Kiso Acoustic HB-1 Hearing Report!!


No.0541 - 2010/2/8

東京都稲城市 Y.Y 様より

Vol.15「これがオーディオの仕事人、真のプロフェッショナルと感じました!!」
 
川又 様
 
先日は貸切の状態で、更に試聴にまでお付き合い下さり、ありがとうございました。
篤く御礼申し上げます。また、販売実績に結びつかず誠に申し訳なく思っておりま
す。
 
私は川又さんの著作を通し、オーディオに掛ける熱意と知識について、少な
からず存じているつもりでしたが、実際に再生される音へのこだわり、販売者
としての姿勢など多くのものを学ばせていただきました。
試聴よりもこちらの方が収穫が大きかったです。
 
最高の素材を最高の料理で提供する三ツ星シェフのごとく、コンセントから
スピーカーまでの完璧なラインアップ、前日からの機器ウォームアップ、再生
するディスクの音量の最適化等々、すべて感心するばかりでした。
 
特に、再生するディスクの音量ボリュームの最適ポジションがすべて頭に入っ
ていることに舌をまきました。
 
音量は非常に大事で、小さ過ぎれば臨場感が失われ、大きすぎれば耳が疲れます。
基本中の基本かもしれませんが、その基本中の基本に忠実であることに凄さを
感じました。
 
スピーカーの位置と試聴ポジションも然りです。このように完璧な状態での
試聴は、多くの試聴室を訪れましたが、初めてです。
 
また、再生される音楽には、一切講釈を垂れず、テーブルに出した料理だけで
勝負する一流のシェフのごとく、スピーカーから放たれる音には、一分の隙も
ありませんでした。
 
接客も含め、これがオーディオの仕事人、真のプロフェッショナルと感じました。
 
ただ、ひとつ残念なことがありました。
持参したディスクには、私が長い間抱いていた音が入っていないことが判った
ことでした。これほどの完璧なシステムで再生しても、期待していた音を聴く
ことができないのですから諦めるほかないですね。
 
今回の試聴の目的は1972年に実況録音されたバートバカラックのコンサー
トディスクが演奏者の位置や奥行きを含め、臨場感そのままステージが再現で
きるかどうかを確認することでした。
 
コンサートの模様はテレビで放映され、当時中学生であった私は、そのステー
ジに釘付けになり、レコードが発売されるや2枚購入し、レコードでテレビで
見たステージをそのまま再現させたいと、ずっと思い続けてきました。
 
XRT20に出会って、これならステージを再現できる確信し、すぐに買い求め、
再生音のブラッシュアップを図ってきましたが、想うステージには、まだまだ
のままです。
 
XRT20の調整し尽くされた音がどのようなものか、確認するために当時、平河
町にあったエレクトリのXRT20専用の試聴室にでかけたこともありました。
 
試聴室で聴いたXRT20は想像を超えたものでした。
確かこのバートバカラックのディスクも持参したと思ったのですが、その記憶
よりも試聴室で用意された、カルロスクライバーの「こうもり」には度肝
を抜かれました。
 
レコードはとっくに廃盤になり、CDを早速買い求め、自宅で再演してみました
が、同じようには再現できませんでしたが、その実力は実証されているので、
それに近づくように日夜、試行錯誤の繰り返しでしたが、未だにそのステージ
は再現できずじまいです。オーディオは難しい!
 
前回、お訪ねしたとき、TADのパワーアンプが持ち込まれ、試聴の最中でした。
そのとき聴いたフィリッパ・ジョルダーノの「ハバネラ」の臨場感、奥行き、
定位、すべて見事なもので、これならバートバカラックもそのままのステージ
が再現できるかも知れないと直感しました。
 
試聴に先立ってお聴かせいただいたKiso Acoustic HB-1は印象に残りました。
小さいスピーカーですのが、器楽、声楽はいいですね。
余韻が綺麗に漂うスピーカーはこれが初めてです。
 
Guarneri Homageもいいスピーカーでしたが、Kiso Acoustic HB-1を聴いてし
まうと、色あせる感じです。
 
バートバカラックはこれまでとして、Kiso Acoustic HB-1で女性ボーカルを
聴き倒してみたいですね。
 
長々と脈絡もないまま書き綴り、ご拝読いただきありがとうございました。
これからも、宜しくお願いします。
 
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川又より
 
Y.Y様ありがとうございました。私のこだわりをご理解頂けた様子で大変うれ
しく思います。ユーザーの立場として色々なところで試聴体験がおありという
ことですが、他のところで聴いた結果の音質評価をお客様からうかがうことが
良くあります。
 
皆様の期待とは違う音を聴かされたというコメントも耳に致しますが、やはり
本質は自分で出している音質に対する美意識があるかどうか、ビジョンを持って
いるかどうかが勝負だと思います。
 
私が感じる美意識に共感して下さる皆様が存在するということで、私はこの
仕事を続けていくことが出来ているわけです。本当に感謝しております。
ぜひ、ここでの試聴が未体験であるという皆様、特定の製品にこだわらずに
先ずは私が美しいと思うもの、美味しいと感じているものを是非共感して
頂ければと願っております。どうぞ気軽にご来店下さいませ!!


HAL's Hearing Report