《HAL's Monitor Report》


No.0058 - 2001/03/24

埼玉県川口市在住 KA様

モニター対象製品:z3/R system

 z3/R system が先日到着いたしました。
手配いただきありがとうございました。

 早速セッティングをし、試聴開始、できればレポートもと立ち向かいましたが、どうやらそんなに簡単な相手ではないようです。

 セッティングの変更のため、1時間ばかり機器の電源を落としていたのでウォームアップをかねていわゆるエレクトリック系のソースから聞き始めましたがこの段階で既に音の違いが歴然としていることに驚かされました。

 Stevie Wonder / Key of Life
 曲ごとに、声にいろいろなエフェクトをかけていることは知っていた(感じていた)がそれがうれしくなるほどはっきり伝わってくる。当時話題になったヤマハのシンセ(名称失念)がこんなに‘歌っている’とは思わなかった。

 Janis Joplin / Cheep Thrills から Ball & Chaine
 余り録音がよくない代表として試聴。(リマスターされて、たしかに多少は音がよくなったぐらいの認識でした)ライブ録音の持つ残響感がいい具合にでてくる。この曲の場合、いい具合とはとても熱いということ。アナログではどうなるか、早くも次の課題が浮上。

 Jimmy Scott / Mood Indigo 3〜5
 洗練された(されすぎ?)バックの音と声の対比がより明確になる。枯れた感じ、憂いを帯びて伸びていく感じ等、声の描き分けもおいしい。

 ここまで聞いただけでも、ただごとではないです。セッティングを変えれば音が何がしか変わるのは当然ですがこのように明らかに好ましい方向に変わったのは、アンプをグレードアップした時以来ではないかと内心微笑みながら続いてアコースティック編へ

 Glenn Gould / Bach / Partita
 速いパッセージを超絶技巧ではぎれよく弾く。それでもそこに歌が込められていればゆったりと聞こえてくるもの。いい方向に変わっていることを確信。

 C.Rousset / Rameau
 チェンバロをはじめ古楽器の類はそれほど大きな音がするわけではなくホールの響きを含めていい案配になる、その感じがどう変わるかを確認。いいです。高さ方向への音場の広がりが一段とアップ。しかも自然です。チェンバロの弦をひっかく独特のタッチが直前に聞いたピアノとの対比も含め、よりリアルに感じられるというおまけ付き。

 C.Kleiber / StrausU/ こうもり
 我が家のシステムは小型なので当然ながらオーケストラが苦手。それほど聞かないということもあって、自宅で試聴するの場合も あまり力点をおいていない(おけない)が一応は確認。それでも改善していることが一聴してわかる。コントラバスが一斉に強い音を出した後(音楽用語失念)の残響が心地よくに聞き取れるようになった。歌手の定位も明瞭になる。  特にバックのコーラスたちの雑談の手前に音像がピシッと浮かび上がるところは、生とは違った快感の発見。

 矢野顕子/ Super Folk Song & Home Girl Journey
 演奏はもちろん最高、しかもスタジオの響きの違い、録音の違いもわかりやすいこれらのディスクがどうなるか。気持ちのいい透明なエコー、狭めのスタジオの自然なエコーなどどれも強調されすぎることなく、彼女の音楽もつ細かなニュアンスを楽しませてくれます。

 この後もいろいろ聞きましたが、表現する言語が乏しく同じ言葉の繰り返しになりつつあるので省略いたします。

 ここまでの試聴は、言ってみれば、ただラックにCDとアンプを置いただけの結果です。にもかかわらず、これほどの効果があるとは。 一言で言えば、音楽がゆったり流れるようになったという感覚でしょうか。
 今後、どの段に何を置くか、アナログをどうするかなど、更に調整をすることでまだまだ可能性が広がるはずでとても楽しみです。
 そんなわけで、まともな試聴記を書く環境になるのは当分先になりそうなため変わりにこのような簡単なメモのようなものをお送りします。

 とにかくいいものを手に入れることができました。感謝いたします。
 今後のH.A.L.'s Circle にも期待いたします。
 それでは。


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