『BLUES-ETTE』
CURTIS FULLER

カーティス フラー(tb)
ベニー ゴルソン(ts)
トミー フラナガン(p)
ジミー ギャルソン(b)
アル ヘイウッド(ds)
SAVOY COCB50291
●1959年5月21日録音


『モダンジャズの輝いていた時代』
・・・『ファイブ・スポット・アフター・ダーク/カーティス・フラー
を聴きながらお読み下さい』
 50年代後半から60年代の前半にかけては、モダンジャズの一番輝いていた
時代です。そしてこの時代に生まれたのがこの『ブルースエット』の中の
「ファイブ・スポット・アフター・ダーク/カーティス・フラー」です。当時ニューヨークにあったジャズクラブ「ファイブ・スポット」でハウスバンドとして演奏していた
カーティス フラー(tb) とベニー ゴルソン(ts)は1年間という長い期間、リズム
セクションをそのつど代えながら「ファイブ・スポット」で演奏していました。
そしてその期間が終わった後でサヴォイからレコーディングの話があり録音
されたものです。トロンボーンとテナー・サックスでどんなハーモニーが出せる
のか色々とためしてたどり着いた結論が、今聴いている演奏です。わたしは、
トロンボーンといえば、古くはグレン・ミラーとかJ・J・ジョンソン位しか思い浮び
ませんでしたがフラーを聴いてから興味を持つ様になりました。フラーはハード・バップ以降の名手であり、今までのトロンボーンとは一線を画しています。大体
トロンボーンは、三味線と同じで押さえる所が無く全て自分の耳で聴いて音を
出さなくてはいけないので難しい楽器だと思うのですが、その中でフラーは低音 で勝負出来る数少ないトロンボーン奏者です

 この連載を初めて色々の方々からメールや電話を頂いておりますが、この所、気になることが出て来ました。それは、昔ほどお客様とのコミュニケーションが
取れていないのでは無いだろうかということです。特に最近はインターネットの
普及から実際に話や直接会ったりせずに値段だけの商売も多くなって来ました。 勿論、それはそれで良いのですが、やはり感動はありません。買ったお客様と、買って頂いたわたくしもお互いに感動出来る様な関係になったらよいなぁ〜と
思う今日この頃です。

《一言いわせて》
この「ブルー・スエット」は「サヴォイ」から出ているのですが
「サヴォイ」の魅力はブルーノートやプレスティッジとは
又一味違う物であり、まさにGood Taste(趣味の良さ)です。

1月○日『曇り』糸井 司

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