《HAL's Hearing Report》


No.0028 - 2001/09/22

千葉県印西市在住 T.Y 様より


千葉県印西市在住のT.Yと申します。

9月15日にHALに伺いました。前の週末に真空管オーディオフェアに出 かけたのですが、会場のビルから出てみると大雨。雨宿りがてら(失礼!) 入ったのが隣のビルの「ダイナ5555」でした。
「5555」は雑誌で見て知ってはいましたが、実際に来てみて、その設備 の素晴らしさに驚きました。いわゆる、販売店さんの試聴コーナー、とはカ テゴリーそのものが違う!…と言ったら雰囲気をおわかりいただけるでしょ うか。ここなら、装置の本当の音が聴けそうだと期待させてくれます。

その日は1階から7階までの偵察だけで帰宅。ホームページで7階HALの 予約をさせていただいて、自前の試聴ソフトをいそいそと準備、15日にあ らためて試聴に伺いました。

「5555」ビルの7階でエレベーターを降り、ドアを開けると目の前はカ ウンターです。先週はそこに可愛らしいお嬢さんが座っていたのですが、今 日は違いました。川又店長です。「こ…濃い!」と思いましたがそんなこと を言いに来たわけではありませんから、ここは社会人らしくきちんと挨拶を いたします。お持ちの方はステレオサウンド139号172ページをご参照 ください。そのページの店長写真はちょっとクラ目に映られていますが、ご 本人はもっと明るく、眼光スルドく、そして濃い(←すいませんしつこくて )方であります。

「どうぞ」と言われ、右手のドアを開けると、そこはもう別世界。今日はノ ーチラスDAYなので、その他のスピーカーの皆さんは後ろの方にどいてい ただいていて、部屋の真ん中にオリジナル・ノーチラスがかなり内振りのセ ッティングで鎮座。リスニングポイントの椅子の前にはエソテリックP-0sの 勇姿。dcs PURCELL 1394でDSD化、ELGAR PLUS 1394でDA変換、プリはJEFF ROWLAND COHERENCE2、パワーは同じくMODEL12を8台です…とご説明いた だく。

しばし一人で、持参したソフトを試聴。試聴感は、いろいろとメモっては来 ましたが、シロウトの印象を申し上げても仕方ないので割愛。私はただただ メロメロになっておりました。一つだけ申し上げるとすると、「距離感」で しょうか。リスナーから見て(聴いて、ですが)、スピーカーまでの距離と、 音像までの距離の間に、何の関係もないんです! いくら奥行きが出るって 言っても、普通はありますでしょ、スピーカーの存在感みたいなもの。それ がほとんど感じられないんです。オリジナル・ノーチラスと、この部屋と、 川又店長のセッティングの賜物でしょう。
恐るべしです。

その後川又店長再登場、実験&解説をいただきました。

○実験その1:ノーチラス+村田製作所 球形トゥイーター

  川又店長、なにやらスタンドをノーチラスの上に立て始めるので、この
  後雑誌の取材でもあるのかしらんと、「ではそろそろ失礼を…」と言っ
  たところ、「いや、これは実験」とのこと。(先に言ってください。)
  聞けばそのスタンドの先についているのは、村田の球形トゥイーターE
  S103A。「ノーチラスにスーパートゥイーター? 変わらないでし
  ょう、ノーチラスは」と思いましたが………変わりました。
  どう変わったかは、実際にHALでお聴きになると楽しいかと。
  ちなみにこのとき店長がかけていたのは、REFERENCE RECORDINGの「T
  utti!」でした。

○実験その2:光!

  ウィントン・マルサリスがお父さんのエリスさんとスタンダードを共演
  しているアルバム(題名メモ取り忘れ)を聴きつつ、見慣れないキカイ
  の電源をON/OFFする店長。OFFにするとエコーや、トランペッ
  トの艶が消えてしまいます。
  キカイの表面には、「Radiant Light Source/PURIST AUDIO DESIGN」
  の文字が。
  ケーブルに光ファイバーを沿わせることで、電送特性が改善されるのだ
  そう。ON/OFFしていたのは、この「光」でした。この製品、とい
  うかこの技術、知っている方は知っていらっしゃるのでしょうけど、私
  は全然知りませんでした。信号そのものを光で伝送している訳ではなく
  て、同軸の横にファイバーを沿わせている模様。
  しかし、これだけの装置をこれだけの部屋で聴いていて、光をオフにす
  るだけでエコーが消えちゃうのか!そんなのアリか!?それじゃ光以外
  の装置の皆さんの立場はどうなるんだ!!……と複雑な気分です。 
  店長曰く「これだけの装置だからこそ、この違いが出るのである」との
  ことでありまして、オーディオの奥の深さにあらためて慄然とさせられ
  る出来事でした。

結局、2時間近くも聴かせていただいてしまいました。帰りは秋葉原中を廻 って、聴かせていただいたソフトを探しましたが、手に入ったのはラッセル ・ワトソン「the voice」だけでした(泣)。まあ、残りはゆっく り探します。

昔は、こういう本格的な試聴の場は、メーカーさんが用意していましたよね。 西新宿のサンスイさんとか、高田馬場のビクター・ミュージック・プラザと か……お世話になったものであります。もうずいぶん前に、どこも閉鎖され てしまいましたが。
それを販売店さんとして、しかもさらにグレードアップした形で実現してし まわれたダイナミックオーディオさんには、オーディオファンとして熱く拍 手を送りたいと思います。

私事になりますが、中学頃から染まりだしたオーディオも、ここ10年ほど は仕事の忙しさにかまけ、遠ざかっておりました。この春にスピーカーを買 い換えて、久々に熱が復活。その矢先に、今回の経験をさせていただき、と てもハッピーでした。これでまた、オーディオ道に励んでしまいそうです。 早くも、次は6階に伺いたい、などと考えておりますし(笑)。

やはり、音楽とオーディオは切り離せませんし、オーディオは一生の趣味と して成立し得ることを、あらためて教えていただいた気がします。
川又店長、本当にありがとうございました。


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