7F「NEWS&MAGAZINE」
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ATC SCM100SLPTを探る(その1)
新製品が発表になってこの100と一回り小さい50が気になって何度も聴き比べをした後、結局この部屋に納まったのは100でした。今まで価格を考えてもシリーズではこの価格帯が無くいきなり倍くらいになる、というシリーズ設定だったのですがちょうど良い位置に出てきたのがこの2種という事になり、キャビネットも膝から下までを延ばし低域の更なる増強を計りフロアスタンディングとして発表された訳です。基本的にこの鳴りの良さが個人的に好みでしたから早く鳴らし込みたいなと思っていたのですが、50か100かどうしよう・・・と考えて比較した結果という事になったのです。お互いの鳴りっぷりの違いをしっかり味わって30万円の差を考えるとどうしても100に手が伸びてしまったのですが、50が良くなかった訳ではなく、100はキャビネットも一回り大きくなる訳ですから設置スペース等を考えると一言で100というわけにはいかないのですが自然と100を選んでいました。ともあれこうしてここに居座る事になった100もかれこれ4ヶ月は経過したでしょうか、様々なアンプで様子をうかがってきましたが随分スピーカー自体がほぐれているようでアンプの違いに限らず良くなってくれています。ご来店される方のATCへの一言めは大体「鳴らしにくいんですよね」という言葉です、あながち間違ってはいませんがそのイメージが先行しすぎるのは少し困ります。マグネットも強靭なものを使用していますのでこれをスッと動かすのは簡単ではありませんが、別に他のスピーカーと比べて大袈裟なシステムを組まないと鳴らない、なんて事は一切ありませんし、時間をかけて鳴らし込める楽しみの多いスピーカーだと私は思います。非常に素直な音の出し方はアンプの性格や色をそのまま聴かせてくれますのでアンプ選びもはっきりと好みが付けられますし、とにかくバランスの良さ、これはこの価格帯の中でも飛び抜けている良さだと思います。バランスの良さと言っても様々です、奇麗に整っていてもちょっと落ち着いて聴いてみると全体的に軽いものだったり、音場を広く魅せ過ぎようとして真ん中の音がどうも薄くなっていたり、こんな事はよくある事だとは思いますがこの100SLPTにはそう言った事が感じられません、しっかり芯のある音作りであってその上でのバランスがあるという事なのです、これはATC特有の大口径ソフトドーム(75mm)も影響していますが出過ぎない様にしっかりと聴かせてくれます。現在ここではLINN LP12&AKURATE CD-LINDEMANN830-PASS XA60.5-ATC SCM100SLPTというシステムである程度固定して鳴らし込んでいる訳ですが、事あるごとに他のアンプを入れたりしています。一見してスピーカーとわかるこの10年来変わらないかたちも、私には愛着があり親しみが湧くのです、正にスタンダードなスピーカーのかたち。奇をてらったものではなく、かわらない事への自信を持ち続けながら、常にユニットやネットワーク等の改良をぎっしり詰め込んだこのスピーカーだからこその音色や芯のある表現力を持つ事が出来るのでしょう。派手な表現も無いですし、このキャビネットの大きさから想像するような低域もドカーンと出る事は無いですが、音楽が演奏される数分間にそれぞれの楽器の鳴りが気に留める事無く自然に聴けてその曲のリズムがしっかり伝わってくるのです、魅せ方上手なスピーカーが多い昨今、演奏そのものを楽しめるスピーカーは非常に良いスピーカーだとも思います。まだまだじっくり鳴らし込んで、この先も発見があれば随時ここへUPしていこうと思います。
ATC SCM100SLPT
3ウェイ3スピーカー/バスレフ型、クロスオーバー周波数:380Hz/3.5kHz、能率88dB W/m、インピーダンス8Ω
サイズ:397W,1070H,510D
定価\2,100,000(Cherry/Walnut/Black),\2,415,000(Yew/Rosewood)
常時ご試聴出来ますのでお気に入りのソフトで楽しんで下さい。(2007年12月15日現在)
※上記記載の内容に関してのお問い合わせは
担当:柴田
までお問合せください。
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