『THELONIOUS
 MONK TORIO』
THELONIOUS MONK

セロニアス・モンク(p)
パーシー・ヒース(b)
アート・ブレイキー(ds)
PRESTIGE 7027/VICJ-60280
●1954年9月22日録音


『セロニアス・モンクという天才』
・・・『ブルー・モンク/セロニアス・モンク・トリオを聴きながらお読みください』
 よくジャズの巨人という言葉をスイングジャーナル等を読んでいると出てきますが、セロニアス・モンクも間違いなくその一人に数えられるジャズ界の天才的
巨人です。まず、曲を聴いてみて下さい。そして感じて下さい。まぁ、簡単にいうと普通の人間では考えられないような独自のアイデアとコンセブションによる表現を 探求し、リズミックなパターンやアクセント、独自なタイム感覚で演奏すると言う事なんですが、様はだいぶ変わっているということで、聴く人によっては好き嫌いが はっきり出てくるのですが、一度好きになるとたまらなくなってしまう魅力をもっています。『セロニアス・モンク・トリオ』のブルー・モンクと言う曲は、そのなかでは 聴きやすく直ぐに口ずさめるのですが、そこはモンクと言いたくなる様な独自の味を出しています。この頃のモンクはやっと世間一般の人達から正当な評価を受け 始めたころで、今程、一般的に受け入れられていませんでした。どちらかと言うと後輩のバド・パウエルの方が華やかなスポットを当たっていましたが、その溢れ んばかりの才能は仲間うちでは評判でした。モンクの生涯の名曲で「ラウンド・
ミッドナイト」と言う曲があり、今まで色々なアーティストが取り上げていますが、 やはりモンク自身の演奏が最高です。やはりモンクはジーニアス(天才)です。

 最近はわたしのつたない文章を読んだ方からメールを頂く事がすこしづつ多く
なってきました。ほんとうにありがたいことです。書いていて反応があると言う事 は、張り合いの出るものです。わたくしがこのコーナーを作るきっかけになったのは、作家の池波正太郎さんの書いた「銀座日記」という本のように、わたくしの 思っている事をお客様に素直に伝えたいと思った事です。池波正太郎と言えば、「鬼平犯科帳」や「刺客商売」などで有名な時代小説作家ですが、この「銀座
日記」は日常の何の変哲の無い事を書いているのですが、わたしにとっては
非常に共感出来るところが多くあり、おもしろく読ませて頂きました。勿論、
わたしのつたない文章とは違いますが、すこしずつジャズを通じてオーディオ
の事を書いていこうと思っています。

《一言いわせて》
この「セロニアス・モンク・トリオ」は、あの渡辺満里奈さんが
某番組の撮影で、店に来店された時に試聴用に持ってきたCDです。
モンクはオジサンだけでなく幅広いファンがいるんだなぁと感心した
ことがありました。

11月□日『曇り』糸井 司

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