『RAY BRYANT TRIO』
RAY BRYANT

レイ ブライアント(p)
アイク アイザックス(b)
スペックス ライト(ds)
PRESTIGE 7098/VICJ 60379
●1957年4月5日録音


『紙ジャケの魅力』
・・・『ゴールデン・イアリングス/レイ・ブライアント・トリオ
を聴きながらお読み下さい』
 むかし、むかし、オーディオの主たるソースはLPレコードでした。今では、CDが中心でしかもそのCDも発売以来20年以上が経ち、今やSACDやDVDAUDIOに
変わろうとしている時代です。SP((Standard Play)からLP(Long Play)に変わったのは'50年の初めの頃でそれからCDの出てくる'82年迄は、LPの全盛時代
でした。30cmのレコードの大きさはジャケットに入ると32cm角の大きさになり、
手に持って見ると丁度いい大きさでした。又、壁に掛けて眺めていても非常に
さまになり自分の部屋に飾っていました。その当時はよくLPジャケットを見ながらお店でLPレコードを探すのが楽しみで、ジャケットを見ながら色々と演奏の内容を
想像していました。そんな中で目が付いたのがこの「レイ・ブライアント・トリオ/
レイ・ブライアント」です。レイがビシッと決めたスーツ姿にタバコをくわえて渋く
ポーズをとっている、その写真の奥にベンチに腰を掛けてステッキと山高帽を
かぶった初老の紳士らしき男がフォーカスの甘い写真に写っている。そしてもう
一度よく見るとタイトルとレコードナンバーの間に、piano piano・・・・という文字が17個書いてある・・・・。もう、たまらなくなってこのジャケットを見ただけで買って
しまう。まさにジャケット買いです。CDの時代になりこういった楽しみは無くなり
ましたがその分手軽さや片面で80分位録音出来たりといったメリットが出てきま した。紙ジャケはLPとCDの良さを両方持った物でむかしの記憶を甦らせる魅力を持っています。勿論、演奏の方もジャケット同様に素晴らしい内容です。特に
「ゴールデン・イヤリングス」のサウダージ(哀愁)をたっぷりと含んだ演奏と
ジャケットのイメージはぴったりはまります。

 紙ジャケの魅力といえばブルーノートを忘れる訳にはいけません。特に1500番台の中で1588/クール・ストラッティン(ソニー・クラーク)や鳩のサド・ジョンの愛称 で知られる1527/ザ・マグニフェセント(サド・ジョーンズ)などは特に有名です。
数えあげたら切りがありませんが創始者のアルフレッド・ライオンの意思を受け
フランシス・ウルフ(写真)、リード・マイルス(デザイン)が作りあげたジャケットは、今見ても魅力的です。最近はジャズ以外でも紙ジャケ化するCDが多くなって
来ましたが、LPをそのまま小さくしたみたいで、とても愛らしく見えてきます。
 ちなみにブルーノートレコードの1500番台は何枚あるかご存知ですか?答えは 100枚ではなく98+1枚です。1501番のマイルス・デイヴィス・オールスターズ/
マイルス・デイヴィスから始まり1553番の欠番を除き、1599番のソウル・スター
リン/ベニー・グリーンまでの98枚です。+1枚は1600番のイントロデューシング/ザ・スリー・サウンズです。

《一言いわせて》
紙ジャケは普通のCDのケースに比べて1cm程大きくなって
いますので、CDラックを選ぶ時は少し大きめな物がお薦めです。

2月○日『晴れ』糸井 司

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