equipment I m p r e s s i o n |
ここでは、日々接した機器のことや試したシステムのことを中心にご紹介します。 |
08.5.30 | |
NuForce P-9 / Reference9 V2 SE | |
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プリアンプの"P-9"が45万円、パワーの"Reference9 V2 SE"がペアで70万円とセパレート・アンプとしては比較的リーズナブルな価格ですが、ここ最近ちらちらと噂も入ってきていたので、聴いてみたと思いデモ機を輸入元様のご厚意で用意してもらいました。 最初は慣らしもあり、プリはJ1の"プライマリー・ラック”パワーは同じくJ1の”アイソレーション・プラットホーム”に「ポン置き」状態です。 スピーカーは"V3"ですが、全体のトーンとしてはパステル・カラー調で一聴して高S/Nからくる音抜けの良さにまず感心します。 まず、手軽にできるところから"P-9"のプリ部だけにインシュレーターを使用してみましたが、これは効きました。 プリをセットしたJ1の"プライマリー・ラック”は、濁りの原因になる微少な振動による附帯音に対する消音性に優れたラックですが、効き過ぎると少し表現に対する抑制も目立つ傾向にあります。 "NuForce"の造り自体も悪くは無いのですが、何しろ小さくて軽いせいかインシュレーターも含めて、セットアップの仕方によって敏感に反応しそうです。 そして、激変したのは電源の取り回し。 もちろんデリケートな音色や音楽的な陰影感の表現など、はるかに高い他社の上位機種と比較すれば言いたくなることもいろいろありますが、結局は最初に感じた中・低域に対する不満も払拭されて、均整の取れた自然な鳴りっぷりはコストパフォーマンスで評価すれば「抜群」ということになると思います。 |
08.5.04 | |
YG Acoustics ANAT Reference II | |
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遅ればせながらのインプレッションになってしまいました。 先月の27日までの約10日間じっくりと聴かせてもらいました。 今回このフローアーに来たのは以下のシステムになります。 ・ANAT R II-MM ・ANAT R II-SS/P リファインしたANATにパッシブ・サブ・ウーファーというシステムです。 このシステムをほとんどの場合、以下のシステムで鳴らしていました。 <プリアンプ> Ayre KX-R # AC Cable:Shunyata <CD/SACD> <アナログ・プレーヤー> <パワーアンプ> <スピーカー・ケーブル> ほとんどの場合パワーアンプはMX-RでのAyre純正組合せでしたが、途中STRATOSを数日お借りして鳴らすことも試みました。 さて、"YG"と言うとどんなイメージをお持ちでしょか。 私が最初に聴いたのは2005年だったと思いますが、最初のANAT-MMのそれも新品だったものですから、印象は強烈でした。 音を出しての第一印象は「音質が変わったな。」というものでした。 エキセントリックとも言えるほどの個性的な音場の構築力はそのままですが、入ってきた音全てを素のまま出し切る「精密さ」に「繊細さ」も加わった感じでしょうか。 また、以前の"ANAT"ではあまり感じることの無かったウェットな質感も楽器や声によってはかなり感じます。 簡単に言うと、インパクトが薄れた分私にはこの方がナチュラルに聴こえます。 しかし、これまでの"YG"同様揺るぎない、淀みない音場の中に微細な音ひとつひとつが際立ち、決して埋没したり崩れたりしない絶対的な安心感があります。 私は普段それほどの大音量派では無いのですが、今回は気が付くとかなりの音量で試聴していました。 音量をいくら上げても、一音たりとも崩れずまた音場空間の変化も見られません。 そして、全くうるさくならない。 しかし、聴き終わった後はいつになく疲れていましたがそれは「心地よい疲れ」でした。 ここまで鳴らせば聴く方も自然と力が入る、ということでしょうか。 真剣に対峙する"Reference"の名にふさわしいスピーカーだと思います。 |
08.4.06 | |
Ayre KX-R ...その2 | |
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"KX-R"の展示を正式に開始してから今日で10日ほど経過しました。 これまでのところ常時以下のシステムで使用しています。 <CD/SACD> <アナログ・プレーヤー> <パワーアンプ> Wilson Audio:System 8 #Speaker Cable:JORMA NO.1 Cable この10日間でもっとも感じたことは、"KX-R"のことよりもこれまで約一年間使っていたパワーアンプの"MX-R"に対する認識が少々変わってきたことです。 ここにあるウィルソンのシステム8がこれまでで一番良く鳴っていると思います。 |
08.2.19 | |
Ayre KX-R | |
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輸入元アクシスのHPにスペック等詳細が載りましたので、細かな仕様についてはそちらをご覧下さい。 このフロアーにあったのは実質1日、その中で飛び飛びに聴いていたのでもっともらしいことは言えませんが、こういった初めての製品と対峙した時の最初の印象が、そのまま確信に変わることも珍しくないというか、そういった場合の方が多いのではないかとも思いますので、極々簡単に印象だけお伝えしようと思います。 システムとしては、"P-03+D-03+G-0S" - "KX-R" - "MX-R" - "System 8"でセットし途中でアナログ(XERXES 20 + Sutherland)も少し聴いたりしました。 時間が無かったので、あれこれしないで手の空いた時に聴くとという感じでセットもただ置いてつないだだけ、というのに近いです。 まだ耳も馴染んでいない状態で最初に感じたのは「音数が多い」と思ったことと「左右のセパレーションが気持ちいい」という何とも素朴な感想です。 「音数が多い」というのは、まぁ分かるとしても「左右のセパレーション」というのは自分でも可笑しくなりました。 音質はもちろんですが、情報量とか密度とか空間の構築・定位というスタンスで計る姿勢が身に付いていると思っていたのですが、「左右のセパレーション」ですからね。 在りもしない空間を創造するのではなく、正直に再現するといった感じでしょうか。 その辺が良いのか悪いのかは今は全く分かりませんが、アナログを鳴らした時の古臭い音楽でもあまり違和感は無かったです。 ただし、「音数が多い」のと「懐っこい」雰囲気がどう両立するのかがまだ分かりません。 何と言っても、まだろくに聴いていないに等しい状態で今あれこれ書くと後で後悔することになりますので、この辺で止めておきます。 |
08.2.10 | |
NAGRA CDC | |
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ナグラのプリアンプ機能付きCDプレーヤー"CDC"です。 ナグラと言えば業務機ですが、その制作チームによって作られたCDフォーマット専用のプレーヤ3機種が昨年市場にでてきました。 ここでは、"CDC"からパワーアンプへダイレクトの時もあれば敢えてプリ・アンプを介して鳴らしている時もあります。 アナログ変換は24ビット8倍オーバーサンプリング、しかしアルミ削り出しのシャーシでDAC部をカプセル化するなど、パーツの選択と無駄を排した作り込みで濁りも揺れも無い一音一音の粒立ちを実現しています。 |
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そして、これがナグラ・モノブロック・トレーと呼ばれるピックアップ・メカ、ディスク・トレー、そしてプレイバック・モジュールを一体化したフロント・ローディング部です。 メカそのものはフィリップスのCD-Pro2Mを搭載、これがトレー部と一体となって開閉する様は、なかなかのものです。 下の写真はCDをセットしたところ。 |
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これが背面。 輸入元:大場商事 NAGRA CD Player |
ナグラのプリアンプ機能付きCDプレーヤー"CDC"は昨年の7月下旬頃マインドショップの時から使用していて、このフロアーの定番のひとつでもあります。 展示導入した時の最初の印象が以下です。 ---------------------------------------------- ひとつの音が出てくるまでの間(ま)、そしてひとつの音が消えてゆくまでの時間の流れ、それらが繰り返しお互いに重なり合いながら大きな波長を作っていく・・なんだかこのプレーヤーで聴いていると別々の波長が共鳴しあって次第に大きなひとつのバイブレーションになっていく様がよく分かる・・と言うかそういった聴き方になってしまいます。 まだ使い始めたばかりですが、このCDプレーヤーを語るのに解像度がどうこうとか、実体の存在感云々といった言葉の羅列が陳腐な感じがするほど、どんな音楽も自然に鳴らすような気がしております・・さてどんなもんでしょうか。 *2007年7月28日 (土) ---------------------------------------------- この印象は今でも変わっていません・・簡単に言うと私の好みです。 もう一つ好みということで付け加えると、 「開放感」を感じることです。 この場合の「開放感」は、突き抜けるようなとか底抜けの明るさということではなく、感情を自然に解き放しているとでも言えるような、深い悲しみや至上の喜びを素直に現してくれているように感じることです。 表情や表現に「用意」されていたようなスクェアーなところが無く、 機器を意識することなく音に耽溺できる、といったところでしょうか。 このフロアーでリファレンスとして使用しているESOTERICの"P-03/D-03"とは違った意味で、しばらくの間は手放せないプレーヤーです。 |
07.12.31 | |
B&W Signature Diamond | |
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木曜日に"B&W Signature Diamond"の試聴機が来ました。 |
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送り出しは"ESOTERIC P-03 / D-03"で、NBSの"OMEGA AES/EBU"2本でデュアル接続しています。 |
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プリとパワーは"VIOLA"の"Cadenza"と"Forte"です。 今回たまたまその組合せで、"Signature Diamond"を鳴らす機会に恵まれましたが、もちろんここのフロアーのリファレンス"Ayre MX-R”との比較にもなります。 D-03からは"Transparent MUSIC LINK ULTRA"での接続、SPケーブルはいつも通りの"JORMA NO.1"です。 |
私の感じたことをそのまま言葉にすると「素晴らしい!」「希に見る完成度!」「至上のバランス!」と言うことになります。 世の中の99%の人には私の好みなど関係ないと言うことは分かっていますので、恐れず「好みでない」と言ってしまうわけですが、それと素晴らしい作品へ対する評価と尊敬はやはり別のものです。 聴く前のイメージでは、高域がもっと立つイメージだったのですが、思いの外強調感もない・・どころか大人しい印象を持ちました。 そして、一番感動したのはそのちょうど良い具合に設定されたレンジの中での解像度が抜群なことです。 レンジが狭いのを「中域重視」と言っているのとは次元が違います。 パワーアンプは"Forte"でも"MX-R"でもそれぞれのアンプの持ち味、特徴が良く出ます。 さて、こんなに素晴らしいのに「好みでない」理由ですが、私としては何となくかけるソースを気にしてしまうんですね。 ところが、大雑把に言うと私にはアナログよりもCDの方がいい音に聴こえてしまうんですね。 CDの方がしっくりくる、というのはある意味「福音」でもあるのですが 「好みでない」という理由もけっこう低次元だなと自分でも思いますが、これもオーディオですね。 結論:"Signature Diamond"はこれまで聴いた2ウェイスピーカーでは最高です。 |
07.12.14 | |
速報!MAGICO "V3" | |
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ミッドとトゥイーターです。 いずれにしても、初めて見るものは新鮮ですし興味もあります。 |
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素晴らしいたたずまい、私はこういうのが好きです。 3Way、4スピーカー、完全密閉・・ユニットの口径も小さいし |
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これは昨日の写真です。 ESOTERIC"P-03+D-03"MarkLevinson"NO.326S"+Lindemann"855"で鳴らし始めましたが、それまで鳴らしていた"Thiel CS3.7"よりもさらにアンプに厳しい手応え。 しかし、新型のLindemann"855"はけっこう気持ち良くドライブします。 厳しさとかはありませんが、大人の雰囲気というか輪郭を甘くすることなく音楽の持つ波長をジワーっと出してくる感じです。 この良さは年をとるほど分かる・・といったところでしょうか。 |
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昨日はその後パワーを"Ayre MX-R"に代えてドライブしましたが、その時の印象はLINDMANNの時に感じた音の切れの良さと情感の密度のバランスが更にデリケートにそしてストレートに、背景に溶け込んでいるのに、くっきりとぶ厚い音になったように感じました。 左が今日のセットです。 |
初めての製品で「感動」に近いものを感じたのは久々です・・CDC以来でしょうか。 また、背景との距離感や空間表現も私的にはドンピシャリです。 オーディオで一番大事なのは「何をどう聴きたいか」だと思いますが、真剣勝負するつもりならこのスピーカーは音楽のジャンルを問わないのではないでしょうか。 パワーアンプを"NAGRA MPA"に代えても鳴らしましたが、ヴォーカルやソロ楽器などはより親近感を感じる鳴り方になります。 しかし、ステサンのグランプリにあれが入ってこのV3が入らないなんて人によって好みが違うんだなーと実感した次第です。 追記>明日このデモ機の貸し出し延長をお願いしてみるつもりですので、叶ったらお知らせします。 |
07.11.25 | |||||||
Wilson Audio "System 8" を NAGRA" MPA"のB.T.Lモノで鳴らす。 | |||||||
![]() -- いちばん奥の縦型2台が"MPA" -- |
すでに生産完了になっているNAGRAのステレオ・パワーアンプ"MPA"ですが、このアンプがB.T.L接続できることは意外と知られていません。 元々あった1台にもう一台を追加して、モノ・ドライブでウィルソンの"System8"がどう鳴ってくれるのか。 |
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ちょっと分かりにくいかも知れませんが、B.T.L時の接続はこうなります。 スピーカー端子の間に、ステレオとブリッジの切り替えスイッチが付いています。 ただ、取説を見ても「8Ω時最大250W」とあるだけなので、はっきりとは分かりませんが、実効はこれの2〜4倍の出力ということになります。 |
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プレーヤーは同じくNAGRAの"CDC"です。 プリ機能が付いていますので、SYUNYATA"Antares"で"MPA"にダイレクトに接続します。 "CDC"の下に見えるインシュレーターはJEFF ROWLANDの"JS-32" 音像の鮮度が上がり、 試聴時には最適です。 |
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さて、"System8"ですが・・どんなもんでしょうか、これまでのよく聞く印象としては一言で言うと「ファイブからの流れからくる鮮烈なイメージが若干後退した代わりに大人になった・・」というところではないでしょうか。 ジャズもクラッシックもロックも、極めてタイトで音像が活き活きと浮かび上がり、まさに演奏者の一挙手一投足が手に取りように伝わってきます。 ウッドベースや生ギターの胴鳴りも、スピーカーからと言うよりもあたかも"System8"自身が楽器と共鳴しているかのようなリアルな波動を感じることができました。 NAGRAの持つナチュラルなざらつき感とでも言うのでしょうか、決してきれいなだけではない生の人間の演奏を肌で感じます。 以前のモデルから"System8"を進化したととらえるなら、それは「深み」だと思います。 |
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