ようにすること」が常識でした。

しかし、本機は「磁石で空中に浮かせて周辺からの振動を遮断する」という考え
であり、下からの振動は遮断できても、「空中」という最も不安定な状態、磁気
という部品に影響を与えるかもしれないものを使用していることもあり、
Arrange Order Program が設定されても興味はありませんでした。

その後、皆様メールでご存知のようにモニターしてから判断してくださいとの
悪魔の誘いが、川又さんよりありこのようなことになりました。

以下が、我が家の機器です。

ただし、RELAXA2PLUS にSCD-1(ソニー)を載せて評価しようとしたところ、
SCD-1が浮上せずやむを得ず急遽AVで使用しているシステムでSACD、DVDオー
ディオ、CDを比較してみました。

川又さんはSCD-1を載せることは問題ないとおっしゃっていたので借用した
RELAXA2PLUS個体によるものではないかと思います。

部屋:和室9畳
機器:CD:DV-S747A(パイオニア)→Pre:DSP-A1(ヤマハ)→Pw:メイン;
B-10(ラックスマン)、センター;M-07(ラックスマン)、サラウンド;
DSP-A1(ヤマハ)→SP:メイン;RefarenceModel4(KEF)+PT-R9(パイオ
ニア)、センター・サラウンド;MonitorRD-2(KEF)、YST-SW1000(ヤマハ)

RELAXA2PLUS にDV-S747Aを載せたところ次のような印象でした。

一言でいうと、「周波数の特定の帯域に影響を与えることなく、前後、上下、
左右、特に前後の立体感がでることによって、各音像が立つ。」ように聞こ
えました。

電源やコードを替えることによって、低音が良く出るようになったりという
変化ではなく、どの周波数の帯域にも均等に影響を与え、音場感が改善します。

この結果、小編成の曲では各演奏者がどこにいて何を演奏しているのか、
はっきりとわかるようになります。これは、CD,SCD,DVD-Aという録音方式や
2チャンネル5チャンネルなどのチャンネル数にかかわらず同様の結果でした。

ただし、5チャンネルでは同じ音量でも音が大きくなったように聞こえ、
ソフトによっては響きが強くなるように感じるものもありました。

また、足元にスパイクなどを入れたり、重りを天板に載せると音の変化が
確認できます。当然下からの影響はなくなりますが、載せた機器の振動は
とれないわけですから、色々な工夫をする必要があるなどまた新たなオー
ディオの楽しみが増えますネ。

しかし、下からの振動を取るだけで、本当に大きい変化が確認できます。

見た目もイタリア製だけあってデザインがすばらしい。改善点があるとすれば、
更に磁力を強くしてもらって、もっと色々なオーディオ機器を載せたいですね。

それに、大きさ、板の材質(コーリアン、木材等)のバリーションを検討して
いただいて選択できるようにしていただくとありがたいですね。

ところで、RELAXA2PLUS をどうしたかって。RELAXA2PLUSを返却したために横に
並んでしまったボーカル、バイオリン、そしてピアノ等を何とかしたかったので
1台貰いました。川又店長、株式会社ユキムの皆様には貴重な機会を与えてくだ
さり御申し上げます。

モニターに使ったソフト

1) エルフィン 今井美樹から「elfin」

2) PURE ACOUSTIC 大貫妙子から「突然の贈りもの」

3) メロディ 諏訪内晶子から「チャイコフスキー、なつかしい土地の思い出
   作品42」

4) トッカータとフーガ オルガンサラウンド・イリュージョンより
  「バッハ、トッカータとフーガニ短調BWV.565」-SACD 5.1chan

5) 怒涛万里 鬼太鼓座より「富嶽百景」-DVD A 5.1chan

6) モーツアルト 五嶋みどり、今井信子から「ヴァイオリンとビオラの
   ための協奏交響曲変ホ長調」-SACD5.1chan

7) LIVE 綾戸智絵から「sapporo concert hall kitara」DVD VIDEO



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