《HAL's Hearing Report》


No.003 - 2000/07/12

埼玉県上尾市在住のT.T. 様より

 メインシステム
 プリ :ラックスマン C−10
 メイン:ラックスマン M−7 X2(バイアンプ)
 CDP:SCD−1
 SP :B&W マトリックス801シリーズ3

 その他多数

SONY SCD−1
 5/22〜3(1999年)にスーパーオーディオ第一弾ソニーのSCD−1を秋葉原 サウンドパークダイナ(7F)H.A.L.Tで聴いた。その時感じた事は「50万の CDプレーヤーとしては良い音をしている」と言うことでした。新規格のSACD(ス ーパーオーディオCD)の第一号機は少なくとも100万はすると思ってました。今ま でのSONYの研究開発費を考えると当然ではないでしょうか。しかもパンフレットで は本体重量27kgの高剛性のボディーと写真のようにしっかりとした作り。メカニカル な動きも滑らかそのもの。ただエソテリックP−0のようにSACDをセットした後、 情報を読み取るのに少し時間がかかるが。ちょうど昨日B&Wノーチラス・エソテリッ クP−0・ジェフローランドコヒレンス2等々を持っているオーナー3人から早くも受 注をもらい、店内に2台置くはずだったSCD−1のうち1台はオーナー宅に行ってし まったとの事。お金持ちはやることが大胆で早い。うらやましいかぎりです。SCD− 1を一聴しただけで普通のCDとの違いが判る。細かなニュアンスが出ていたが、どう も気に入らない。例によって川又さんが電源ケーブルをPADのACドミナスに換 えてみる実験を試聴会のように集まったお客の前で行った。付属の電源コードから差し 換えたとたん音にトゲトゲしさが無くなり(元よりCDよりは少ないが)ふくよかな俗 に言う雰囲気のある音に豹変した。本体50万+ACドミナス38万これは一聴の価値 がある。このSCD−1の実力は音は電源コードを差し換えなければ出ない。それだけ SCD−1は潜在能力が高いと言うこと。また内部回路はアンバランス伝送なのでRC A出力が正解との事。「スーパーオーディオ第一弾をソニーが本体価格50万と言う低 価格でデリバリーしたと言うのは裏で政治的な思惑があって、これから10年・20年 先の事を考えると、一般に広く認知させる事が第一目的で利益は将来量産機で膨大に入 るであろう特許料で簡単に補えるとの読みから。もうこの価格ではこのような高剛性の 筐体では発売されないだろう」。とは川又さんの読み。しかしスーパーオーディオ再生 機を本体50万で出すソニーも凄いが、電源コードの善し悪しをありのままにさらけ出 してしまうノーチラスとコヒレンス2およびPADのケーブル達の実力も凄いと思った。

SCD−1の実力
 H.A.L.Tに入ると一聴してP−0+マークレビンソンのD/Aコンバーター No.30.6Lの組み合わせとは違う音がしていました。私流に言うと音の一つ一つにひ だひだの付いた感じで、よく言われる雰囲気のある音場でした。だけどまだ私はノーチ ラスから出てくる音に満足できない。そこで前述の報告の通りACドミナスの実験が行 われました。また川又さんがSCD−1を開発したSONYの技術者と懇意にしており 、RCA出力が有利な事や値段の決定などの情報を収集したようです。しかし普通の店 先でぽんと置いた状態ではこの違いは聴き分けられない。H.A.L.Tだからこそで きる事。またここでPAD社の製品の実力の一片を味わう事になった。SCD−1は同 価格帯のCD再生専用機と比べても飛び抜けており、SONYの音が嫌いな人は別にし てお買い得です。ますます50万という価格が信じられなくなってきました。ただ電源 ケーブルはソニーとしても最高の物を選んだらしいが他のケーブルとの交換を私はすす める。後日川又さんの了解を得て5種類の3PINの電源ケーブルの試聴を行い、再生 音の違いを確認した。こうして「政治的な思惑で50万に決められたSCD−1 」だが、第1号機でSACDの音を聴いてもらい、コストダウンした第2号機・第3号 機の量産機でシェアを伸ばそうとしているのではないでしょうか。ユーザーは(市場) はどんな判断をくだすのか、VHS対ベータのような対決になるのか、これから発売さ れるその他のSACD再生機とDVDオーディオとの対決が待ち遠しいです。

 勿論その後SCD−1は我が家のメインシステムの一員になりました。


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