《HAL's Monitor Report》


No.0117 - 2002/8/25

東京都武蔵野市在住 T・K 様より


モニター対象製品 JeffRowland  Model 12

店長からmodel 12の到着予定日と伺っていた、その土曜日の午前、
いつもの宅急便のおじさんの声が聞こえた。

以前、愛機のConcentra を点検して頂いた際、大場商事殿からお借り
した、懐かしく重たいジュラルミンケースが2つ、玄関に置かれていた。

判を押すと、おじさんが、「ここに置いておいていい?」と聞くので、
いいですよ、と答える。今度も重いから運びたくないんだろうな、と
考えながら持つと、とんでもなく重い。

カタログスペック上は、Model 12がConcentraに比べ、4kgほど重いが、
調度私の体力の限界線がその間にあるらしい。家の中までケースごと
持ち運ぶ気力がないので、その場でケースを開け、アンプをブロック
ごとに運び込む。

2つのケースから4つのジュラルミンの塊を取り出し、とりあえず
Zoethecus の前に積み上げる。このアンプ、もともと積み上げること
を前提とした設計のようで、足には傷つけないようにゴムのリングで
保護してある。

model 12 はHALでお目にかかるが、こんなに間近でみることはないの
で、いろいろ観察。後方の万力のようなSP端子が非常に印象的。

色気はない。しかし、後で分かるが、このSP端子は良く出来ていて、
Concentra にも交換して欲しいくらい、安心感のある端子である。

今回、送付頂いたものに、説明書がないので、とりあえずJeffのアメリ
カのHPから、PDF ファイルをダウンロードして、概要を把握して接続に
取り掛かる。

しかし、我が家での最大の問題は「置き場所」。

なにしろ、普段は、CD-DAC-AMPだけの構成だから、ラックも 3段である。
Concentraは、今回、プリとして使うので、純粋にmodel12分の増加する。

さて、どこに置くか。SPの前に片CHずつ置くことも考えるが、ここはリビ
ングなので、家族から文句がくるの目に見えている。

仕方がないので、Zoethecus の最上段に積み上げる。といっても、その
まま置いたら、おそらく棚が突き抜けるであろうから、一回り大きな板
を置き、直接支柱により支える形にする。

その上、Zoethecus の棚板を置く。これで、多少はマシな状態かと思うが、
少々心配。また、ケーブルも持ち合わせのアキュフェーズのものを使用する。

C202購入時に付属していたもので、もう10年くらい前のケーブルである。
これほどの来客に、ありあわせのケーキしかだせないような気分で、申し
訳ないが、致し方ない。

我が家の機器構成は以下のとおり。

CD DRIVE:Esoteric P-50s
     ↓
デジタルケーブル:PAD Digital Colossus(BALANCED)
     ↓
DAC:Marants Project-D1
     ↓
INTERCONNECT:ACT 1.2mm 銀線 使用 自作(BALANCED)
     ↓
AMP:Jeff Rowland Concentra
     ↓
SP CABLE:PAD Mizunosei
     ↓
SP:CELESTION A1

コンセント:PAD CRYO-L2
電源ケーブル:CSE-AC250EX & Furutech ロジウムプラグ
ラック:Zoethecus

まずは、SPケーブルをConcentraに接続したまま、いつもの構成で試聴
する。最初は、Verdi。

1.Verdi 序曲・前奏曲集(Abbado指揮、ベルリンフィル) POCG-10071
 より、歌劇「運命の力」序曲

さて、ワクワクしながらModel 12へSPケーブルを接続する。先に述べた
が、このSP端子、非常にがっちりと端子を固定し、強力である。

また、プラスマイナスを一度に固定すること、つまみが大きいことから、
操作性は非常によい。接続完了して、早速聴いてみる。

えっ?うそ。このSPでこんなに音が変わるの?聞き比べなければ分から
ないというような差ではない。おなじオケとは思えないくらいである。

ホールが違うか、オケが違うか、それくらいの激変である。

SPのセッティングを変えたわけではないのに、中央部の密度がずっと濃く
なり、奥行きも深まる。今のSPセッティングは、その密度感の不足を補う
ため、HAL のノーチラスのごとく、かなり内向きにセッティングしている。

しかし、その必要がないくらいである。そこで、早速、SPのセッティング
を修正。軽く内向きになる程度にして、再度聴く。いいですねぇ。

これまで真中集中だっただがふわ〜と広がりながらも、真ん中が薄くなら
ずにステージが再現されている。また、そういう空気感だけではなく、弦
の音そのものが大変に変わる。生の弦の音というのは、通常は色気があり、
心地よく、フォルテッシモの時には、場合によっては耳に障るほどのとげ
とげしい場合もあるが、自宅のオーディオで、初めてこの耳障りな弦の音
を聞いた。音量はいつもと同じである。

Concentraに比べ、Model 12 は内部ゲインが高いので、Concentraのボリュ
ームは-6で聴いている。それでも、この違い。Model12はありあわせのケー
キにも文句をいうどころか、すばらしい歌声を聞かせてくれた。

そういった感じの出会いであった。これが、曲の出だしの数十秒の部分での
感想である。はっきり言って、Model 12に一目惚れ。いや、一聴惚れか。

曲が進むと、あ、ここは、こういう間の取り方をしているんだ、と、Abbado
の指揮の指示が見えるよう。いつもの聞きなれた曲で、これまで気がつかな
かった「間」を聞き取らせてくれた。

一体、なにが違うとここまで違うのか。これがSPに対する制動力というもの
なのか。単にパワーの差なのか、それとも電源の差異か。細かい理由は分ら
ないが、我が家のオーディオが、アンプだけで数ランク変わった。

2.アリア 佐藤美枝子 VICC-60295
 より、歌劇「椿姫」第一幕より“ああ、そはかの人か”

このCDでは、オケはVerdiに似た変化を聞かせるが、ソプラノは、オケほど
変わらない印象。もちろん、差はあるが、とにかくオケの音の変化が大きす
ぎるので、印象的には変化が少ないと受け止めてしまう。

ほかにもいろいろCDをかけたが、全般に今の状況よりずっとコンサート会場
の雰囲気に近くなる。SPなどの限界か、まだまだ本物そっくりとは言えない
が、音の粒は輝き、エコー感がホールの雰囲気を伝えてくれるのがよくわか
る印象をもった。

ケーブルなど、アクセサリー類の視聴では、どうしても好き嫌いの部分があ
り、ここはいいが、こっちが、ということが多い。そのため、ある程度高価
な品でも、価格差を考えると今でも十分と思ってしまうことが多い。

しかし、今回のModel 12は、非常に高価であるが、Concentra との価格を
十分納得させるだけの音を聞かせてくれた。なにも不満はない(同一メー
カーの上級機ということもあるが)し、また価格差以上の音の差を見せ付け
られてしまった。

資金さえあれば、「店長、1セット発注してください。」と言ってしまった
であろう。
しかし、実は、Concentra のローンが少しだけ残っていたのだ。。。

店長、すみません。でも、感動しました。

また、このような非常に貴重な経験の機会を、私のようなものにまで与えて
くださった川又店長、大場商事の担当者の方に、この場を借りて、お礼申し
上げます。ありがとうございました。



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