《HAL's Hearing Report》


No.0163 - 2004/7/4

東京都世田谷区 K M 様より


「そこに答えを見つけた気がしました!!」

No.1470のMです。本日は大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。
どうもありがとうございました。

私のように自分が音楽をやっていた人間にとっては、オーディオを趣味として
あれこれやっているうち、「音楽」を聴いているのではなく、「音」を聴いて
いるだけではないか、とのジレンマに、しばしば陥る事があります。

「音楽」をやってきた自分にとって、本末転倒ではないかと。

私自身、学生時代は大学のサークルの施設などでピアノを弾いておりましたが、
聴くとなると貧乏でシステムコンポも買えず、ましてや生活費から1枚のCDを
買うことも難しく、ラジカセで一生懸命エアチェックなどして好きな曲を聴き
集めていました。

当然そんな状態ですから、ステレオ再生すらままならず、環境としてはひどい
ものでしたが、それでも素晴らしい曲、演奏にめぐり合った時の感動は少しも
色あせるものでは無く、音楽仲間と夜更けまで聴きこんだり、お互いの演奏に
ついて議論しあったりしたことも、かけがえのない思い出であり、自分の財産
となっています。

今現在は就職してそこそこの収入を得、当時夢であった機材を手に入れ、欲し
かったCDを入手し、当時から比べれば天と地といえるほど恵まれた環境の中に
います。

しかし一方で、音楽に心ときめかせる事が少なくなった自分に気付いておりま
した。自分は間違った方向に行っていないか。

何か違うものを追い求めて、散財(?)し、感性が鈍化しているのではないかと
いう疑いが晴れないまま、もやもやとしていたのです。

本日、H.A.L1でお聞かせ頂いた音は、それこそ音楽再生のために究め尽くした
世界中の技術と情熱の粋であり、それに、川又様をはじめとする貴社の方々の
経験と、製作者に負けるとも劣らない音楽再生における情熱が融合して、具現
化されたものと言えると思います。

そして、そこに答えを見つけた気がしました。(川又さんの前では言葉になり
ませんでしたが。)

Stradivari Homageで再現された圧倒的な情報量と、腰の座った音像はいままで
に経験した事のないものでした。

そして、それを聴く自分に、昔のような感動が蘇ってきたのです。
(外見上は顔が大いにニヤけていたと思います(笑))

特にプーランクの室内楽においては、演奏者の指づかいや、お互いに呼吸を合わ
せる様子などが克明に伝わってきて、演奏者自身がこの音楽を心の底から楽しん
でいることが手に取るように伝わってきました。

これこそが音楽の喜びであり、自分が今まで培ってきたものであると、再認識す
る事が出来たのです。

いままで自分がオーディオで歩んできた道が間違っていなかったこと、そして
少々形は違えど、音楽に対する感動を味わうためにこれから進むべき目標が見えた
ことで、もやもやは吹っ切れそうです。

Stradivariも一つの解答となり得るでしょうし、川又さんからも、一瞬クラッと
きそうな魅力的(?)なご提示も頂きました。

また、私の現用のSPについての率直なご意見を伺えた事についても、大変感謝し
ています。とはいえまずは今の自分のSPをとことん追いこんでやろうじゃないか
と思っています。

まずアンプからでも、川又さんにご相談することは沢山ありそうですし、財布の
ヒモは確実にユルくなりましたので、またいろいろな事を教えて下さい。
本日は本当にありがとうございました。




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