《HAL's Monitor Report》


No.0097 - 2002/3/10

愛知県名古屋市在住
          H.A.L.'s Circle Review-☆-No.0119に
          登場した名古屋に住んでるT・I 様より

モニター対象商品 GOLDEN SOUND-ACOUSTIC DISC

http://www.inter-spc.co.jp/gs.html
http://www.dhcones.com/home.html


リスニングルームの様子


オーディオにとって部屋の音響特性の大切さは従来から強調されている
ことである。上杉佳郎氏はスピーカーユニットの後ろを包むのがエンク
ロージャーであるとすると、前を包むのは部屋だといって、いい部屋を
作りなさいと述べられている。

ところが、音のいい部屋を作るのは結構難しいもので、音響の専門家が
作ったオーディオルームは昔から音が悪いといわれている。

どうも、響きすぎる傾向があるようである。

昔の音の堅い国産スピーカーでは、ライブ傾向がよいとされ、従って、
昔のオーディオ入門誌を読むと必ず、ライブ気味にしなさいと書いてある。

それに意義を唱えたのは、かの有名な五味康介氏で、いいスピーカーなら
デット気味がよいと述べられている。その氏をして、生涯の最後のリス
ニングルームはライブ気味につくって、悩みを自著に打ち明けられて
おられた。

結局、普通の部屋にソファーや家具や色々持ち込んで響きを整えなさい
というのが、オーディオの先輩方の意見であったようである。

こういう、ある意味いい加減なオーディオルームの音響に大きな改善を
もたらしたのがラスクという、粗鉄のかたまりの板で、これは、特に
低音の吸音に効果があった。

が、吸音しすぎの面が強く、また、表面がぼろぼろになって使い勝手が
悪かったらしい。
いまは、新幹線など騒音の吸音に使われているそうである。

その次にでてきたのはQRDシステムで、吸音と反射を適度につけることが
可能になり、ステレオサウンドの試聴室でも使っているし、川又氏も
使っていて、一押しのアクセサリーであるのは皆さん御存知の通りです。

では私はどうしているのか、なにを使っているのかというと、今までなに
も対策を取ったことはないし、なにも使ったことがないんですね、これが。

今までのリスニングルームは居間と兼用の18畳、でもって、リスニング
ポイントの後ろは食卓、その後ろはカウンターで台所、で、いろいろ梁が
でていたので、あまり、定在波を感じなかったのです。

が…しかし、昨年10月に引っ越しをしてリスニングルームが10畳の
応接間兼用になって定在波なるものを感じるようになったのです。

いろいろ、スピーカーの位置をずらしたり、ソファーやテーブルの位置を
ずらしたりしましたが、結局だめ。

珪藻土の壁紙を張ってあるのですが、4面コンクリートで、部屋が四角
すぎるのか良くないのだろうと思われます。

また、ど真ん中に飾り戸棚があるのも良くないのでしょうね。
(参考までに写真を、見れば分かるとおりタンノイです。)

困ったなあと思いつつ、でも、QRDシステムみたいな目立つものは、
たぶん(というより絶対に)嫁さんが許してくれないだろうし、と思って
いたら、ゴールデンサウンドAcoustic discのモニターの企画があり、
胡散臭いと思いつつ、応募した次第です。

見た目の第一印象、「なんじゃこれは」ケースもショボイし、ものは
軽いし、まさしく1円玉とスポンジで出来たおもちゃみたいで、こんな
もん張って何か変わるのだろうかという感じ、「だまされたかも」と
いう、気分がよぎる。

まず、メーカー推奨の天井のコーナーに3つ張る、これを、スピーカー
の背面に行った。嫁さん曰く「変なものを張っているわね」音を出して
みると、「あれ、音が変わっているぞ。?一聴して分かるのが、録音の
エコー部分と基音の部分がはっきりと分かれてそれらの音が上下左右に
パッーと広がるのです。ボーカルの口は小さく、残響はきれいに聞こえ
てきます。

バイオリン、チェロは弦を擦る音、ボディに響く音、また、それらの
余韻、これらが、リアルで美しい。で、低音に感じた定在波が、感じ
なくなって、低音楽器が鮮明になりました。

よりリアルに聞こえてきて、「これは有効!」ということになりました。

ここで、リスニングポイントの後ろに張りたいところですが、エアコン
があって張りにくいので、天井に張ってみることに。

天井は、真ん中が折り上げ天井になっているので、その4隅に張って
みました。ようするに天井で吸音して、音場を上に持ち上げようとい
うわけです。ところが、これは結果が良くありませんでした。

リスニングポイント側に2つ張ったところでは響きがすっきりして、
少し物足りない程度でしたが、4つはったら、すっきりしすぎて、
ひどく充実感が失われてしまいました。

次にサイドに張ってみることにしました。

両サイドにガラス戸があるので、中央に張ってみる。

しかし、これも、よろしくない。響きの豊かさがなくなって、聞いて
面白くない音になってしまいました。色々場所を変えてみましたが、
結局いいポイントは見つけられませんでした。

今度は、スピーカーの裏の床に1つずつおいてみました。

これは、低音がすっきりして解像度が良くなって有効でした。
しかし、床の上では、掃除機で吸い取られるかもしれないし、子供が
持っていくかもしれないし、と思案していたところ、気がついたのが、
スピーカーコードの接続端子がついている板。

ここは作りが落ちて、共振しそうで、スピーカーの背面の音が溜まり
そうだなと思って、張ってみたら、これも有効。

音場が奥に広がって、楽器の定位も良くなったようです。

反射音を吸音して音が改善されると説明書には書いてありますが、
僕の印象では、音の溜まり場みたいなところに張った方が良い結果が
得られるようです。

サイドとか天井は面で吸音するものの方がいい結果が得られる気がします。

僕の一押しの張る場所はスピーカーの背面の天井のコーナーです。
で、サッカーのディフェンダーと一緒で、3つ一組で(要するに3バック
で共振、反射音からの攻撃を押さえ込む?)考える方が良さそうです。

残りの4つはリスニングポイントの後ろのコーナーに2つずつ適当に
(コーナーからの距離もバラバラで)張ってみています。

これらは、まだ、明らかなメリットが認められないので、今後検討して
変更する予定です。

こうして、Acoustic discをセッティングしましたが、録音によって、
残響音がいかに使われているか分かりますね。

ポップスだと、スタジオ録音の方がナチュラルに感じます。
むしろ、ライブ録音は、録音条件の悪さから、色々いじっているようで、
改善されません。

クラッシックは昔のレコードでは、レベル別での録音のポリシーが
かなり違うことが分かります。最近のレコードでは、ややエコー過多
であるものもあるようです。ただ、あんまり分かりすぎると、多少
がっかりするレコードもでてくるのは仕方のないことでしょうか。

ということで、ゴールデンサウンドAcoustic discのモニターをさせ
ていただいた、ダイナミックオーディオ川又利明様、インタース
ペース西村美博様には感謝します。

見た目は小さくてショボイですが、リスニングルームの音響の大切さ
が手軽に分かる、音響が手軽に改善される、QRDシステムよりずっと
安い、ゴールデンサウンドAcoustic disc、僕はなかなかいいんじゃ
ないかと思います。皆さんお試しあれ!

ところで、支払いはどうすればいいでしたっけ!?? (*^_^*)


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