《HAL's Hearing Report》


No.0165 - 2004/7/13

千葉市 M 様より


「まさしくそこで歌っている!! これがハイエンドなんだ!!」

「前書き:H.A.L.へ至るまで」

当日も少しお話しましたが、私の中で音楽的に大きな印象として残っているものは
主に2つあります。

一つは、中学校の音楽の時間に聴いた、バイオリン曲のLP(当時もちろんCDなどあ
りません)の音色。

スピーカは3ウェイでメーカは今となっては記憶にもありませんが、そのバイオリン
の艶やかさに魅了されました。

もう一つは、1990年に来日したシンシナティ・ポップスのシンフォニー・ホール
公演を聴きに行ったこと。

「タラのテーマ」がこんなに美しい曲だったなんて、と感動しました。特に、
「タラのテーマ」の導入部のバイオリンが素晴らしい音として記憶に残りました。

この公演では他にもいろいろと感動させられましたがここでは省略します。

さてかれこれ7,8年も前になるでしょうか、映画をささやかな趣味としている私が、
オーディオに改めて興味を持つきっかけとなったのが、B&WのCDM1の購入でした。

最初はもう1ランク下の、サラウンドシステムを意識したラインナップのものを
候補として、とある量販店に出かけたのです。が、CDも聴くのならとの店員の勧
めでCDM1を試聴し、候補としていたものにくらべ広がりのある音を聴かせてくれ
たCDM1を購入したのでした。

その後インターネットでオーディオ関係のWEBページを見ているうちにダイナミック
オーディオのページにたどりつき、「音の細道」を暇があれば読んでいるという日が
続きました。

そのなかではからずもB&Wがノーチラスというすごいスピーカを開発したということ
を知り、いつかは聴いてみたいと思うようになりました。

また、ハイエンドオーディオに対する川又様の真摯な態度にも教えられることが
多く、自分の好きな音はどういうものなのかを確かめたいという気持ちも醸成さ
れて行きました。

いずれは、映画の趣味も含め、地下室のある家で心行くまで画や音を堪能すること
が私の夢となっています。

ずいぶん前置きが長くなってしまいましたが、こうしたなか、ただただNeoやノーチ
ラスといったスピーカを聞いてみたいという気持ちが高じ、HAL's Appointmentに
書き込みをしてしまったのでした。

すぐにOKのお返事を頂き、お気に入りのシンシナティ・ポップスのCDを中心に何枚
か持参し、予約の日、5555の7階を訪れました。


「H.A.L.へ」

緊張して訪れたHALでしたが、川又店長の気さくなご対応につられ、ずうずうしく
もお昼時間まるまるをつぶしてしまっての2時間があっという間でした。

まずは見た目の印象、どちらもそう大きくはないという感じですが、あの部屋だか
らでしょうか。実際家に置いたらやっぱりかなり大きいかな。

まずはNeoからということで、川又店長の課題曲を続けて聴かせて頂きました。

まずは記憶に間違いがなければ「アルルの女」(ですよね^^;)。
当然のごとくスピーカの存在は感じさせず、大きく広がる演奏にまずはレベルの
違いを感じてしまいました。
(CDM1と比較してはいけませんね…)

そしてオッターはまさしくそこで歌っている。

続くピアノは特に低音弦の独特の響きがしっかり再現れて、これも目前で演奏さ
れているかのようです。

そしてNeoの今日一番の強烈な一発、と思われたのが次の「ダイアローグ」から
のウッドベースとドラムだけの1曲目。

タムの張り切った「パン!」という音、バスドラムの響き、素人仲間でバンドを
やっているせいかついついドラムに耳がいってしまいましたが、シンバルの生々
しさといい、ここで圧倒されました。

そのあとはP0のリモコンを残して、店長は「週明けでメールがたまってますので」
と部屋をでられ、持参したCDを早速かけてみました。

シンシナティ・ポップスでも一番気に入っている、「マンシーニ・グレイテスト
・ヒッツ」から。

・ピンクパンサー
 トライアングルの金属音、サックスの生々しさ、途中と終盤でオケ全体がバンと
 鳴るのがうるさくない。なにより、ホールで聞いている気分を思い出します。

・ドラマーズ・ディライト
 サントラではなく、コンサート曲として作曲されたもの。ピッコロの空気感と
 いうのでしょうか、これも心地よく響きます。
 スネア、ティンパニ、バスドラの掛け合いが、位置関係もよくわかり楽しい。

・ビクター・ビクトリア:フィナーレ
 サントラの最後を飾る4部構成の曲。2番目の「クレイジー・ワールド」のバン
 ドネオンがなんとも気持ちよく、まさに癒されるような音。シロフォンもまさに
 金属を叩いている。
 最後、「ル・ジャズ・ホット!」の軽快にスィングするラスト。
 シンフォニー・ホールの公演でもこれが最後の曲で、団員たちがこの曲だけは
 本当に楽しそうに演奏していたのをまざまざと思い出します。

さて、卓上に置かれていたCDから、押尾コータローを勝手に取り出し、
「Merry Christmas Mr. Lawrence」。
これも実際の演奏を聴いているよう。一瞬、ギターの木の香りを嗅いだように
思ったのは気のせいでしょうね。

そのあと、バイオリンソロのCDからいくつかをちょっと聴き、ノーチラスに変えて
いただきました。

一聴して、スピーカの奥にまで音が広がるのがはっきり感じられました。
これを音場感というのですね。

これも持参したCD含め、何曲か聴きましたが、滑らかさと音場感においては、さすが
に魅力的と思われました。これで電源ケーブルまで万全の体制となったらどうなるの
でしょう、といった感じです。

ノーチラスは、仁王像のごとくオーケストラを従え、前後にも広い空間を感じさせ
るという感じでしょうか。

もちろん、Neoも大変に魅力的です。ノーチラスよりは音が前に出てくると言ったら
いいのでしょうか。その意味では、Neoの方が、S席で聴いたオーケストラの雰囲気を
よく出してくれると言えるかも知れません。

また、改めて、音楽は楽しむものだということをこの2組のスピーカは再認識させて
くれました。

一応メモを取ろうとしてはいたのですが、曲名を書いてしまうと、知らずリズムを
取っている自分がいたりして、これが家にあったら、これ以上の贅沢はないなあ。
でも私にも決して手が届かないというものでもない。
そういう希望ももらった気がします。

最後になりましたが、私のようなものに丁寧に対応していただいた川又店長はじめ
H.A.L.の方々に、この機会を頂いたことに感謝いたします。

昼時間までお邪魔してしまい、申し訳ありませんでした。

ながながと書いてしまいました。本当に得がたい経験の機会を与えて頂いたことに
感謝いたします。ありがとうございました。



HAL's Hearing Report