《HAL's Hearing Report》


No.0073 - 2001/12/8

福井県***市在住  S 様より


こんにちは、川又さん。

“SHEER”セット届きました。
迅速丁寧なご対応ありがとうございました。

それにしても、ものすごく速かった。 月曜日の午後3時過ぎに発送したはずなのに、翌日火曜日の朝8:30に 届きましたよ。びっくり!! 重ねてありがとうございました。

以下、レポートです。

“SHEER”大変楽しませてもらいました。

そして、かなり驚きました。

川又さんと知り合う前に“SHEER”に出会っていたら、今のスピーカーとの 付き合いがもう少し続いていただろうな、と思うほどの変化でした。

今までゴチャゴチャとうるさくて聴けなかったようなCDが、まあまあ 聴けるじゃないかと思えるようになったのですからすごいじゃないですか。

特にクラシック、アコースティック系のソースでは効果覿面でした。 固めの音の刺激をあえて求める方や直接音重視の方には「?」という印象 ですが。まだまだ残りはあるので、Signature800が納品されるまでの楽し みが増えました。

がしかし、Signature800で試したらどうなってしまうのだろうと思うと、 納品が更に待ち遠しくなりました。(早くちょうだ〜い)

<使い方>
説明書きには「汚れが少ない場合−1滴、指紋など汚れが多い場合− 2〜3滴」と書いてありました。 試聴したCDはどれも汚れが少なかったのですが、均一に塗布したいと いう理由で対角に1滴づつ、2滴落としてクロスで丁寧に拭き上げました。 磨いているとすぐに例の虹色の光沢が現れ、透明度が見るからに上がって きました。

「おー、まるで上質なワックスをかけたみたいだ」
としげしげと見ていながら、ふと思い付きました。

「車のように一度拭き取ってから、再度乾いたクロスで拭き上げてみよう。」
車の場合はこのようにするとさらに輝きが増すので、CDでも有効じゃない のかな?などと素人考えもいいとこですが、試聴CDすべてにこのような 方法で塗布しました。

二度目の拭き上げは更に磨き上げるという感じではなく、あくまでも優しく 均一に拭き上げるという感じで行いました。

<試聴感−CD個別−>

変化量が大きかったCD順に並べました。

1.プロコフィエフ ピアノ協奏曲No.3 第3楽章 ’ 67アナログ録音 Grammophon

マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) クラウディオ・アバド=ベルリン・ フィル

かなり余韻成分が増大する。
ややドライできつめの収録という印象のCDであったが、ピアノやオケの 音色の印象が随分違う。ドライからウェットとまではいかないが、やや ウォームという印象に近くなった。すごく聴きやすくなった。

2.シューベルト 交響曲No.3 第4楽章 ’ 78アナログ録音 Grammophon

カルロス・クライバー=ウィーン・フィル

明らかに余韻成分が増大し、ホール感がたっぷりと味わえる。 でしゃばっていた高弦がきめ細かく分離し聴きやすくなり、ダイナ ミックなクライバー本来の演奏が安心して堪能できた。

3.モーツァルト 歌劇「魔笛」序曲 ’ 69アナログ録音 LONDON 

ゲオルグ・ショルティ=ウィーン・フィル

1.2.と同じく余韻が増えた。
高弦がにぎやかできつめだったのが、きめが細かくなりほぐれて聴こえる。 帯域バランスには大きな変化はないが聴きやすくなった。 中間部の和音がピラミッド型の安定したふくよかな和音になる。

4.ショスタコーヴィッチ 交響曲No.5「革命」 第2楽章  ’86録音 PHILIPS

セミヨン・ビシュコフ=ベルリン・フィル

冒頭、低弦のユニゾンが生き生きと力強くなる。余韻が長く深い。 無機的に聴こえていた高弦がほぐれて聴きやすい。中間部、径の 小さいシンバルの響きが「ジャリーン」から「シャリィィーン」となる。

5.モーツァルト ピアノ協奏曲No.20 第1楽章 ’ 85録音 PHILIPS

内田光子(ピアノ) ジェフリー・テイト=イギリス室内管

こもり気味だったピアノがやや開放的に鳴る。音量を上げると耳に ついていたピアノの高音部のカンつき、高弦の引きつりがかなりおさ まった。ティンパニが肥大せず、密度感が増した。

6.「シンプリー・バロック」  バッハ カンタータNo.167  ’98録音 SONY

YO-YO MA(バロック・チェロ) トン・コープマン=アムステルダム・ バロック管

ややもやついていた部分が、薄皮一枚剥いだようにクリアーに聴こえる。 MAのソロがくっきりと前に浮かぶ。高弦がクリアーになりながらもエコー を伴って、きめ細かくしっとりと落ち着く。

偶然かもしれませんが、アナログ録音のCDの方が、変化量が大きかった という結果でした。 また、これも偶然かもしれませんが、Grammophonレーベルの変化量は特に 大きいものでした。演奏自体の印象まで変わってしまいました。 大して試聴してないのであてにはなりませんが。ご参考まで。

<試聴感−まとめ−>

変化量が大きかった項目順に並べてみました。

1.明らかにエコー成分が増えて聴こえる。 中高域が分かりやすいが、よく聴くと中低域の余韻(倍音成分)も増えている

2.全体的にクリアーで開放的な鳴り方になるが、分解能が向上しきめが 細かくなるので大変聴きやすくなる。特に高弦がほぐれて引きつらなくなる。

3.低音が分厚く、力強くなる。膨張、肥大するのではなく、音そのものの 厚みが増し、密度が高まる感じになる。

4.それぞれの音像がはっきりし、分離する。 奏でている音自体とエコー成分が分離する。

5.S/Nが向上し、音場の見通しがよくなる。

全体的に、鳴り方がにぎやかなものは落ち着いて聴きやすくなる傾向の ようです。それでいて情報量は明らかに一段増えるような感じです。

しかし、これが¥3,800のCDクリーナーによる音質の変化だとは驚きです。 CDによってかなり効果の度合いが違うようです。変化量の大きいCDなど では、大げさではなく、機器やケーブルを交換したような変りようでした。

“SHEER”を知らない人に聞き比べをさせたら、たぶん「ケーブル換えたん だろ?」と言われてしまうのではないでしょうか。変化量の少ないCDでも 空間がクリアーになり、開放的な鳴り方になる変化ははっきりと聴き取れ ました。また、システムのグレードが上がれば上がるほど、この効果は 顕著になっていくんじゃないでしょうか。

今まで皆さんのレポートを読んでいて、「ちょっと大げさじゃないの?」 と思っていましたが、本当だったんですねー。かなり驚きました。

実は上記6枚のCDを聴き比べた時点でとうとう我慢できず、「あ〜もう 比較試聴なんてやめだ!」と、次々と“SHEER”を今度は1滴ずつ塗って いったのでした。
(もうレポート書くために2回も同じ曲を聴くのが面倒になって…)

どなたかが言われてましたが、“SHEER”処理済CDと未処理CDの区別が だんだんつかなくなっていきそうですね。 更に、“SHEER”効果は約3ヶ月なので、そのうち“SHEER”処理後間もない CD、“SHEER”効果の薄れたCD、未処理CDなどが混在して、訳が分から なくなってしまいそうです。

以上、レポートでした。
このあとは、私個人の余談です。

私は、本来なんというかノンブランド志向、たとえが貧困ですが「無印良品」 的なものに魅かれます。

つまり、伝統や設計思想などにとらわれず、「いいものはいい」といった スタンスでしょうか。

しかし、伝統や思想を軽視するというわけではありません。

それもありだがこちらもまたありという感じ。 単に主体性なし、優柔不断とも言える。好意的にみれば、極めてバランス感覚 に富むとも言えますね(^_^.)

川又さんの随筆、レビューなどを読むにつれ、伝統的ブランドではGOLDMUNDの 音の世界に勝手な憧れを抱くようになっています。実際じっくり聴いてもいな いので、何の根拠もありませんが、私好みの音調に違いないと勝手に夢想して います。(でもオーディオではこういうことも大切ですよね)

かなり大雑把で極端なたとえで申し訳ないのですが、MarkLevinsonは Grmmophonレーベルのやや硬質ながら、大らかで重厚なイメージ。

JeffRowlandはPHILIPSレーベルの中庸で、爽快かつ柔軟なイメージ。

KRELLはLONDONレーベル。

王朝的なゆったり感。「おー、ゴージャス」と思うこともあるが、 乱暴に言えばイージーリスニングを高度に聴くにはいいイメージ。 かな?

その他ブランドはどうなんでしょう?見当も付きません。

****はどれにも当てはまりませんが、とりあえず駆動力は十分高く、 ニュートラルです。完全に「ブラボー!」とまではいきませんが、 高レベルでバランスされていて、合格です。 (このサイズ、価格。希少価値だと私は思う)

さて、GOLDMUNDはエラート…?、テルデック…?、アルヒーフ…?、うーん、 どのレーベル、形容にも当てはまらない。 透徹で冴えた音調ながら、奏者が奏でようとする音、ニュアンスを凝縮して、 そのエッセンスをひとしずくずつこちらに浸透させてくるようなイメージです か。

強いて言うならば、Grmmophonの硬質さとPHILIPSの爽快さを兼ね備えたタッチで しょうか?

GOLDMUNDは「無印」ではありませんが、伝統にあぐらをかかない潔さ、孤高では あるがそのエスプリを誰もが認めざるを得ない存在感は他を圧倒している、とこ れまた勝手に思っています。

まあでも、Millennium シリーズまではとても無理ですが、現時点では「将来的 にプリ・パワーはGOLDMUNDかなー」、とまたまた勝手に決めています。

しかし、今後、どのような新ブランドが殴り込みをかけてくるかもしれません。 自分はそれを静観しつつ、一番自分の官能に触れてくるものを選択すればいいの だと思うと、更に楽しみが増すというものです。

などと…、まあ現実(金銭)面を抜きにすれば、いかなる高邁な理念もたや すいのですが…、でも望みは高く!ですよね。ハハハ・・。

つれづれにふと思いついたことで何の脈絡もありません。

以上、それでは、また。


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