《HAL's Monitor Report》


No.0109 - 2002/5/10

愛知県春日井市 Koichi 様 より

モニター対象製品:PAD ISTALU / TANTUS



今回は、ダイナミックオーディオの川又様とシーエスフィールド(株)様
のご好意により、PADインターコネクトケーブルのISTARU及び、TANTUS
の自宅試聴をさせて頂きましたので、その結果をここに報告させて
いただきます。
 
試聴は、自宅の約14畳のリビング兼用の洋間リスニングルームで行
いました。ゴールデンサウンドのアコースティックディスク以外には
ルームアコースティック特に行っておりません。

オーディオの他にはソファーとテーブル、ピアノとCDラックが置いて
あり床はフローリングで中央の一部に絨毯が敷いてある、ごくありふ
れた部屋です。

使用したシステムは、CDプレーヤーがマークレビンソンNo.390SL、 
プリアンプGOLDMUND MM27EVO、パワーアンプGOLDMUN MM28EVO、 
スピーカーはB&W N802 の組み合わせです。

試聴用CDは、ゲルギエフ&キーロフオーケストラ/チャイコフス
キー交響曲5番 PHLIPS−11174から第三楽章、大植英次&ミネソタ
管弦楽団/メフィスト・ワルツ REFERENCE RECORDINGS IDC-6818
からムソルグスキー:はげ山の一夜。
渡辺玲子/バッハTELDEC WPCS−11101より無伴奏ヴァイオリンのた
めのソナタ第一番 の3枚を使用しました。

今回の試聴は、CDPとプリアンプの間でRCA−RCAケーブルを使用し
て行いました。勿論、システムエンハンサーでのバーンインを
行ってからの試聴であることは言うまでもありません。

まずは、ISTARU。あえて結果から言うならば、ケーブルの交換で
「これほど音が変わるものなのか!」と、音を出した瞬間に茫然
自失と言うのが偽わざる感想です。
 
「ゲルギエフ/チャイコフスキー5番」では、スケールが大きく
躍動感に満ちた表現力が魅力でした。特に、トッツィーでの楽器
間のハーモニーに混濁感が無く、まるで一つ一つの楽器まで手に
(耳に?)取るように感じ取れるようです。

空間表現での奥行き間は絶品ではないでしょうか。
ただし、左右のサウンドステージの広がりについては、ややスピー
カー間の中心寄と感じられました。

また、ゆるぎない低域感が素晴らしいですが、締めてくるためか
圧倒的な量感で押してくるタイプではないようでありました。

「大植英次/メフィスト・ワルツ」このCDはデジタル臭さを感じ
させない録音が素晴らしいCDですが、ISTARUはこのCDの美点を
引き出すのにまさしく一役買ったという感じでした。

音の粒子が細かく、まさに音の微粒子が空間に解き放たれて
余韻を作り出し、それが空気感となって漂うようです。

音の当たりが柔らかく、刺激性の無さからなのか、ボリュームの
位置が今までより10%は上がっても聞き疲れがしないのは驚き
でありました。

「渡辺玲子/バッハ」では、バイオリンの放つ倍音のスペクトラ
ムに一点の濁りも感じられず、まさしく音のシャワーに浸ると
言った表現がピタリです。まるでリスニングルームの空気その
ものが入れ替わったような錯覚をしたほどでした。

ただ、ISTARUの音域の中心が中域に有るためなのか、このような
バイオリンのソロでは、音の厚みが出過ぎる嫌いがあるように感
じられました。このあたりは好みの分かれるところではないで
しょうか。
 

次にTANTUSの試聴です。

なんと言ってもISTARUとは約4倍の価格差があります。
いったいどんな音を聞かせてくれるのか?
価格から来る先入観を払いのけながら、期待十分で試聴に望んだの
ですが。結果は・・・。
 
ハッキリ言って、聞かなければ良かったと思っています。
これほどまでに違うとは。

ISUTARUに比べより重心が下がった音を聞かせてくれますが、かと
いって低域だけが強調されるわけでなく、全体にどっしりとした安定
感があるのです。

「大植英次/メフィスト・ワルツよりはげ山の一夜」でのオーケストラ
の咆哮では、あまりのスケール感とサウンドステージの広がりに目から
鱗が100枚ほど落ちてしまいました。

特にTANTUSの素晴らしいところは、ISTARUでも素晴らしいと思った音の
粒子の細かさが、ISTARUに比べ10倍も20倍も細かいと言うこと。

その情報量の多さから、「渡辺玲子/バッハ」でのバイオリンの弦の上
を滑る弓の感触まで伝えてくるのです。使い古された表現かもしれませ
んが、とても同じCDを聞いているとは思えません。

TANTASの放つ圧倒的なダイナミックレンジと広大なサウンドステージ展開。
それでいて、当たりが柔らかく刺激感は皆無です。人によっては、その柔
らかさに不満を覚えることもあるかもしれませんが、私の聞くジャンル
(クラシック。特に交響曲、管弦楽)に於いて、私の知る限り現在最高の
ケーブルではないでしょうか。

この試聴の結果、私は2組のISTARUを手元に置くことを決めました。
それはTANTUSの素晴らしさを十分理解した上でのことです。

やはりこの価格差は大きすぎます。

コストパフォーマンスの観点から見ればISUTARUに軍配を上げざるを得ません。
ISUTARUはあの価格レンジではこれ以上望むべきことの無い最高のケーブルだ
と思います。これからの“彼女”との蜜月が非常に楽しみです。
そしていつかはTANTAS という目標にむかって行きたいと思います。

このようなレポートを書くのは今回が初めてで稚拙な文章でお恥ずかしい限
りです。最後までお付き合いくださった方、本当にありがとうございました。

最後になりましたが、この素晴らしい機会を与えてくださった川又様並びに
シーエスフィールド(株)の皆様に感謝致すと共に、これからも不勉強なな私に
対して厚くご指導くださるようお願い申し上げましてお礼の言葉とさせて
頂きます。この度は本当にありがとうございました。


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