『NIGHT LIGHTS』
GERRY MULLIGAN

ジェリー・マリガン(bs,p)
アート・ファーマー(tp,flh)
ボブ・ブルックマイヤー(v-tb)
ジム・ホール(g)
ビル・クロウ(b)
デイヴ・ベイリー(ds)
PHILIPS UCCM-9058
●1963年9月12日&10月3日録音


『ジャズと夜景』
・・・『ジェリー・マリガン/ナイト・ライツを聴きながらお読みください』
 わたしにとってジャズとは正に大人の雰囲気、そう景色で言うならば都会の
夜景、出来ればマンハッタンの夜景(勿論、行った事はありません)をイメージ
してしまうのですが、そんな雰囲気にぴったりはまるのがジェリー・マリガンの
『ナイト・ライツ』です。まぁこのアルバムの欠点は昼間聴いても雰囲気が出ない ことですが、大都会の慌しい一日も終わり、そろそろ昼間の熱が冷め、皆が
寝静まるの頃合の時刻にオンザロックのバーボンを飲みながら、自分の気持ちを クールダウンさせる時にはぴったりです。まぁ言ってみれば心地良い曲ばかり
なのですが、その中にボサ・ノヴァが2曲(カーニバルの朝、プレリュード:ホ短調) 含まれています。当時ブラジルのリオデジャネイロで誕生して世界的なブーム
になっていたボサ・ノヴァも、ここではソフト・サウンドに仕上がっています。
ジェリー・マリガンといえば豪快なバリトン・サックスのイメージが強いのですが、こういったソフト・サウンドもたまには良いのではないのでしょうか?このアルバム
の最期に、ウィズ・ストリングス入りでジュリー・マリガンがクラリネットを演奏しているナイト・ライツが入っていますが、この曲を聴く頃にはそろそろお酒も効いて
来て、心地良い眠りが近づいてきます。

 わたしのいる秋葉原もそろそろクリスマスのイルミネーションの飾り付けが
目立ってきたこの頃ですが、店の方は相変らず売上に追われた日々を過ごして おります。その中でサウンドハウスでは新しい企画として5階のフロアを完全
予約制にしてお客様に最高の状態で試聴して頂き、機種選定のお手伝いをする 「オーディオ・グリーン・チケット」を作りました。詳しくは今月末発売のオーディオ雑誌に掲載されますのでそちらをご覧ください。この企画はわたしがいつも思って いたもので、一人のお客様に対してのみ接客して、納得のいくまで試聴して
頂こうというで正に「試聴が基本」という内容です。ご希望やご質問はお気軽に
わたくしまでご連絡ください。お待ちしております。

《一言いわせて》
このジャケットを見ているだけで雰囲気が伝わってくるようです。
よくLPの時代に「ジャケット買い」という言葉がありましたが、
曲を聴いているうちにLPと比べると貧弱だったCDのジャケットも
可愛くてなかなか良い物に見えてきました。

11月○日『晴れ』糸井 司

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