《ESOTERIC 論文コンクール応募作品 Vol.16》


No.0133 - 2002/2/11

大阪府堺市在住 C・T 様より

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 「ESOTERIC 論文コンクール」の最終応募作をご紹介いたしますが、本企画の
最後を飾るに当たり、2/3に配信されたH.A.L.'s Circle Reviewをそのままに
掲載いたします。このような活動をしているハルズサークルに皆様もどうぞ
ご参加下さい。よろしくお願い致します。

***********************  What's UP  *************************

ハルズサークルの皆様、昨日は大変お騒がせ致しました。
さて、本日出社いたしましたら早速このような反響が寄せられました。
匿名の投稿でしたので、ちょっと引用させていただきます。

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添付された”さいたま市HS”様のレポートを読んで感慨ひとしおです。

小生も、HS様と同様20年余半導体の開発/生産に携わっており、HS様
と同じ世界の空気を吸ってきました。他のことを考える余裕が無いほど
のSpeedで技術もビジネスのあり方も、変化・発展する世界を全力で走っ
てきたような気がしています。

             << 中略 >>

昔からのあこがれのJBL+Micnttohのを小生としては大蔵大臣の気が変わ
らぬ間に”清水の舞台から飛び降りる”気持ちで100万で買いました。

ついでにアナログも復活させ、若かかりし昔に夢中になったAudioの世界
に完全に舞い戻って参りました。

その後HAL'sサークルにもこわごわ参加させていただきましたが、当初は、
サークル方々のお話は、小生にとっては雲の上の様な気がしていました。

しかし、皆様のレポートを読み続けているうちに、皆様が特別の大金持ち
の方というわけでは無く、小生と同じような環境の方々であることが分か
りました。音楽とオーディオへの並々ならぬ情熱を人一倍持ち続けていら
っしゃるだけなんですね。

何という、素晴らしき世界が残されていたのでしょう。

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藤沢市 K.S. 様

ありがたいお言葉を頂きありがとうございました。まさにおっしゃる通り
でございます。某掲示板には「あそこは金持ちだけが集まる“巣窟”だ」
というような書かれ方をされたことがありましたが、何とも実態を知らず
知ろうともしない輩の発言ではないか、と思っておりましたが、本当は
K.S.様が感じられた通り「音楽とオーディオへの並々ならぬ情熱を人一
倍持ち続けている…」ただそれだけのことなのです。

今回の企画は確かに高価な商品をめぐる皆様のご意見を集めたものですが、
私の本意としても商品の価値観を皆様に共有していただき、開発者の情熱
と使い手の熱意の橋渡し役をしたに過ぎないものです。

私は、ユーザーの声にユーザーが呼応して、より良いものを求めるという
姿勢と情熱がまだまだ日本のオーディオファイルにもあるのだ、という
ハルズサークルによる連鎖をご紹介して本企画の幕を閉じたいと思います。

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【新企画⇒ESOTERIC 論文コンクール!!】

「続々と応募作品が到着しています。第16号のレポートをお送りいたします!!」

【Editor's Column】

_/_/_/_/_/_/_/_/ 「ESOTERIC 論文コンクール---応募作品 Vol.16」

大阪府堺市在住  C・T 様より

ちょっと待った...その1

 この駄文読む時には、川又氏のおっしゃるいわゆる論文ではなく、単に
老人の「ひとりごと」ですので(ぼやき?)真面目に受け取らないで下さい。
多分応募者の中では一番短い文でしょう。

ちょっと待った...その2

 うちの息子を含めた若人よ! レンタルレコード店(と表現するぐらい
なので小生の年齢がばれるか?いまはレンタルCD店か?)で借りた CDをMDに
ダビングしたり、net 上のMP-3 をやり取りして聞いてみたり.....。 

そんな事しているから本当に CD を買う人間に迷惑のかかるコピーコント
ロールCD などというCDの形をしたCDでないものが出回ったりする......
老人の小生にとっては言語道断である! 

レンタルレコードがあった時代にも小生の主義として一切借りなかったし
頑固にレコード買っていたものです。 

LPレコード10枚買って9枚がはずれであってもかまいません。
ただで手に入ったものが自分の音楽にはなりません! 

いかに不況だから、若い人がゲームや携帯電話にお金がかかるからと
いってもこれらはあきらかにおかしな状況と思いませんか? 

彼等の音楽の聞き方は音楽を聞くのではなく data を拾っているだけである。 
圧縮されて間引かれたdata を聞いているのである。

 すでに時代はLPを置き去りにした感があり、小生も苦労して買ったLPに
針を置く事もおっくううとなった。 

スクラッチノイズに悩まされる事もなく、居眠りしてLPの内側の溝を針が
何周もトレースしていたりと言う事は20年前CDの出現によってなくなった!!

 CD のそれはそれはクリアーな音にびっくりしたものです。 
しかしその CD も「音が硬い」「20kHz 以上の音はカットされている」と
陰口をたたかれたのである......。 
アナログ派の言い分はよくわかります。 

LPレコードに針を置くのは華道や茶道と同じと思う! 
レコード盤の扱いに気をつけ、愛聴盤においては通常に聞く盤、老後の
ための保存版、日本のプレス、本国のプレス、ものによっては廃盤と聞いて
直前に買い足したもの、などで同じタイトルのレコード数枚持ち友人に笑わ
れたことがある。

 彼等に何の迷惑をかけた覚えもなく、当方音楽以外に何の趣味もない。 
酒、煙草、オナゴもせん(やってる方がおられたらごめんなさい。) 

あと何年小生が存在するかわからないが、音楽に金遣わせてくれ女房殿よ!
(う〜んある本で男の趣味を阻むのは家族であると読んだ事がある)

ちょっと待った...その3

 CD が世に出て20年たつとSACD,  DVD-Audio さらにそれらのマルチ
チャンネルなどの新しいフォーマットが出現した。 
しかしちょっと待った...   CD の出現よりさらにさかのぼること数年前
には「4チャンネル」と称してCD-4 とか QS などという規格があった。 

小生も同じスピーカーを4本買い揃え、来るべき4チャンネル時代を待っていた。
 
結局は日本の住宅事情やソフトのなさでついに4チャンネルはすたれ、小生の
4本のスピーカーも4チャンネルの信号を通されること無く朽ち果てて行った。 

合掌.......。  その時学んだことは『いかに2チャンネル(ステレオ)を
きちんと聞くか...』ということであった。 
新しいフォーマットの出現に惑わされること無く、聞くことである。 

理論上SACDがよい音であろうことはよく理解できる。 
しかしまだソフトは少なく、SACDの技術もこれからはさらに進歩するであろう。
 
20年後のSACDの音を聞いてみたいがその時まで生きていられるかどうか......。

 だからこそ今所有するCD をどう再生するかがが当面の課題であると言える。
 
最近はデジタル・リマスターリングなどもでており、そのたびにCD を買い直し
ている。

 小生にとって CD のピットからいかに『取りこぼしなく』データをpick up
するかが一番大事なのである。

 昔から音の入り口と出口にお金かけると劇的に音はよくなるとは良く言わ
れているが、まずは当たっていると思う。 
(川又さんをはじめH.A.L.のメンバーの皆様は他にも方法があるのは良く
御存知でしょうが....。)

 そうなると現時点で小生の理想のCD トランスポートは P-0s 以外には
見当たらなかった。

 CD をかけるだけで音はでないこの機械にそんな値段を...と人は言うけど
明らかに違うのです。

 その昔カートリッジ交換していたみたいに音は違います。

 そのへんは他のメンバーのレポートにあるのであえては書きませんが、
小生のシステムの前任者?(名を隠すけどかなり良いやつだったX-50w 君...
えっ ばれた?)よりスピーカーの左右より外に音が拡がり高さが出ました。
(なんと言う変な表現?) 言いたいことはもっとあるけど...。

ちょっと待った...その4 
 
 ちょっと待った.....結局何が言いたいのとのお叱りを受けそうですが....
言いたい事は唯ひとつ『同じ時間を使って1枚のCD を聞くのなら良い音で
聞いてみたい』ということです。

 こんな事を言い出す小生の余命は短いのかもしれないが..........。
  
 最後に川又さん、迅速な対応をしていただいたTEAC の安斉さん、どうも
ありがとうございました。 小生は幸せ者です。 

(P-0s の値段が女房にばれるまでは..?)

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C・T 様ご応募ありがとうございました。
文章の長さに関わらず、本企画の最後を飾るのにふさわしい提言ではない
でしょうか!! 人生のキャリアを積まれ、音楽とオーディオをどのように
考えておられるのか、若い世代にコピー蔓延で音楽の本質を忘れている
というきつーい一喝をありがとうございました。


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ Editor's Column _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

どうやら最終の応募作となった今回のC・T 様のレポートとともに、国産
メーカーの皆さんが同国人として開発された商品群の存在意義と、それを
求められるユーザーの存在意義が同一線上にあるという結論をもって、
今回の企画の応募を締め切りさせて頂き、締めくくりたいと思います。

ご応募頂きました皆様、ご協力頂きましたティアック・エソテリックカン
パニーの皆様に最後に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。

 


HAL's Hearing Report