JBL 4338

自慢にもならないですが歩くのだけは速い、信号が変わり歩いていると少しすれば先頭を歩いているし、その速度のまま結構な距離を続けられる。その理由としてあまりこういうことを言わない人でしたが随分小さい頃に母親が「私の母が京都の人だから」と謎めいた言葉をポツリと言っていました、現在考えてもその情報がどれだけ正しいのかは全く謎のままですが、同じような人を見ると「京都の人かな、京都をルーツにしているのか」と勝手な想像もしてしまいます。もしそうだとしたら、京都の人は歩くのがどれだけ速いのか、それともせっかちなだけなのか、数年間近くに住んでいた事もありましたがその時は別段そんな人とは遭遇しなかったし思い出してもそんなイメージは無いのですが。あえてその仮定も踏まえつつなぜ歩くのが速いのか、という事には自分なりの理由があって(いくつかりますが)その1つを言ってみるとそれは「すれ違う人のスピードが好きだから」なのです、一応言っておきますが急いでいる訳でも自分より遅い事が嫌な事などでは到底無く、追い越して行く時には感じない事ですが向かってくる人とすれ違う瞬間のスピードが、景色と一緒になって流れるスピードが、今の自分が歩く速度でばっちり気持ち良いからなのです。歩きながら結構広い範囲で周りの景色を見ています、勿論遠くの景色は緩やかに動きますね、そして向かってくる人が見えた時遠くの景色から段々焦点が近くなりそれに従って景色の動きが早くなる、すれ違う瞬間のスピード感がばっちりだと少し興奮してしまう程です、タイミングに乗ってくれたその見ず知らずの人に妙な親近感を覚えて、もしかしてあなたも同じ気持ちですか？と感謝したいくらい。車でも自転車でも同じ事なのですがその時には何の感情も無く、むしろそう言う目的を持って運転した事など全く無く、歩いている時にだけはその感触が味わいたいと思ってしまいます。やっぱり人との距離が近いからかな、と思ったりもしますが、当たるか当たらないかギリギリという隙間ですれ違う瞬間は結構ドキッとするし、歩き方(リズムや姿勢も含めて)や歩幅や足の出方、癖や歩いている全体の姿も含めてすれ違うまでのほんの何秒間にその人の観察(全く知らない人です）をして想像したりと(迷惑な事でしょうがこれが結構重要)、以外とドラマな瞬間を向かえる事もあったりして。だから今の歩く速度は自分には必要なのです。

JBL 4338を前にしているといつもそんな感覚でいられるのです。 様々な思いを持った人と景色が混ざり速度を保ったままのスピードで良くも悪くも自分の前を、しかもギリギリ当たるか当たらないかという隙間で通り過ぎて行く。目の前の音楽を、アーティストを想像してすれ違う瞬間ドキッとする。その瞬間のスピードがばっちり合った時は勿論興奮を覚えます。60年以上前のあの人の指が叩く鍵盤や、弦を擦れる指の動きも、すれ違う瞬間ギリギリの隙間を埋めてほんの少しだけ自分に当たって通り過ぎて行く人がある様に、この時にもそんな瞬間があり見ず知らずの人とは思えず、だからいつもここに居てもらってるのかなとも思ったり。



それはそうとしても、僕は速く歩くなりのマナーを持っています。無茶な人いますよね、どんなに急いでいても迷惑をかけてしまえば理由になりませんよ。

JBL 4338
\1,407,000(ペア、税込)
38・径3ウェイフロア型
出力音圧レベル:93dB
クロスオーバー周波数:750Hz/9kHz
重量:63kg(1本)


是非、お気に入りのソフトでご試聴下さい。