《“I love B&W”H.A.L.'s Essay competition》


No.0366 - 2007/7/7

埼玉県上尾市 T T 様より

“I love B&W”H.A.L.'s Essay competition - Entry No.2

「B&Wの導入は大きな転換点であった」

最近の投稿をご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0361.html

使用している(した)B&W製品
B&W MATRIX801SERIES3
B&W Signature800

私がB&Wを最初に自宅に導入したのは2世代前のMATRIX801SERIES3でありました。

それまで購入したスピーカーは…
パイオニアS‐100→パイオニアS‐701→ダイヤトーンDS-A7→
ビクター SX-900Spiritsとダアイヤトーン以外、3WAY国産バスレフスピーカーを
変遷し、当時のスタジオモニターだった憧れのB&W M801S3へ。

理由は25年以上オーディオをしていて自分が普段音楽をモニター的に分析して聴く
という事に気付き、モニター的に鳴る3WAYバスレフスピーカーという事で、たど
りついた初の海外スピーカーでありました。

うろ覚えであるが当時使用していたコンポーネントはCDP:パイオニアPD‐T06
&デンオン DCD-S10(後にSACDプレーヤーSONY SCD‐1)アッテネーター:マラ
ンツ SL‐1 パワーアンプ:ラックスマン M‐7でした。サンスイのプリメイン
アンプAU-α907Limitedも一時期使用。

プリアンプ代わりにアッテネーターを使用していました。
コンポのラインアップはいわゆる初心者以上中級者未満程度でした。

M801S3導入時にはビクターとB&Wでは同じバスレフでも音の出方が違い最初はとま
どいました。それまで鳴らしてきたスピーカーと同じようにビクターのスピーカー
もポンっと置いておいてもちゃんと鳴ってくれましたが、B&Wを床に直置きにする
と低音が大きくかぶり気味でゴムのように弾性のある低音。

キリリと締まった低音の好きな私としては大変なショックでありました。
「こんなはずではない・・・」まずは兎にも角にもこのボンつく低音を何とかせね
ばならない。

当時団地住まいで床がヤワな畳だったのでTAOCのサウンドクリエートボードで床を
補強し、自作の金属とゴムのハイブリッドインシュレーターをかませました。

基本であるツイーターとスコーカーを耳の高さにすべく、重いスピーカーを持ち
上げ高さ位置を変えて試聴・・・と試行錯誤しました。当時ヒントになったのは
MATRIX801専用のサウンドアンカー製スピーカースタンドでした。

雑誌の写真からでしか分らないが、かなり高くスピーカーを備え付けるように
なっていました。そこでTAOCのスピーカーベースで大きく床から持ち上げると
「あら不思議」低音は締まり、音像がはっきりしてくるではないか。

良かれと思いM801S3のオーナーになった人はまずこの低音の処理につまずくので
はないだろうか。M801S3は床から20cm程度持ち上げると別物のように鳴り出し
ます。

B&Wスピーカーの外観は特徴的なツイーター・スコーカー、そしてウーハーのみの
マトリックス構造ユニットに目がいきます。

特に音響理論に裏打ちされたツイーター・スコーカーの形と前方投影面積の小ささ
は今でもB&Wスピーカーの特徴でもあります。

ようやくスピーカーを手なずけ、セッティングがひと段落し、そうするとちょっと
欲が出て来てスピーカーから出てくる音に物足りなさを感じ、川又さんから中古で
プリアンプのマークレビンソンのNo.26Lを購入。

「音色」というものを感じ始めました。この事でプリアンプの重要性を痛感しマー
クレビンソンからパワーアンプと同じメーカーであるラックスマンC-10にスイッチ。

このプリの出力は2系統出せ、B&Wもバイワイヤリング仕様なのでもう1台ラックス
マンM-7を買い増ししてLR片チャンネルずつドライブのバイワイヤリング接続に
トライする。

するとB&Wは解き放たれた音になり正解だった。さらにワイドレンジ方向に音は
広がり、LRセパレートにした事により音像がしっかりしてきました。当時M801S3
は最新鋭のスピーカーではなかったが最新のSACDとCDの違いもハッキリ表してくれ
ました。

SCD-1のリアにあるノーマルポジションとカスタムポジションを選べるスライドス
イッチの入り切りの差も分りました。「SACD=スーパーツイーターが必要」との
当時世間一般の誤った見識を証明できるものでありました。

またパワーアンプのM-7はBTLスイッチがありステレオをモノとして出力2倍で
スピーカーを駆動できたが、実際に実験してみて低音の表現が好みでなかったので
バイワイヤリングを選択しました。

スピーカーはそのままに、後日エソテリックのP-0s+VUK-P0&D-70vuそしてG-0sを
導入。フロントエンドの強化を図る。これは大きかった。モニター系のスピーカー
だけあって、インターコネクトケーブル1本を交換しただけでも音に反応が現れる。

ましてやフロントエンドのグレードアップはますますM801S3の魅力を高めました。
現在のマンションに引っ越してシステムを完成形にしようとC-10とペアである
ラックスマンのパワーアンプB-10を1Set購入。

すると低音の出方が大幅に想像と違う。バランスが大きく崩れ、パワーアンプの
ドライブ力がM801S3に勝っているのは一目瞭然ならぬ一聴瞭然でした。
色々なセッティングを試すもなすすべなし。

「これは困った」と悶々と失意の日々を送っていたが、たまたまダイナミックオー
ディオのHPに在宅中古品でB&W Signature800を発見。

「これだ!」と思い、早速川又さんにメールを出し押えてもらいました。
衝動買いである。

当時Nautilus801という選択もあった。H.A.L.Tでも何度も試聴していて価格も
ぐっと安い。しかしそのグラマラスなボディからの低音が実際自宅で過多になった
ら・・・と危惧しSig800の方を選びました。

B-10の有り余るパワーで能率の低いスピーカーを力でねじふせてやろうという魂胆
でした。そして待つ事二週間。タイガーアイのSig800が運び込まれました。

勿論真鍮のフェイズキャップも付けて(真鍮の錆びは「ピカール」という研磨剤で
ピカピカになります)。運送の方が「ベアリングからスパイクに交換しましょう
か?」と親切にも言ってくれましたが、まずはスピーカーのセッティングからと
思いそのままにする。

いそいそと接続して音出ししてみると、大正解!! 

Sig800とパワーアンプB-10は想像以上のマッチング。
ピンポイントでボーカルが中空に位置する。

低音も絶妙にコントロールされ締まっており思わずニンマリしついついボリューム
を上げてしまう。次の日からメジャーで測定しながらスピーカーの位置を5mm単
位で煮詰める。

内振りの角度・壁からの位置・リスニングポイントの位置・左右のスピーカーの
距離・・・。ボールベアリングなので移動は楽々である。

大分煮詰まったところでスピーカーベースをベアリングからスパイクに変更。
フローリングなのでスパイク受けを使用。

これでぐっと音がしっかりしてきてSig800本来の持ち味が出てきたように思う。
またケーブルもオールPADに変更。

これにより聴感上の歪み成分が取れ、電源ケーブルはオールトランスペアレントの
PLMM(ただしPI8から分配して接続)にした事によりエコー成分が倍かと思えるほ
ど長くなりました。

去年はエソテリックP-01&D-01を購入。フロントエンドの更なる強化を図る。
これが今の完成形であります。

音は日本刀の上を歩く感じとでも言おうか、とにかく厳しい音の方向でセッティン
グしている。電源ケーブルの極性を合わせ、デジタル系とアナログ系のコンポーネ
ント電源を分離している。

小さい事の積み重ねでどんどん磨きがかかっている。怪我の功名の具体的な例を
挙げると、トランスペアレントのPLMMに出会うまでは故長岡鉄男氏が使用していた
自作電源ケーブルの5.5スケのヨリ線版(長岡氏は単線)を使用していました。

MATRIX801シリーズ3を使用していた時に、全コンポーネントの電源ケーブルを
自作ケーブルに交換。すると聴いていてどうも違和感があり、丹念に調べて行った
ら自作電源ケーブルのその内の1本の極性を間違えてコネクターに接続していた
事が判明。
これもモニター系のスピーカーM800S3でなければ分らなかったであろうと思う。

私は主にJ-POPの女性ボーカルしか聴かないが、自宅のB&W Signature800はピンポ
イントで中空に口が位置する。

恐れ多くもH.A.L.Tより口元が小さいと自負している。
低音はダブルウーハーという事もあり音圧も申し分なくお腹に響く。

相当低い音域まで再生しているらしくCDソフトによっては時折部屋がビリつく事が
ある。

システムの音(音像・音色・音色等含む)の50%以上はスピーカーによって決ま
ると言う。私の場合はB&W導入してから、「いかにこのスピーカーを最高の音で
鳴らしてやろうか」とシステムを増強してきました。

気付いてみるとコンポーネントは中級オーディオからハイエンド・オーディオに
なっていました。

コンポーネントのグレードばかりでなく、スピーカーのセッティングの腕も上がり
勉強になりました。

H.A.L.Tがサウンドパークダイナにあった頃よりB&Wの変遷を聴いてきました。
オリジナルノーチラス・Nautilus800シリーズ・800dシリーズこれからも進化して
行くでしょうが、このB&W Signature800はしばらく付き合う事になりそうです。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

T T 様熱心な投稿を頂きまして本当にありがとうございました。そうでしたね〜
もうそんなに時間が経ったのですね〜、と私も懐かしく思い出してしまいました。
色々と歴史がありましたね。それをこの投稿で書き留めて頂き、私の担当するweb
ページに歴史の一ページとして掲載させて頂きます。記念になれば何よりでした。
これからもよろしくお願い致します。

他のB&Wファンの皆様もどうぞ投稿をよろしくお願い致します。<m(__)m>


HAL's Hearing Report