《HAL's Hearing Report》


No.0134 - 2003/2/12

埼玉県春日部市在住 S・A 様より

 というよりも、もうHAL's Circleの皆様にとっては「読むのもイヤに
なるような長文を2回も!送りつけたヤツ」(いやいや、既に何回目に
なりますか?)と言ったほうが、多分お分かりの方が多いことと存じま
すが(^^ゞ

 今日は、私の勤務先の本社(東京にあります)にちょいと会議で呼ば
れ、思ったより早く?時間延長無しで会議が終りましたので、「そのま
ま帰っていいよ」と言われていたのを幸い、少し足を伸ばして秋葉原の
H.A.L.-Iをアポ無しで襲撃させていただきました。

 目的は特になかったのですが(イヤ本当はあったんです)、とりあえ
ず会員限定頒布の綾戸智恵のLP2枚を、『あれば』無くならないうちに
頂いておきましょう、という位の皮算用だったのですが…。
(国内向けは3千枚ずつ限定なので製造元も残り僅少!とのことです)

 まずは12月のA.O.Pでそれはそれはお世話になりました1Fの猪瀬様に
ご挨拶…と思いましたら、生憎用事で席を外されたところ、とのことで
そのまま7F、H.A.L.-Iに直行。

 アラ?川又店長、午後はてっきりTEAC様のほうにお出かけで論文審査
に外出中…と思いこんでいましたが、(私の勝手な思い込みです)シッ
カリいらっしゃいましたね。上遠野さんは接客中、福原さんは私が7Fに
上がった時はいらっしゃいませんでしたが、あとで見えられたかな?

 川又店長はもう私の顔見るなり「Aさん!またイイタイミングで!お
時間少しありますよね?面白いモノがありますので是非音を聴いていっ
てくださいね!」と。いや〜、私はLP買って即帰るつもり…。
うっかりH.A.L.の椅子に腰落ちつけると根っこが生えちゃうんで…。
既に2回ほど実証済みだし…。

 「お客さんもいらっしゃるようだし、今日はいいですよ〜。」「イヤ、
(商売抜きで)コレは是非聴いてください!」そこまでおっしゃるなら
是非。(この時の川又店長のお顔はホントに『この音を聴いていただき
たい』という訴え方でしたよ!イヤ、本当にお世辞抜きです。)

 案内された席は、珍しく一番手前…。この位置に最初に坐らされたの
は確かに初めてですね。オォ!珍しいモノとはコレか!5555になって、
初めてのアナログプレーヤーが目の前で回って演奏しています。
『System AMAZON Referenz』定価174万円也のプライスタグが。

 カートリッジはパッと見、分らなかったので「何ですか?」と訊ねた
ら「(ライラの)Helikonです。」とのこと。

 「コレですよコレ!」
川又店長がLPの棚から取り出したものは、富田勲の「宇宙幻想」!
「Aさんがよく試聴記に書いているのはコレでしたっけ?」
「いや、残念ながら『バミューダ・トライアングル』なんですが。」
「でも、音は判りますよね?」
「ハイ、ただ、コレはCDでしか聴いてないですよ〜。」

 大学院の時に、やはり中古レコードフェアで買ったのだが、後輩に
貸して持ち逃げされちゃったのでLPでは数回しか聴いてないです。
 CDは、バミューダほど聴き込んでませんが、もちろんその音場はP-2s
までの時代には聴き込んでます。P-0sではまだかけて無いですね。
 今度かけてみましょう。

「バミューダは私も家に帰れば持ってるかな〜?」川又店長。いやいや、
お気持ちだけで充分です!

「とりあえず、コレ聴いてもらってから富田にしましょう!」
で、かけていただいたのがクインシー・ジョーンズ「アイアンサイド」
のジャズアンサンブル。

 うわー、「実在感にあふれる」というのはこういう音でしょうか。
ドラムセットは実物大、決してスピーカーの間を巨大手長ザルが叩き
回るという録音ではありません。
 ボリュームの位置は何と3時!それでも全然うるさくなく、本物の
楽器、楽団の音量とほぼ同等です。

 いつも書いてますが、「皮の質感」が素晴らしいです。ウッドベー
スの大きさが実物大!
 その気になれば、弦を指が弾く「ブリン」、それがコマから響板に
伝わって、全体が「ウワァン」とうなるところまで分解して聴けます
けど、そんな細かい聴き方をしなくても充分ウッドベースの大きさが、
響きが再現されます!
 アルトサックスの音像が移動してるのは、コレ歩き回ってるんだ!

 ウワァ〜、奏者みんなノリノリ。演奏が終ったら自然に拍手してい
る自分がいました。

 あ、入口の紹介だけで止まっちゃってますね。プリ&イコライザー
はコニサー3.0…迄はすぐ判ったのですが、プライスタグを見て仰天。

「82万円か…コニサーも安くなったな。コレ、在宅中古を展示してる
のかしらん。ン?ンン?ゼロ一桁多くないか?は、はっぴゃくにじゅ
うまんえん????」思わず、下段のML No.32Lのタグと桁合せ。
「やっぱり『はっぴゃくにじゅうまんえん』だ〜(^^;)」

 家に帰って、Stereo Sound誌の137号を取り出しましたら「540万円」
になってましたから現在の定価はそうなんでしょう。

 で、川又店長が「アイアンサイド」の演奏終了を見計らって、入室さ
れ、富田にかけ換えてくれました。
「こうやって聴くアナログもいいでしょう?」

生ツバ飲み込むのに一所懸命で、返事できませんでした。

「さっきのはレベルわかってましたからあそこまでボリューム上げま
したけど、コレは音量わからないから、途中で調節して下さい。」

 コニサー3.0のボリュームは12時半。確かコレ、LPでも「ここまで切
りこむか!」という十数Hzのシンセオルガンが入っているのでとりあ
えずこの位置にしておきます。

 パワーアンプは訊くのを忘れましたが、スピーカーはSignature800。
置き方は、H.A.L.-Iを訪れた方ならご存知の内振りセッティング、SP
ユニット間は約3mで音軸は直角交差(今日見た感じでは90度ではなく
100度位ですか?)、リスナーの坐る位置はSPのユニットから約4m。

 スピーカー後方にも、リスナー後方にも充分な空間が空いています。
(うらやましい…)
 ムラタのSuper Tweeterはオリジナルノーチラスは本来のTweeterの
上方30cmほどでしたが、Signature800の場合は1mほど上ですね。

 お、AMAZONのカーボンアームから生えているコネクターにはしっか
りとP.A.D.のPHONO CABLEが。

 意外と軽い?タッチです。ちょっと聴きには。
…十数Hzのシンセオルガン、しっかりと再生してます!立ち上がりが
速いので、一聴すると軽く感じちゃうんですね!
 あの細いカーボンアームと、評論では「低音が出にくい」とされる
ライラのカートリッジからどうしてこんな「風のような」鋭く、かつ
その鋭さを感じさせない低音が出てくるんだろう?

 例えるなら、とてもとても腕の良い床屋さんで、研ぎ澄まされたカ
ミソリで、髭をあたってもらっているような、そんな心地よさです。
 中高域の、解像度を保ったままの空間での音の溶け合いは言わずも
がな、かつ音像に芯がキッチリ入ってます。その上で溶け合う!


 あと、富田で忘れてならないのはその音場の広さ!
「宇宙幻想」は、バミューダに較べればそれほど『広大無辺な』とい
うほどの音場ではなく、ある枠の中に入っているのですが、それでも
幅は左右のスピーカー+2mずつ、奥行きはスピーカー後方とリスナー
後方にそれぞれ2mずつ、高さは2m70cmのH.A.L.-Iの天井までシッカリ
出ました。

 元の広さがかなりあるので、スピーカーの置き方や、音量上げても
圧迫感を感じないのでついつい忘れてしまいますが、この音場の広さ、
一般家庭に置き換えてみたらスゴイ広さですよ。

 うーん、このままでは根っこが生えてしまいますので(^^ゞ片面し
かかけてませんが、すっかり重くなってしまった腰を上げます。

 最近トーンアーム触って無いからな〜、まずコニサーのヴォリュー
ムをゼロにして、せーの、ヒョイッと。うん、久しぶりの割には過怠
なくうまく持ち上げられました。トーンアームをボトムポジションに
戻します。


 …とにかく、AMAZON+ライラ+コニサー+PHONO用P.A.D.は音に継ぎ
目がありません。
 我家のYAMAHA GT-2000Lは、較べてしまうと重いターンテーブルを、
一所懸命クォーツロックで「カクカクカク」と制御している音です。
う〜ん、やはりベルトや糸ドライブにはそれなりの良さがあるんです
ねえ。

 あの「風のような」重低音は(故長岡先生曰く『軽低音』?!)確
かに聴いておく価値があります!東京近郊の皆さ〜ん、何時までコレ
が展示されてるかわかりませんよ〜。

 なるほど、川又店長が商売抜きにして「この音を聴いていって下さ
い!」とおっしゃった意味はよ〜く解りました。

 「はっぴゃくにじゅうまんえん」は手が出せませんが(^^ゞ
それ以外の部分ならなんとか…。\(-x-)オイオイ。

 アッ!その前に、本来の目的である「P-0sを受けとめられる」D/A
コンバーターですよ!それを相談するのが本来の目的だったのに〜
(^^)
 44.1KHzだけなら現用のD-3でもいいんですけどね、やっぱり皆様の
論文読ませていただくとせっかくのP-0sの能力、目一杯発揮させてや
りたいじゃあないですか。

 ということで、私の貯金通帳残高はいつプラスに転じる事が出来る
のでしょうか?

 今日は聴いてはいけないモノを聴いてしまったような気が…(。。;)


 帰りがけ、5555-1F Accessory Mallに寄り、猪瀬様とお会いして、
とことんご迷惑をおかけしました12月のA.O.P.のお礼を述べさせてい
ただきました。

「アコリバさんのP-0s用DCケーブルですけど、いつAさんに送りました
っけ?15日着でした?じゃあ、まだ多分抜け切ってないですねぇ。
500〜600時間かかると思いますよ?」

 って、(。。;)かなりのレベルで抜け切ったと思ってたのにその先が
ある?!

 じゃあ、中高域にまだ「嫌味ではないけど真鍮素材のようなツヤが
乗る」のが無色透明になる?

「ええ、AさんP-0sの電源どうしてます?入れっぱなしだけどエンハン
サーはかけてない、ですか?エンハンサーかけっぱなしで600時間、と
いう人がこの前見えられましたけど、その100時間だか200時間だかの
時の音がAさんのおっしゃられたような、ツヤがまだ少し残る、とおっ
しゃってましたので、多分無色透明になりますよ。それと、Aさんは
アコリバさんの脚、P0-SP入れた瞬間に純正の鋳鉄脚のピラミッドバラ
ンスから一旦普通のバランスに戻って、またピラミッドに戻りつつあ
る、ということだったじゃないですか。DCケーブルが抜け切ると、全
域で音のスピードが揃って、音の実在感が圧倒的になるそうですよ?」
とおっしゃってました。

 わ〜、1月30/31日でも、もう「抜けたァ!」と思ってましたがその
先がある?これは嬉しい誤算!た〜のしみ楽しみ〜。(^^)


 ということで、今日は嬉しい楽しい1日でした。こんな出張だったら
偶には本社に出張に来ても悪くはないですね〜。

 それでは、川又店長、上遠野さん、猪瀬さん、アポなし襲撃で毎度
すみませんでしたがありがとうございました!

 そして、例によってまた長くなってしまった駄文をお読み下さった
皆様、ありがとうございました。m(_ _)m
 
 AMAZON Refarenz+ライラ+コニサー3.0+PHONO用P.A.D.は絶対に一
聴の価値あり!!ですよ〜(^^)/~~

 あ、忘れてた!頂いたコーヒーもなまじの東京の喫茶店より絶対に
美味しかったですよ〜!(これもお世辞じゃなく、です)

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

S・A 様本当にありがとうございました。アポなしは大歓迎ですよ。
でも、出来れば初対面ですとわからないので、アポなしリピーター
ということでお願いしますね。ハルズサークルの皆様も、一声会員
だよ〜、とおっしゃって頂ければ幸いです。いつかも、申し上げた
ように、フリーのお客様にはあまり私からは声をかけないようにし
ておりますので(^^ゞ

そして、私が最近評価しているアナログ・レコードの演奏を気に入
って頂けて何よりでした。ぜひ皆様にもコーヒーといっしょに楽し
んで頂ければと思いますので、ご来店をお待ちしておりますね。


HAL's Hearing Report