《HAL's Hearing Report》


No.0015 - 2000/12/20

 埼玉県川口市在住 LUX FAN 様より

 11月12日に開催された第24回マラソン試聴会に参加しましたので、雰囲気でも参考になればと思い感想を書きます。
 私の試聴できたのは約2時間、組み合わせとして4組のみの印象です。
 最初に川又さんが開催の挨拶をされ、参加人数がまだ少なかったことからとりあえず拍手による東さんとの勝敗は取りやめとなりました。

1回戦

川又:(SP)WILSON CUBU,(PO/PR)MARKLEVINSON 335L/380L,(CD)WADIA861
東 :(SP)JM LAB MINI UTOPIA, (PO/PR)GOLDMUND MIMESIS 28EVO/27EVO, (CD)LINN IKEMI

 川又さんの組み合わせは声がきれいでしたが箱の音もしているように聞こえ、東さんの組み合わせは上下に広くないが帯域内音をがっちりと聞かせ、特にバイオリンの音がそれらしく聞こえるようでした。当初、勝敗は無しということだったのですが、反応が気になるのか川又さんが気に入った組み合わせはということで手を上げてもらった結果、東さんの勝ちとなりました。

2回戦

川又:(SP)MEZO UTOPIA, (PO/PR)MARKLEVINSON 33HL/32L,(DA)dcs DELIUS&PURCELL,(CD)ESOTERIC P-0s
東:(SP)TANNOYTD-12, (PO/PR)AYER V1X/K1X,(CD) WADIA861

 これは音を聞くまでもなく、金額的にも大きな差があるし、卑怯なことにもdcs のD/Aコンバーターまで入っていれば勝敗は明らかでした。川又さんの組み合わせは音が引き締っており、中低域が厚く、楽器や声の実在感がありました。一方、東さんの組み合わせは川又さんと比較して声が自然にでており、フワーとした空気感が聞こえましたが、低域は比べ様もない状態でした。これは、お金をかければ掛けるほど違いが出るというマニアの人にとっては恐ろしい、いや楽しい現実でしょうか。

3回戦

川又:(SP)AVALON Eclips classic,(PO)LINN KLIMAX,(PR)JEFF ROWLAND SYNERGYU,(CD)LINN CD12
東:(SP)MARTIN LOGAN PRODIGY, (PO/PR)GOLDMUND MIMESIS 28.4EVO/27EVO,(DA) GOLDMUND MIMESIS 21EVO, (CD)GOLDMUND MIMESIS 36+

 これはスピーカーの種類が違いすぎました。川又さんのスピーカーは通常のダイポール型スピーカーですが、東さんの方は基本的にコンデンサー型でありまったく音の傾向が違いました。前者が透明感のある音がユニット部分から聞こえてくるのに対して、後者はスピーカー面全体から風圧のように音が聞こえてきました。東さんの3曲目が終わったところで、すかさず川又さんが東さんに3曲目は音量を落としたのですかと聞きました。というのは、2曲目の音量が大きくてシャラシャラという耳障りな高音が聞こえたからです。
 ここらへんで、参加者も増えてきたので参加者の女性の判定による拍手での勝敗を行ったのですが、わずかの差で東さんの勝ちという結果でした。両方に拍手した人がいたようにまったく傾向の違う音のどっちが良いかといわれても難しい問題でした。私は、どちらが家に置けるかという判断で、AVALONに拍手しましたが…。

第4回戦

川又:(SP)SONY SS-1ED,PASS LAB X600/X0,(CD)MERIDIAN 800/SONY SCD-1/PIONEER DV-AX10
東:(SP)B&W NAUTILUS 802, (PO)GOLDMUND MIMESIS 28.4EVO,(PR)CONNOISSEUR 4.0LINE AMP, (CD)LINN CD12/SONY SCD-1/PIONEER DV-AX10

 これは、はっきり勝負がつきました。どちらが勝ったと思います。実は川又さんなのです。
B&Wは分析的でハッキリした音の中に角が丸い音がしていましたが、SONYは音が塊となってきこえてくるようで、場所がホールということもあるのかSONYの方が自然に聞こえました。DVD&SACDプレーヤーが3種類をリストしてありますが、これらの違いについても試聴できました。私の感想はMERIDIAN 800は響きがきれいで、SONY SCD-1はホールトーンが良く聞こえ実物の演奏会に近い感じでした。一方、PIONEER DV-AX10はSACDソフトで比べるとSONYに比べ音に隙間があるような感じがしました。川又さんがどちらがほしいかということで聞きましたところ、SONYの方が多かったようです。

ということで、私なりの個人的な印象を述べましたが、もっと色々な機種がプログラムにあがっており、次回はぜひ全てを聞きたいと思わせる企画でした。このように、普段聞くことのできない夢のようなシステムの音が聞けるというのはこの機会しかないと思いますので、ぜひ参加されて1日たっぷりと音の世界に浸ってみては如何でしょうか。
 また、改善点があるとすれば勝敗が目で見てわかるようにランプをつけるとか、紅白のボールを積むとかすると勝敗の結果が見ていてわかりやすいようにすると面白い。試聴に使った(予定の)CDリストがもらえれば気に入ったCDを自分のシステムでも聞いてみるのに便利と思います。また、スイートスポットが狭く聞く位置によって評価が変わるように思えますが、何か良い方法がないものでしょうか。無理かな・・・


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