7F「NEWS&MAGAZINE」 
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どこまでいく、LINN DS。



こんな薄っぺらいやつに何が出来る?

と今更思われる方もいないと思いますのであえて言いますが。収まりのいいサイズをして出てくる音にも収まりがよいとなると差して手を出す物でもないですが、これはその収まりのよくない音が出てくるから良いのです。インターナショナルオーディオショウの衝撃的なデビューからはや半年が経ち、AKURATE DS、そして今やSNEAKY MUSIC DSとシリーズも揃い、LINN DSの勢いは加速するばかり。発表され現物を見せられても何となく納得出来なかったのは言うまでも無く、やはり今までウン十年と回る機械にCDを乗せ音楽を楽しんできた私達にとってある種の「異物」がやって来た事には変わりはないのです。特に私はレコードを何よりも重宝して生活してきた(今でも)側のいわゆる「面倒こそこれ趣なり」の人間なので、「異物」には事大きな反応をせざるを得ないのが現状でした。新しいものには余計に疑ってかかる性格ですし、それが今まで自分が少なからずも鈍い反応を示してきたシステムとなると尚更でしょう、大歓迎で向かえる気持ちも準備も全く無く、それでも興味に揺らされる心のままに当初全くわからないままのセッティングをLINNのスタッフにお任せして出来上がった状態を迎えたのでした。

さて、前置きは長くなるだけですから、そんなこんなも今ではどこへやら。完全にメインプレーヤーとして、むしろ手放せないプレーヤーとしてこの部屋に溶け込んでいるのが今となっては当たり前すぎて説明すら出来ません。PCの画面上でリッピングした大量の音楽を見ながら今日はこれとこれ、と選んではプレイリストに移している毎日。DSを触った事も見た事も無い方には何のことやら、といったところでしょうか。それでもiTunes等を使われている方は沢山いると思いますのでおおまかなニュアンスはそれに近いとご想像下さい、聴きたい音楽、演奏、アルバムを選んでプレイボタンを押す。但し、それに近くないのは「音質」です。この部屋に当たり前にいることになったのも、あれだけちょっと渋っていたシステムも、なぜここでメインプレーヤーとして使うようになったのかも、全てはその「音質」が答えだと言い切っても間違いではありません。確か、記憶に濃い鮮烈な体験はジョアンジルベルト「声とギター」の一曲目「Desde que o Samba E' Samba」を聴いた時でした、今までこんなに自然に彼の声とギターが聴こえた事を記憶に遡れない程、静かに、弦を触る指と空気をスッと揺らす声に、正直驚く事も忘れて聴き入ってしまったのです。いつものスピーカーとアンプ、毎日聴いているそのシステムは厄介な事に体に染み付いているわけでして、どう転んでもうまく落ち着くようにいわば「調整」されていると言ってもいいのですが、久しぶりにシステムを順番に目視するはめになったのです。それからの溶け込みようの何と早いものでしょうか、手元にあるソフトを時間さえあればリッピングし、再生し、聴き入る日々となるわけですから。

やはり、体は正直です。気持ちは正直と言った方が正しいのかもしれませんが、性格が素直というのとはちょっと違います、ちょっと曲がった私のような性格もあれば素直じゃないのが良かったりする事も多々ありますから。大好きな音楽を出来るだけ気持ち良く聴きたいという「気持ち」はやはりどの方にも正直であるはずです、それは考えるよりも反応は自然で、流れる水と何ら変わりません。そこに今までに無い表現力を持ったプレーヤーと、それだけの音楽が目の前にあれば、考える事も無く心が正直に反応するでしょう。LINN DSが魅せた世界はまさにそうだったと、あの一曲でしてやられたと、今も思います。ここではあえてシステムの詳細、セッティングや設定の説明をしようとは思いません、とにかく聴いて頂きたいからです。体験して下さい、私がここに書いた事も間違いではないな、と必ず思って頂けるはずです。そして改めて感じるはずです、音楽にはまだ、こんなにも力があったのかと。

KLIMAX DS 定価\2,940,000 AKURATE DS 定価\892,500 SNEAKY MUSIC DS 定価\未定
2008年5月2日現在
上記内容へのお問い合わせは柴田までお願い致します。




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