H.A.L.'s inspection event-2010 Vol.13-Hearing Report!!


No.0583 - 2010/9/21

東京都杉並区 M M 様より

Vol.1「音の立ち上がりや消滅した時の応答は抜群だと思いました!!」
 
前回の投稿をご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0542.html
 
以前の投稿をご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0528.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0521.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0514.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0477.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0458.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0432.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0425.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0311.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0295.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0286.html
 
今回は二時間のプログラムでしたが、使用したCDは四枚だけ!? 四曲しか使用
しない試聴会ということは、同じ曲を五回ずつ試聴して頂いたというハードな
ものだったのです。
 
最後に私が選曲した曲を教えて欲しいということでしたので、最初にご紹介
しておく事に致します。
 
http://onukitaeko.jp/blog/category/discography/19th_album/
■最初の曲は上記の03. 横顔 です。
 
http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/akiko-suwanai/discography.html

■諏訪内晶子/J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 BWV1041
12. 第3楽章:Allegro assai
 
http://www.spiceoflife.co.jp/rg_cd08_l.html
■8.Round midnightで比較して頂きました。
 
http://www.spiceoflife.co.jp/rg_cd08_l.html
そして1.「Splanky」この曲を少しだけ聴いて頂き、その対比として次の曲で比較。
http://www.stereosound.co.jp/cd/backnumber/ot/WPCL_10853_BigBandSound/
■WPCL-10852の1.「Splanky」前の曲を本物のビッグバンドで録音されたもの。
 
■印の四曲で合計20回も比較試聴して頂くという進行でしたが、お楽しみ頂け
  ましたでしょうか? そのご感想を早速頂きましたのでご紹介しましょう。
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
川又 様
 
昨日は5種類のHB-1聴き比べコンサートを実施して頂き、ありがとうございました。
目茶目茶面白かったです。記憶力の低下が著しく、全部を覚えてはいないので
すが、印象に残った特徴を書いておきます。
 
聴いた曲は(1)大貫妙子(2)諏訪内晶子のバッハVnコンチェルト1番から
三楽章(3)アカペラのコーラスによるジャズ(4)ビッグバンドのジャズ、
だったですよね。(はい、上記の通りですね)
 
【1:普通のMahogany@5000時間演奏済み】
 
どの曲を聴いても、このマホガニーの音が鳴ると、ホッとします。
(原音通りという意味ではなく)一番自然な響きのように思います。
 
長時間聴きっぱなしでも疲れないだろうと思わせる響きです。
鳴らし込みが1000時間以下くらいだと、どうしても低域の弱さが感じられますが、
このくらいのベテラン器になると大きな違和感は感じません。
ただ(1)の後半でバイオリンとチェロの伴奏があるのですが、他の機種に
比べると音色の差が小さいと思いました。個々の音色が強く表れないことが、
逆に聴き手をホッとさせる音色を作り出しているのかもしれないと思いました。
 
【2:メープルMPK@川又バージョン】
 
これは(3)を聴いた時に一番好みの音を出してくれました。
エンクロージャーの振動から発せられる音は、マホガニーに比べて抑制されて
いる感じがしますが、良い意味で響きがすっきりしています。
 
なので人間の声のハーモニーだけで演奏された曲にぴったりでした。
曲の最後に、男性ボーカルが極低音域で、半音階の下降音階を歌うところがあ
るのですが、マホガニーでは余韻に隠れて聞こえなかった音階が、クリアに聞
こえてきました。
 
同様の効果は(4)でもありました。複数の演奏者のリズム感がピッタリ合い、
同時に鳴るべき音が寸分狂わず同時に鳴っている状態を、「縦の線が合う」と
言いますが、金管楽器やサックスのまさに縦の線があった演奏が鮮明に聴こえ
てきて、ゾクッとしました。これはマホガニーにはない特徴だと思います。
 
(1)を聴いた時にも、バイオリンとチェロの音色の違いが鮮明に出てきました。
響きが抑制されて、原音に近い音色になったのではないかと考えていました。
それから、もう一つメープルの大事な特徴は、高音域のバイオリンの音色が
艶っぽく、色っぽくなることだと思いました。ただ、同じバイオリンなのに
D線やG線の音域になると音色が大人しくなってしまいます。
 
【3:HB-1MH Premier】
 
音色の方向性は「普通のマホガニー」と似ています。自然な耳に優しい音色は
同じですね。ただ、まだ鳴らし込み期間が短いというのにエンクロージャーが
良く響いているように思います。
 
従って、同じマホガニーでも音量が大きく感じます。同様に、その半面として
音の立ち上がりや終わりが甘くなる傾向があり、先述の(3)の最後の下降
半音階などは音程が聴き取りにくくなります。また、低音域の音量に関しては、
十分に鳴っています。この点は、マホガニーの弱点と思っていましたが、克服
されています。鳴らし込んでいくに連れ、今後どう変化するかが楽しみです。
 
【4:Hawaiian Koa & Goldener Madrona】
 
自分が普段使っている機種なので思い入れもありますが・・・、全部聴いて、
やはりこれが一番好みでした。
 
マホガニーのようにホッとする音ではなく、個々の音色が強く表現されることと、
音の立ち上がりや消滅した時の応答は、抜群だと思いました。(1)を聴くと
チェロの音に芯が出てきますし、(2)を聴くとバイオリンの艶っぽい音色が
D線やG線にまで拡大します。
 
(3)はメープルに譲ったと思いましたが、(4)でのテナーサックスは群を
抜いてセクシーでした。メープルは高音域を色気のある音にしてくれますが、
ハワイアンコアは中低域にそれを拡大してくれます。
 
また、ビッグバンドの縦の線がそろった演奏と、スパッとフレーズが切れた
時の無駄な音がない静かな残響は、感動的でした。
 
【5:メープル@インレイ付き】
 
これも、さすがに「普通のメープル」と特徴は同じだと思いました。
ただ直感的に、より音が太くなった感じがしました。
 
「普通のメープル」の方が、良く言えば繊細なすっきり系、インレイ付きの
方が音の芯が太く、響きをやや重視した感じだったです。当然と言えば当然か
もしれませんが、メープルの2機種が一番特徴が似ていました。
 
以上です。当日メモも取らずに記憶を頼りに書きましたので、もしかしたら
思い違いなどあるかもしれません。その際は御容赦下さい。
何せ、沢山沢山切り替えて聴かせて頂きましたので・・・。
 
本当に大変な作業をありがとうございました。
またの機会をよろしくお願い致します。
 
もし、お手数でなければ、昨日使用されたディスクを教えて下さい。
よろしくお願い致します。
 
御礼まで
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
川又より
 
M M 様ありがとうございました。同じ曲を五回ずつ試聴して頂くという考え
ようによっては退屈な試聴会だったかもしれませんが、このようにお楽しみ
頂けたという事で私も嬉しく思います。
 
ちなみに翌日行われた二回目の試聴会では五曲使いましたので、合計25回も
比較試聴して頂いたという事になりました。皆様本当にお疲れ様でした。<m(__)m>
 
モノ好きな企画? とは言え真実を知りたいという好奇心を満たすにはこんな
方法しかありませんから…(^^ゞこのような比較試聴で分かった事が皆様の
ガイドラインになれば何よりです。
 
そして、今回の企画に参加された半数以上の皆様が既にHB-1を所有していると
いうことからも、HB-1というスピーカーの奥深さを改めて認識させられるもの
でしたね〜。響きを作るとい概念はスピーカーの新しい設計方針として今後も
拡大していくのか?
 
いや、それは難しいかも…。フランコ語録にもありましたが、作り手のセンス
が伴わなければ良質なチューニングが出来ないからです。音の美意識を持って
いるかどうか、それは業界内でも希少な事だと思うからです。
 
それだけに貴重なHB-1はこれからも愛用者を増やしていく事でしょう!!
今回のハードに企画にご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました。


HAL's Hearing Report