《HAL's Monitor Report》


No.0016 - 2000/08/15

TBS 梶原 巧 様

 モニター対象製品 SONY SCD-777ES / B&W N803

ソニーSACDレポート

 以前、SACDが出た時、とある場所でソニーのSCD1を聞いた。もちろんその時、その音のよさというものに驚きは感じてはいた。でも、50万という価格を考えると、もちろん悪くはないが、何が何でもすぐ欲しいというものには感じられなかった。そして2号機のSCD777ESが出た時、この値段ならと思ったのであるが、値段と同様、音のほうも7掛けというのでは、どうしようもない。一度じっくり聞いてみたと思っていたところに、今回川又さんのおかげで自宅にて試聴ということになったのである。

 外観の見た目、パネルの色以外、このSCD777は1号機のSCD1と変わりないように見られた。操作性、各ボタンの配置、表示等、全く同じようだ。今回の試聴に先立ち、ソニーにこのへんを確認したところ、ピックアップメカ、モーター等トランスポートの部分は同じだそうだ。ただ、1号機を展示会で見たときは音をメインに聞いていたので、ディスクの交換を頻繁にやる事がなかったので気づかなかったが、ディスクを入れてから音が出るまでの時間が非常に長く感じられた。この時間も、1号機と同じという事なのだろうか。自宅に聞きに来た友人曰く「アナログ盤に針を落とす時間と思えば、そんなに長く感じないんじゃないの」という。なるほど。

 さて、音のほうはというと、さすがに表現力がある。1号機と並べて聞いていないので、記憶を元にした比較になってしまうが、私には遜色なく感じられた。値段は7掛けの値段であるが、音は1号機と同じ。これは買いだと思った。何枚かのSACD盤を聞いてみたのだが、中でもブラスのSACD盤で、ブラスの一つ一つの楽器のきらめきがまるで目の前に見えるよう。しかし、決して派手でまぶしすぎるわけではなく、繊細なつやが出ているように感じられた。もちろん、SACD盤ならではということなのかもしれないが、従来のCDでも透明感の高さとワイドレンジな部分は元の盤の音をキチンと表現できるという点では同じだと思った。(もちろん、盤に記録さていない情報は表現できないが…)

 ということで、私は即刻買取にしてしまいました。今では、この音でないと我が子は寝てくれません。

自宅システム
インテグレーテッドアンプ Mcintosh MA6500
スピーカー    インフィニティー kappa 90
 B&W N803

 今回、ソニーのSACDのモニターをお願いしていたのだが、ちょうどその借用と同時に新たにモニター機種になったN803のモニターを無理してお願いした。 803は自宅でいま使っているkappa90と同じくトールボーイのスタイルであり、我が家での設置は楽であった。従来どおり、オーディオボードを敷いて、その上に設置した。今回803は、スパイクにはなっていなかったのであるが、多分スパイクも使えるのだろう。

 肝心の音のほうだが、最初に音を聞いた時、「あれっ?セッティング間違えて逆位相?」と思ったが、結線の間違えはなし。首をかしげながら音を聞いてみると、納得できた。音がスピーカーを結んだラインよりも、自分の方へせり出て、立体的に聞こえるのである。その前に出てきた感じが、ちょっと聞いた感じで逆位相に聞こえたんだと思う。普段聞いているkappaの音も、それなりに気に入っているのだが、このノーチラスの音と比べると、かなり引っ込んで物足りない感じもする。しかし、この前へ音が出るというのは、たてに並んだ4つのスピーカーの位相管理がしっかり出来ているからこそのような気がする。あと、中域のクリア&スムーズさは抜群。ボーカルが、前に出てくる音場とあいまって、まるで目の前にボーカルがいるよう。最初は、帯域バランスが中音域がわずかに張った印象だったが、音像が前に出てくるので、そのように感じただけかもしれない。低音は重くなく、かといって出ていないわけではない。いつも聞いていた低音が、なんか嘘っぱちの作られた低音に聞こえる。

 やはり、今回始めて自宅でノーチラスを聞いてみて、その実力というのを感じた。買取...したいところであったが、すでに同時モニターしたSACDを買い取ってしまった為、家族の目を考え今回は断念。またの縁を期待して・・・次のボーナスまで、一生懸命働く事を誓ったのでした。

自宅システム
インテグレーテッドアンプ Mcintosh MA6500
CD  ソニーSCD777(今回買取)

HAL's Monitor Report