《H.A.L.'s Hearing Report》


No.0449 - 2008/9/13

横浜市保土ヶ谷区 R.S 様より

H.A.L.'s  Hearing Report-VIVID Audio G1 GIYA & B&W Nautilus!

Vol.3「今回の試聴ほど悩んだものはないです!!」

最新の投稿をご紹介します。この続編ともいうべきものです。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0448.html

■頭の中で考えたり想像するより、現実の体験

対決試聴を行って思い知らされたことは、頭で色々考えるより実際に起きる
こと、現実に体験することが大切だということです。

比較試聴する前に想像していました。

事前に考えていたのはG1 GIYAは新しいのでユニットが低否になっていること、
ウーファーが25cmダブルになり、ひとつのユニットに換算すれば36cm程度に
なることや、背圧の一部をバスレフとして利用するということで低域が拡大さ
れるだろうと想像していました。

対してノーチラスは正面から見たバッフル面積がより小さいので音場感が良く、
エレクトリッククロスオーバーを使うのでクオリティが高いだろう、そして
イコライジングされているので大音量は厳しいだろう、というものでした。

ただ、設計者が同じで考えが変わった様子もないので差は少ないだろうと想像
していました。

■思っていたよりだいぶ違いがある両機

★ビビッドオーディオG1 GIYA + ゴールドムンドテロス2500など

新製品のG1 GIYAから聴き始めました。

・マドンナ「レイ・オブ・ライト」

ハルズパーティーで聴いたSHM-CDの音が上方に展開したのが忘れられず選んだ
のが、トラック7:スカイフィッツヘブン。

G1 GIYAの低音が太くたくましいだろうということでの選曲です。
マドンナの中でも広く低音域が極度にブーストされたアルバムで、ダブ系とか
トランス系のサウンドという感じです。
音があちこちに移動することからこの曲を選びました。

しかし音の移動がハッキリしません。しかも意外なことにG1 GIYAはかなり
タイトでこのアルバムの「トランス状態」を思い起こさせる低音過多なサウンド
が再現されません。

精神状態が冷静で正常に聴こえます。

このアルバムは決定的に相性が悪いのではと判断し、ノーチラスでもかけませ
んでした。

・マドンナ「コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア」

前曲を聴き止めようかと思いましたが、トラック1:ハング・アップのイコラ
イザーとエフェクトの権化のようなこの曲をどう表現するか確認するためにか
けてみました。

前曲と打って変わって良いです。
かなりスリムに感じた低音はすばやい追従で力強くたくましく、テンションを
下げるかと思ったものの一転して良いです。前曲の音の移動がハッキリしない
と感じたことから解像度が低いのかと思い曲の最後の時計の音に期待していな
かったのですが、チッチッチッとカチカチカチ、チャカチャカチャカという
音がきちんと分かれてハッキリわかります。うれしくなりました!!

ノーチラスとの違いはG1 GIYAの方がより滑らかで分解能も高くエンジニアが
何をしているか、よりわかります。

・サザーランドデビューリサイタル・オペラアリア集

ランメルムーアのルチアから「あたりは沈黙に閉ざされて」やボレロなど。
ハープの音や、二人のソプラノが移動してこちらにくる再現などリアリティー
と解像度が素晴らしいです。

圧倒的なサザーランドのフォルテシモに心配したものの音割れしませんでした。
重要なのは古い録音だと粗を出すばかりで台無しにしてしまう高性能機器が
多い中で、音楽が楽しくのめり込めます。

・コンツェン・バイオリンソロ

バッハのパルティータ 第3番 BWV1006やヴァルガの蛇 ソロバイオリンのため
の幻想曲など。

超美音・超絶技巧バイオリニストでかなり明るく艶が乗った明晰な音色が特徴
です。特にヴォルガ作曲の蛇はツイーターが壊れる心配をするほどの演奏・録
音なのでかけました。

何ワット入ったのかわかりませんが恐ろしい音を一切汚れやにじみなく再生し
ました。コンデンサー型ではきれいなものの音が割れるかアンプがダウンして
しまう領域で、ヘッドホンでしか楽しめない世界がスピーカーで再生されました。

・ダイアナ・クラール「ラブシーンズ」トラック11:マイラブイズ

ウッドベースがかなりスリムに。しかし分解能が高くてビックリ。
現実のウッドベースはもっと太くふくよかなのでウーファーがもっと出てくれ
ばと非常に惜しいと思いました。


★B&Wオリジナルノーチラス + ゴールドムンドのデジタルクロスオーバー兼
 イコライジングとテロス600×8台

・ボールト指揮ヘンデル「メサイア」3枚組のディスク1

トラック5のバスのソロや17のバス、テノール、アルト、メゾ、ソプラノの
合唱LCネットワークを通さないからでしょうか。

質の高さや無音から立ち上がってくるあたりがハッキリ上です。
G1 GIYAがあくまで癖の少ない音色に対しバスの声が金属的で、こんなに
ノーチラスは特徴的な音だったかとかなり驚きました。

・スイットナー指揮モーツァルト「魔笛」2枚組のディスク1

前曲が素晴らしかったので強烈に期待してトラック3のフルートの魔笛が移動
するところから聴き始めました。

このディスクの場合はフルートが遠く高い位置からどんどんこちらに来て目の
前に来ます。しかし期待した割にハッキリせず落胆し、次のディスクにいこう
かと思いましたが、一応確認のため会話のシーンまで期待せず待ちました。

これはすごかったです!!

会話するバス、テノール、アルト、メゾ、ソプラノの位置がわかるのは今どき
のスピーカーは当たり前ですが、歌手が首を動かすことがわかります。

立ち位置が違うのでホールの響きや跳ね返ってくる位置が違っているのがここ
までわかるのも初めてです。

特筆すべき圧倒的なことは、スピーカーのそば、3cmくらいから15cmくらい、
そして、戻って10センチくらいと移動するのがくっきりハッキリわかります。

スピーカーの位置に音がへばりつかず空間を表現するのはホーン型以外のハイ
エンドスピーカーでは当然といえる昨今ですが、スピーカーから2、3cm、5cm、
7cm、15cmとスピーカーのごく近くを移動するのはハッキリ表現できません。

それが表現されたので驚き、かつ魅了されてしまいました!!

ノーチラスはすでに聴いているためちょっとしか聴く予定ではなかったのです
が、止めることができません。心を捉えて離さないのです。

大幅に時間超過してしまいました。

耐入力がG1 GIYAは800ワット、ノーチラスが300ワットでしかも低域はイコラ
イジングでブーストしなければならないことから音量の上限を気にして聴いて
みましたが特に気になりませんでした。

最後にかけたマドンナで大音量でかけた時だけは割れ気味になり下げましたが、
それ以外の曲では意外なことにウーファーではなくそれ以外のユニットがビビ
リ音を出す瞬間がありました。

この音場感の凄さに今回は用意されていないYGアコースティックスのボイジャー
と対決してみたいと言う気持ちがムクムクと湧き上がってしまいました。

ボイジャーは低域までピントが合い、しかも大音量でも一切それが変わらない
のです。ノーチラスと対決してみたいと思うのは当然でしょう。

川又店長、ぜひお願いします。

G1 GIYAやノーチラスは音量を上げてもボイジャーのように眼前に叩きつける
ようにはなりません。空間表現はそのまま音だけ大きくなるので、目の前に
叩きつけるように再生するのが目標なら違うと思います。


■聴くと相当悩む

G1 GIYAは新しい分、全域音色の癖が減っています。設計者がタイトな低音を
目指したと言っているとおりで生の楽器と比べるともう少し量が増えてほしい
と思うところがあります。

ただ振動板以外の音を付け足し解像度や分解能を下げてまで太くしたいと思っ
ていないと思いました。

最低域は量感がかなり少なくなるもののG1 GIYAのほうがやや広いようです。

ノーチラスは音色だけをいえば中域から広い範囲で金属的な音色があります。
自分が強く改善してほしかったのがそこよりも鼻声になることです。

ソプラノの高い音域以外、みな松本伊代ちゃんになります。

しかし、音場の表現力、S/Nの高さは差があり魅力があるのはノーチラスです。

かなり意外だったのは低音が太く重くたくましかったことです。
エネルギッシュでアメリカのスピーカーに聴こえます。

デビュー時のマランツのデバイダーのときは「ウーファーが40cm級であれば」
と低音の不足を嘆きました。しかも、むやみに軽く音楽が不安定で奇妙に感じ
られたものです。ゴールドムンドのデジタルデバイダーは絶対に検討すべきです。

二つのスピーカーで一番似ているのはツイーターです。
G1 GIYAのほうがほんの少し上まで伸びています。
音色はG1 GIYAのほうがニュートラルでノーチラスの方がやや華やかです。

G1 GIYAはやさしくスピーカーの左右に音が広がっていく感じです。
でもちょっと違う…。

そこで考えたのですがテロス2500、一台でドライブしていたことです。
テロス2500は無限の静寂の中から音が沸きあがり、限界がないかのような
ドライブ力、自然な音と感じていますが、完全マルチアンプのノーチラス対
バイワイヤーとはいえシングルアンプで駆動したG1 GIYAでは差があるように
思われます。

やさしいけれどノーチラスと比べS/Nに差があったような……

そこで川又店長にお願いです!!

ノーチラスには多少スリムになりますが間違いなく合いそうなオルフェウス
Heritage DACを、G1 GIYAにはウーファーに力感を与え活発で筋肉質、快活な
ソウリューション、あのフラッグシップモノラルアンプはブリッジではモノラ
ルで、解除するとステレオ機になると聞きました。
しかもブリッジ解除のほうが音が良いとも。

ぜひ、2台を使ってG1 GIYAのマルチアンプをお願いしたいのです!!!

スピーカー端子ががウーファーとそれ以外のユニットの2セット付いていると
代理店に確認したのでぜひバイアンプ駆動してみてください。

今の状態だとノーチラスの引き立て役のようです。
マルチアンプをしても音場感に差があるならスピーカーの差だと思います。

今回の試聴はした後本当に悩みました。
どちらも素晴らしいのですが、思っていたより二つのスピーカーが違っていた
からです。

悩ましいですが、もっと要求が出てくるので恐ろしいポテンシャルがある
スピーカーだと思います。

悩みに悩んで、感想を書くのも文章も長くなりました。
ありがとうございました。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

R.S 様また、悩んで頂いてありがとうございました。申し訳ありません(^^ゞ
そうです、両方とも素晴らしいのですが現在のNautilusの微妙なチューニング
は私が聴いてやりましたので、また結果的にはG1もそうですが細かいポイント
に対しては設定変更で微調整出来ますので、あくまでも一例としてご理解下さい。

また、バイアンプ駆動の課題も了解しました。それにしても注文している
展示品が入ってきてからということで将来のお楽しみとして下さい。

ふたつのスピーカーが大きく違っていたというこをご理解頂ければ何よりだと
思います。いわば異母兄弟のようなものですから両者ともに違って当然であり
そこに選択の楽しさがあるからです。今後も皆様の感想をお待ちしております。
ありがとうございました。

いるところです。ぜひご期待下さい!!


HAL's Hearing Report