《HAL's Monitor Report》


No.0036 - 2000/10/25

神奈川県相模原市在住 AIR 様

モニター対象製品:RK-P0

1.自己紹介

  神奈川県相模原市在住のAIRと申します。

2.現使用システム
(1)主なもの
CDトランスポート/エソテリック P−0
CDプレーヤー /アキュフェーズDP−70V(DACとして使用)
ボリュームBOX/東京光音ATT使用の自作
イコライザー/アキュフェーズDG-28
パワーアンプ/アキュフェーズP−450
スピーカー/故・長岡鉄男氏が設計した通称「モアイ」と呼ばれるもの。バッフル強 化対策を行い、片CHあたり75kgあります。
リスニング・ルーム/マンション2階、約13畳の洋室。AV機器しか置いていない 殺風景な部屋です。どおおおーーしてもホームシアターがやりたくて今年3月にマン ション買ってしまいました。十数年来の夢達成です!つぎの夢は借金を終えること (汗)。

他に、ホームシアターシステムもありますがここではオーディオのみということにし ます。

(2)ケーブル
 システムの特徴としてはケーブル類がほとんど自作でRCAケーブル、ボリュームB OX内部配線、スピーカーケーブル、スピーカー内部配線、パワーアンプ電源ケーブ ルはすべて防振対策を施した自作ケーブルです。銅の素材(秘密)、絶縁、制作方 法、仕上げも含めて全てマイ・オリジナル、市販で電線用として売られている銅線類 は一切使用しなくなってしまいました。数年間に及ぶ(バカとしか言いようがないで すね)試作、試聴の繰り返しで音はケーブルの自己振動による影響が大であると判断 しました。まあ、作っていくうちになんとなく好みの音を出す手法が決まってしま い、現在の制作方法でケーブルは落ち着いてしまったということです(市販のケーブ ルで興味があるのはPADのみですねって買えない買えない、聴くのもコワイ!)。 ディジタル・ケーブルだけは今のところいい案がなくて市販の同軸線にコネクタを付 けて使用しています。そのうちなんとか・・・。

(3)アンプ
 他、アキュフェーズ党のつもりはないのですが過去の経験からオーディオ機器は回路 よりも筐体内部構造で音が造られる要素が大きいと思っています。やはり思いつくの は主に振動に対してですが、パワーアンプについてはトランスが問題、振動・磁束漏 れ少ないトロイダルが良く、音がいいと思っています。加えて筐体の丈夫さを含める と同価格帯でP−450を超えるものは無かったということです。実際、音は他と比 較試聴していないのでどんなもんかわかりません。作りが良ければ使いこなしでなん とかなるもの、と日ごろ思っていますので気にしません。もっと上級機を使ってみた いと思ってはいますが当分先のことでしょう…。

(4)DAC
 70Vも重くて(24kg!)丈夫そうで惹かれて買いました。P−0のおかげでトラ ンスポートは引退(約9年間ご苦労様でした)、DACもいつかはメインからはずさ れるかと思いますがホームシアターのセンターORリア用として生き残らせます。 D−0はいつ出るんでしょう?

(5)スピーカー
 スピーカーは自作が3作目で他に市販のもの2機種使ってきました。いまのスピー カーは構想6ヶ月、製作4ヶ月かかりました。「ユニットから放出される音だけを聴 きたい、エンクロージャーの共振音は聴きたくない。」という思いに至り主にバッフ ルの強化・重量増加を施しました。その効果は音にはっきりと出ています。次の自作 (ホーム・シアター用にあと3本必要)は合板・木材類を一切使用しない、金属の塊 のようなものを構想中なのですが、先日川又さんからのメールで知らされた海外某 メーカーの超ド級スピーカーを見てビックリ!!その構造を盗んで自分なりに実現し ようかと模索中…。

(6)CDトランスポート
 自分のシステムをあらためて見ますと、P−0が唯一の「ハイエンド」と呼べるもの でしょう。CDに刻まれている情報を全て出したいとオーディオマニアであれば誰で も思うことでそのためにP−0がトランスポートとして最有力となるのは間違いない です。購入したのは最近ですが今のうち買っとかないともう手に入らないと思って決 めました。やはり高速移動時のメカ音は凄いですが慣れるとそれもカッコ良く聞こえ て来ます。演奏中のメカ音はバージョン・アップで静かになるそうですし「ティアッ クさん、ご苦労様です。」といいたくなります。P−0の音、情報量が多いことは確 かですがそれよりも音・演奏に吸い込まれるような魔力を持っているようです。P− 0の音に酔いしれている毎日です。

以下、本題に入ります。

3.RK-P0
 箱から出した瞬間、欲しいと思いました。見た目美しく、重量増加とともに重心は上 部に位置し、回転する駒のように地に付くという感じで、P−0純正の足に比べより 点接触に近づき、さらに半田充填による振動吸収構造となっていることには感心しま した。高さ調整も容易になっています。 純正の足は高さ調整が難しく、そのネジ部分のガタが気になるので完全にねじ込んで (足が短くなる)足の台座とコンクリート(35kgのものを2枚敷いてある)の隙 間に1mm厚、0.3mm厚の鉛シートを何枚かはさんで高さを合わせています。

(1) 試聴
 純正の足でまず聴いて耳を慣らし、RK-P0に交換しました。 試聴盤@ アトラクシオン/大貫妙子 川又さんの試聴結果と同じになるかどうか、またRK-P0を試聴できた記念として 買ってしまいました。やはり5曲目をメインに聴いてみました。

・ 楽器の音像がちょっと小さくなる、余韻・エコーは2割ほど増した?奥行きも増 したかな?という感じです。ヴォーカルはスッキリする。「さしすせそ」が良くなっ た。換える前は、大げさに言うと「しゃしぃしゅしぇしょ」と鳴っていたことに気づ く。HALの試聴結果と似ているなと思い「よしよし。」と自己満足。 試聴盤A FIRST CIRCLE/PAT METHENY GROUP 名盤。2、3、5曲目の空間にダイヤモンドが散乱するような高域が気に入っていま す。エンジニア:Jan Eric Kongshaugが手がけたECM盤は同様な音で統一されてい ます。

・ 余韻・エコー感はやはり増している。ん?ちょっと低域の重量が増したかな?し かし音像は大きくなっていない、むしろ小さくなった?打楽器の刻み・リズムが整理 されたように聴き取れる。高域の散乱する空間はちょっと増えたかな? 試聴盤B GAUCHO/STEELY DAN 名盤AJAとこの盤は音がかなり違いますが鮮烈さで勝るGAUCHOを良く聴きます。4、 7曲目はとても好きで機器の音を判断する基準となっています。ただ、低域が下の方 まで伸びていない(カットしている?)のが難点です。この盤の音は細身で硬いとい う評価を耳にしたことありますが確かにちょっと厚みに欠けるようです。しかし私の 部屋では硬い印象は無く、むしろしなやかで繊細・鮮烈な音です。

・ 音像、余韻、音の立ち上がり・立下りは@、Aと同様の印象。情報量は増えた部 分と減った部分があり、減った部分は歪成分だったのかなとも想われ、いずれにして もスッキリ感は向上してます。

 他にもいろいろと聴きましたが、器楽曲のもの、コダーイ/ヨー・ヨー・マなどは (私がこの辺の音楽センス、聴く能力が無いため)良くわかりませんでした。

 その後、純正の足でも同様の向上を得たいと思い、急きょ、14mm厚の鉄板2枚を 発注。一週間後にそれを敷いて純正足にもどし再試聴をしましたがPK−P0ほどの効果 は無く、裏板のゴム足を取り去り純正足の台座を使わずに最小限の点接触で設置して もまだ及ばず、再びRK-P0にするとむしろ差が大きくなったような感じでした。

4.何故、音が変わる?
 どうして音が変わるのでしょうか?P−0の筐体が強度不足で共振しておりピック アップに影響する?天袋(RK-P0の上部、P−0筐体上部に見えている部分)の重量 増しと振動吸収・逃がしを考慮した構造がやはり効いているのでしょうか?P−0は 振動を吸収する構造がない、それが弱点として音に出てしまうこともある、というこ とでしょうか?とにかく音は変わります。純正の状態でほとんど限界に達していると 思っていたP−0はまだ向上の余地が残されているようです。

5.いつかはRK-P0
 とりあえず今回は購入見送りです。先立つものが無いのが最大の理由です(泣)。し かし今回の試聴でP−0のバージョンアップで振動が減衰されれば必ず音の向上とし て現れることを確信させられたようなものでした。バージョンアップが大きな楽しみ となりました。そしていつかは、一年後くらいまでにはRK-P0を買えるようにしたい です。・・そのころにはもう売ってないかな。いや、当分他にもほしいものが沢山あ るな・・うーーん無理かな。

 今回、このような機会を与えて頂いた川又さん、ありがとうございました。 実はRK-P0の試聴を申し込んでみたものの、台数が少ないというお話だったので当分 先のこと、P−0バージョンアップ後になるかなと思っていました。予想外に早いこ とに驚き、3週間もあっという間でした。 本当にありがとうございました。


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