《HAL's Monitor Report》


No.006 - 2000/07/17

東京都練馬区在住 ノナカ 様

 モニター対象製品 sony SCD-1

クラシックをメインに、J−POPやジャズなど色々な音楽を聴いてます。

◆使用機器

SP・・・モニターオーディオ Studio10 / JBL 4312B
POWER AMP・・・EAR861
PRE AMP・・・・・・・EAR834L
PREMAIN AMP・・C.R.ディベロップメンツ / カリプソ
CDP・・・・・・・・・・・Acuphase DP60
インターコネクトケーブル ・・・・・・・・PAD MIZUNOSEI等
SPケーブル・・・・・・・・・MIT T2sBiwire等
電源ケーブル・・・・・・・・PAD PROTEUS等
使用ラック・・・・・・・・・・TAOC
SPスタンド・・・・・・・・・・TAOC
インシュレーター・・・・・TAOC、J1プロジェクト等

今回のSCD−1のモニターは、スーパーオーディオCDの試聴はもとより、CDプレーヤーとしての使用を念頭において試聴しました。

到着した段ボールを開梱すると、ずっしりとしたアルミの固まりが現れた。
何しろ30Kgもある。CDプレーヤーとしてはかなり重い。
私は角を削っていて、側面をブルーに塗装したSCD−1のデザインも気に入っている。
また、重量があるとなんとなく信頼感を感じてしまうのは、私だけではないだろう。
その頼もしい筐体をラックにセットし、まずCDを聴いてみる。
自分のシステムからこんな音が出るのかと思う程、音の一つ一つが分解された解像度の高い現代的な音が出てくる。
特に最近録音されたCD程その傾向が強いが、日頃よく聴いているG・グールドのゴルトベルグ変奏曲(81年版・SBM録音)でも、いつもは曖昧だったグールドのピアノの弦を叩くタッチが強く明確に伝わってくる。
ヨー・ヨーマのコダーイでは、ヨー・ヨーマの息遣いが物凄くリアルに聞こえ、弦の音も迫力が桁違いで、恐いくらいにこちらに迫ってくる。
昨年のマラソン試聴会で川又さんがかけて以来、CDを買い込み、先日のコンサートにまで行ってしまった宇多田ヒカルの曲も、私の常用機(すでに年代モノ?)に比べると、スリリングでダイナミックに聴かせてくれた。
スーパーオーディオCDでは基本的な音の傾向は同じであるが、よく言われるように空気感が出てきて、音場の透明度が増す。
変わりに音自体は、少し薄味になる傾向が私のシステムでは感じられた。

PADのシステムエンハンサー(Rev.A)を6時間程度掛け、 一番印象的だった、ヨー・ヨーマのコダーイを再度聴いてみる。
音の荒さが無くなり滑らかな音になったが、反面、恐いくらいの迫力は薄らいでいた。ここいら当たりが好みが別れると共に、使いこなしのポイントになりそうだ。
スーパーオーディオCDでは、サンプルCDを聴いて気に入った、マイルス・デイビスのカインドオブブルーを買って聴いてみた。
こちらの方はエンハンサー後の方が、見通しの良いクリアな音場感がさらに向上し、スーパーオーディオCDらしさが高まったようだ。

そもそもあまり興味のなかったSCD−1に興味を持ったのは、やはり昨年のマラソン試聴会でした。
P−0との比較を聴いた時、「音の骨格がしっかりしていて、なかなかいいんじゃない。」と、良いイメージを持ち、気になる存在になっていました。
自宅に持ち込んで聴いてみると、SCD−1の音とともに、自分のシステムの音の可能性やアラが見えたり、好みの音が再認識できたりと、楽しんで試聴できました。
最終的には、自分の好みの音の方向性と照らし合わせてみると、もう少し音楽に対しての表現力があればベストでした。
いい体験をさせてもらい、本当にありがとうございました。


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